鍵盤あれこれ


テンションのスケールとUST / スケールの利用法
/ モード / スケールの応用 / 練習法としてのスケール / 変わったスケール
/ ヴォイシング(基本) / ヴォイシング(テンション入り) / ヴォイシング(用途)
/ ポリコード / 音を散らす / 内声と外声 / 強弱表現
/ 音域の問題 / 和音の響き / リンク // もどる
<サンプルのMIDIファイル(SMFフォーマット1)が再生できない方はQuickTime Playerを使用してみてください>


もう少しだけ突っ込んで。幡野謙司さんのページMORE JAM内の音楽理論講座とピアノレッスンのテキスト等が非常に参考になる。というか、以下を読むヒマがあったらそちらを先に読むことをオススメする。目録的な知識の紹介が中心になるので、用例や活用法については急がば回れの知識補充系ページも参照のこと。

レフトホースというライブハウス(横浜市緑区)を拠点にジャムセッションレッスンも行っているようなので、近所(横浜)に住んでいる方はぜひ見に行ってみるとよいだろう(筆者は幡野さんと面識がないしレフトホースにも行ったことはないが、ページの内容を読む限り、正確な知識に基づいて非常によく練られた練習法が提案されている)。


テンションのスケールとUST

スケールの基底音から見て完全1度の音(key on C ならC音)がナチュラルメジャースケールにおける第1音になるスケールをイオニアンスケール(key on C のナチュラルメジャースケールと同義)、第2音になるならドリアンスケール(Cが第2音になるということは、key on Bbmajと同じ構成音)、第3音ならフリジアンスケール(Abmajと同じ)、第4音ならリディアンスケール(Gmajと同じ)、第5音ならミクソリディアンスケール(Fmajと同じ)、第6音ならエオリアンスケール(Ebmajと同じでCminとも同じ)、第7音ならロクリアンスケール(Dbmajと同じ)と呼ぶ。鍵盤の白鍵の並び方を元にしていることになるが、どちらが卵でどちらが鶏なのか筆者は知らない(もちろん、後述のオルタードスケールなど、もっと不規則な並びをしているものもある)。イオニアンスケールはナチュラルメジャースケールと、エオリアンスケールはナチュラルマイナースケールとそれぞれ一致する。

たとえばCのコードにKey on Gmaj から借用したテンションを乗せた場合、Cリディアンスケールを用いていると解釈される。Key on Cmajの音しか使っていなければCイオニアンスケール、Key on Fmaj から借用した音を鳴らせばミクソリディアンスケール、Key on Cmin から借用した音を鳴らせばエオリアンスケールを利用していることになる。

コードのルート音を基底音にするナチュラルメジャースケールをルート以外すべてフラットさせたものはオルタードスケールと呼ばれる(構成音はロクリアンb4thと一致し、半音上のメロディックマイナーとも同じ)。ドミナントセブンにオルタードスケールからテンションを乗せて1度と5度を省くといわゆる裏コードができ、たとえばV7(b9,#11)omit1,5としてやるとbII7の、V7(b9,#11,b13)omit1,5だとbII7(9)の回転形になる。

キーがCメジャーの場合V7の裏コードはIIb7=Db7だが、DbオルタードとCナチュラルメジャーの違いは、ルートがC音かDb音かということだけである(つまり、Db7の上にCナチュラルメジャーの音を乗せると、次の段落で触れるオルタードテンションが自然とでき上がる)。オルタードは減5度上のリディアンb7thとも構成音が一致するので、GオルタードとDbリディアンb7thの構成音は同じになる。減5度上と減5度下はオクターブ違いで一致するので、GオルタードとGbナチュラルメジャーの関係や、DbオルタードとGリディアンb7thの関係も、上記と同じ。IIm>VをIIm>bIIに差し替えてIIbのところで(biiから見た)オルタードスケールを使う場合、直前のIImに(iiから見た)メロディックマイナーのニュアンスを加える手もある(iiから見たメロディックマイナーとiibから見たオルタードの構成音が同じため)。

これらのスケールはテンション同士の統一感を出す際などに利用し、たとえばV7>Imaj7とドミナント解決する際のV7には(Vをルートとした)オルタードスケール上の音をテンションとして乗せることがある(これをオルタードテンションとかオルタード系といい、b9,#9,#11,b13の4種類:前の段落の説明と重複するが、表コードにオルタードテンションを乗せるとテンションだけ裏から借りた形、裏コードにオルタードテンションを乗せるとテンションだけ表のままの形に近くなる)。

もちろん、元のコードがV7なので(Vをルートとした)ミクソリディアンスケール上の音をテンションに使う(ナチュラルテンションといい、JazzなどではG7上でC音をアボイド扱いすることが多くC音をシャープさせたリディアン系が好まれるが、これもナチュラルテンションの一種:9,11or#11,13)のも自然なのだが、両方のスケールから音を取り出してしまうとテンション同士の統一感が薄れる(それを承知の上であえてやるのはもちろんアリ)。

この考えをさらに推し進めたのがUST(アッパーストラクチャートライアド)で、上声部(高音側の音=要するにテンション)がトライアドを作るように音を集めてやると、テンション同士の統一感(というか結束感)がより強くなる(具体例はポリコードのところで後述)。

なお「〜をルートとした」「〜から見た」という表現を繰り返したが、オルタードスケールや後述のコンディミなどはキーのルートを基準にする意味があまりなく、またドミナントセブンは裏コードやセカンダリードミナントとしても使われるため、コードのルートを基準にすることが多い。これを多用しまくると「曲のキー」の存在価値が薄れ「今使っているスケールとそのルート」だけが問題になってくる(モードジャズなどの考え方に繋がる)。ちなみに、曲のキーを意識しない文脈で「パートのキー」以外を基準にしたい場合、たとえば「harmonic minor perfect5th below」(パートのルートの完全5度下から始まるハーモニックマイナー:この例だと、ハーモニックマイナーの曲でV7を使うのに近い音使いになる)のような書き方をする場合がある。


スケールの利用法

スケールの概念を紹介した解説は多いが、利用法の紹介はなぜか少ない。結論から言うと「音の現在位置を知る」「音にまとまりを出す」の2つを目的に使う(この2つは切り離せないので一緒に話を進める)。

たとえばKey on Cmajで大筋の進行がC>G>F>Cの曲を考える。CメジャーのダイアトニックトーンはCDEFGABだが、コードがCのところでこの7つの音を使うのとコードがGのところで使うのとでは意味合い(音の響き)が違う。

コードがGに変わっても構わずCDEFGABのトーンを使いつづければこれはGミクソリディアンスケールということになり、Key on Cmajの拘束感(まとまり)が強くなる。反対にGオルタードスケールなどを使ってやるとノンダイアトニックトーンが多く出るので、Cの拘束感がやや弱まる。Gイオニアンスケールにしてしまえば、コードチェンジというよりは軽い一時転調のような感じになるだろう(とはいってもKey on Cmajから外れる音はF#しか出てこないが)。

キーが安定したままなのかコードに引っ張られて移動するのかということがポイントで、どの音がキーのCから見て何度で、コードのGから見て何度かということを把握すれば、調性感やコードの支配感を自由に操れる(はずである)。前述のとおり、たとえばリードギターがGオルタードスケールでアドリブを始めた場合、鍵盤でオカズを入れるならやはりGオルタードスケールから音を選んでやるとまとまりが出る(即興演奏の場合、フロントの奏者がどのスケールを使っているのか把握する必要がある)。

和音についてもスケールの考え方は有効で、たとえばKey on Amajで大筋の進行がA>A>A>A>D>D>A>A>E>D>A>E(いわゆるブルース進行)の曲を考える。最初の4小節の間、和音楽器はAのコードしか鳴らさないのかというと、そんなことはまったくなく、他の楽器との兼ね合いや曲の展開によってさまざまな和音を鳴らすはずである。

これを突き詰めていってコードチェンジが頻繁になると、小節単位でコードネームを把握することの意味がだんだんと薄れてくる。極端な話、ブロックコード(後述)による演奏などではメロディ1音ごとに違う和音が鳴るわけだし、その気になればさらにせわしくコードチェンジすることも可能である。また一方で、和音構成が複雑な曲や即興演奏などでは、それぞれの音の重なり合いについていちいちコードネームを与えて解釈する意義があまりない。

こういった事情が重なると「この小節のコードはE」とか「この小節のコードはBm」などといった把握が機能しなくなってくる。そこで、鶏と卵ではあるが、たとえば「最初の4小節はAマイナーペンタトニックで」などと取り決めることで音の動きを大枠で捕らえる考え方がさらに発達した。


モード

上記の考えをさらに進めると、やはり鶏と卵ではあるが、モードという手法でコードネームの概念自体を無視してしまうことも可能である。スケールが音の選び方を示すのに対し、モードは旋律の構成方法を強く意識した概念である(和名だと「旋法」)。この文脈でたとえば「Gミクソリディアンモード」というと、「Key on CmajでVのテンションにCナチュラルメジャースケール上の音を使う」などという意味ではなく「Gから始まるミクソリディアンスケールのまとまりの中で演奏するパート」という意味になる。

CイオニアンモードとGミクソリディアンモードは構成音が同じであるが、ルートの位置が違うため(=CナチュラルメジャースケールとAナチュラルマイナースケールを同一視しないのと似たようなノリで)モードとしては別物として扱う。また、Key on Cmajの曲で途中からKey on Fmajの構成音を使うような場合、ルートを動かす意図がないならば、Fナチュラルメジャーへの転調ではなくCイオニアンモードからCミクソリディアンモードへの移行であると解釈できる(もちろん、キーが動いてFイオニアンモードに移行するような曲もありえる)。

また、モード(旋法)はもともとクラシックの用語で、ドリアン、フリジアン、リディアン、ミクソリディアンとそれらの変格旋法を指したが、現在はイオニアン〜ロクリアンの7種を指すことが多い。上記の意味であることを特に示したい場合はチャーチモードとか教会旋法などと呼ぶ。ちなみに、教会旋法からさらに元を辿ると古代ギリシアの旋法に行き当たるが、両者の間では旋法の名称が食い違っている(文献の誤訳が原因だそうな)。

Cナチュラルメジャースケールで演奏するのと(モードジャズの文脈における)Cイオニアンモードで演奏するのはどう違うのかというのは素朴な疑問であるが、もっとも顕著な違いとして、後者の場合和音の構成はモードの概念に基づいて行うためコードネームに基づいた和音構成を(普通は)行わない(というか、前述のようにコードネームに基づいた和音構成が限界に達した場合に有効な概念である:解釈次第なので、どちらにも取っても差し支えない場合はありえる)。ただし実際には、「モードらしい感じ」を出しにくくなるためイオニアンモードを主体にした演奏はほとんど行われない。

現在のクラシック用語でも、たとえばキーを変えずにナチュラルマイナーとハーモニックマイナーを行き来するような動きをモーダルインターチェンジと呼ぶ(この辺の事情については和音を中心にのページを参照、転調扱いとモーダルインターチェンジ扱いの使い分けについては急がば回れの作曲知識補充編キーを途中で変えるを参照:さらに詳しい情報はMORE JAM解説を参照)。メジャーキーにも同様に、ナチュラルメジャーモードやハーモニックメジャーモードなどがあり、相互に行き来する。

ハーモニックマイナーモードとかメロディックマイナーモードという用語を(「チャーチモード」などの語と同様に)もっと大きな枠の意味で使う場合もあり、その場合は次のような分類になる(小分類の各モードは大分類のモードに対し、コードでいうところの回転形のような、構成音が同じでルートが動いた関係になる)。

「ロクリアン2」などは「2度の音がナチュラルする」の意である。ナチュラルメジャーとナチュラルマイナーはそれぞれイオニアンとエオリアンに一致する。

なお、ルート音=第1音になるのが暗黙の前提だが、古いクラシックの用法では第4音になる場合もあり、前者を正格旋法、後者を変格旋法と呼ぶ(より厳密に考えると、この文脈で「ルート」という用語を使うのはちょっと奇妙で、本来は終止音(フィナリス)の位置で考える)。変格旋法は元になった正格旋法に「ヒポ」をつけて呼ぶ(たとえばCミクソリディアン(C-D-E-F-G-A-bB)に対してCヒポミクソリディアン(G-A-bB-C-D-E-F)など:Cヒポミクソリディアンの構成音はGドリアンに一致し、終止音の位置だけが異なる)。


スケールの応用

ペンタトニックスケールはなかなか面白い性質を持っている。「5音からなる全音のスケール」という意味で、文字通りに解釈すると半音移動がない5音スケールはすべてペンタトニックスケールなのだが、普通単に「ペンタトニックスケール」とか「ペンタ」というと「メジャーペンタトニックスケール」を指し、ナチュラルメジャースケールから4度と7度を抜いたものと同じ形になる(「マイナーペンタ」はナチュラルマイナースケールから2度と6度を抜いたのと同じ形で、ブルーススケールから2度と6度を抜いた形のブルースペンタトニックスケールと似た構成になる:ブルースの文脈で単に「ペンタ」というと「ブルースペンタトニックスケール」を指す)。

ちなみに、平均律には12音しかないため、6音からなる「全音の」スケール=ヘキサトニックスケールは1パターンしか作れない(ヘキサトニックではなく全音音階(whole tone scale)と呼ばれることがほとんど:7音からなる「全音中心の」スケールはダイアトニックスケールと呼ぶ)。ちょうどaugコードを全音違いで重ねた形で、たとえばCaugとDaugの構成音を足すとCホールトーンスケールの構成音に一致する(これに対し、dim7コードを全音違いで重ねた8音音階はディミニッシュスケールと呼ばれ、たとえばCdim7とDdim7の構成音を足すとCディミニッシュスケールの構成音に一致する)。

ホールトーン以外の「等間隔音階」として、短3度おき4音(dim7のコードと同じ構成音)のスケールも(エレキギターのアドリブなどで)用いられることがある(アルペジオとの区別が不明瞭になるが、結局は奏者の意識の問題なのだろう)。長3度おき3音だとaugコードと同じ構成音、減5度おき2音だと単なるトライトーンになるが、ここまでくると「スケール」という感じはあまりしない。

Key on CmajでCペンタ>Gペンタ>Fペンタと移行する場合、Cmajのノンダイアトニックトーンは出てこないためキーのまとまりが保たれるし、すべてのパートで使っているスケールが同じなので統一感が強くなる。これだけ安定感があれば、スケールの中でどんな無茶をやってもそう簡単に破綻することはない(ワクを狭めて大暴れするか、ワクを広げて慎重にやるかという問題:ワクを広げて大暴れすると普通は破綻する)。

キーの安定度が増す分調性まで巻き込んだ大きな動きは出せないが、GペンタのパートではCとFが、FペンタのパートではBとEが「出てこない」ということがそのパートの特徴付けになる(FペンタのパートでのF音とGペンタのパートでのB音も、Cペンタのパートでは使わない音という意味で特徴的だが)。さらに、AマイナーペンタとGマイナーペンタもKey on Cmajのダイアトニックトーンだけで構成されているので、これらを元にしたパートも容易に組み込むことができる(IとVとVIのスリーコードを中心に要所でVImとIImを交えるスタイルが非常に安定するのはこのため)。

もちろん、Key on Cmajの曲をペンタトニックスケールで演奏中にGのテンション(というかドミナントセブンだが)にあえてF音を乗せてやって、一時的にワクを広げるのも演奏者の自由(ドミナントコードが鳴るパートは曲が盛り上がる部分なので、ここでワク自体を動かして大きな変化をつけると、それまでが安定していたことと相まって劇的な効果になる:常時動きっぱなしよりも、静>動と変化させた方が印象が強まることが多い)。この場合単にF音を鳴らすのではなく、Gミクソリディアンorリディアンスケールに移るのかGオルタードスケールに移るのかを明確に意識した方が自然かつ大胆な動きになりやすい(もちろんそれ以外のスケールに移動してもよい)。

バックが勝手にスケールを広げることも可能で、たとえばリードギターがGペンタトニックで弾いている後ろから、鍵盤がC音やF音を使って全体をGミクソリディアンスケールに広げることもできる。基本的には高音ほど自由が利き、低音ほど他への影響力が大きいため、各プレイヤーはベーシストの演奏をしっかり把握する必要がある。

スケールを考慮すると音をまとめたり散乱させたりといった操作がより的確に行えるが、音を構成するための規則というよりは、自分や他の奏者が今どのように音を構成しているのか知るための目安の1つだと考えるとよいだろう。

別の使い方として「コードの指定を読み替える」ということも可能で、たとえばある小節の「コードがC7」というのは(一般的なポピュラーミュージックの文脈では)「CをルートにしたCとEとGとBbによる四和音」という意味だが、これを単に「CとEとGとBbのトーンがメインになる小節」と読み替えてしまう。読み替えた上で、その条件を満たせるスケールを自由に選んでやる(弾く気がないトーンは、1つくらいなら条件から外してもよい)。すると「CとEとGとBbを含むまとまり」をある程度保ったまま選択肢を増やすことができる、というわけである。この場合も、従来の意味でのルートとかコードといった概念は意味が薄くなる。

余談になるが、どこからどこまでが「ダイアトニック」かという議論にはあまり意味がない。たとえばダイアトニックスケールの代表例としてナチュラルメジャースケールとナチュラルマイナースケールがあり、前者ではIとIVとV、後者ではImとIVmとVmがダイアトニックコードとして扱われるが、ハーモニックマイナースケールやメロディックマイナースケールおよびその主要和音は「ダイアトニック」だといえるか、もしいえるなら同様に出現するハーモニックメジャースケールとその主要和音はどう扱うか、JazzなどでIとIVとVにIVmを加え主要4和音を想定する場合はどうかなど、追求しだすとキリがないし追求するメリットも薄い(「ダイアトニックスケール」は単に「7音スケール」を指すと考えた方が便利)。


練習法としてのスケール

スケールは楽器の練習法としても使える(というか、もっとも主要な利用法がこれ)。ここでいう「スケールの練習」とは、音楽理論の勉強ではなく「よく使う音を手に覚えさせるための練習」のことである。

鍵盤の初心者がよくやる練習に、移動ドでドレミファソラシドを延々と弾くというものがある。たとえばGナチュラルメジャースケール上ではGABCDEF#が、Fナチュラルメジャースケール上ではFGABbCDEがダイアトニックトーン(よく使う音)だが、演奏中に「どれを使うんだっけ」などとなったのでは話が始まらない。このため「Cから始まるドレミファソラシドはこう、Gから始まるドレミファソラシドはこう、Fから始まる・・・」ということを手に覚えさせておく必要がある。専門用語を使って大げさに言えば「キーを変えながらナチュラルメジャースケールの練習をしておく」ということになる。

もちろん、マイナーキーの曲を演奏する場合にはマイナースケールの練習も行う(Cmajの練習をしたからAminの練習をしなくてよい、ということにはならない)。エレキギター(左手の平行移動でキーを移動できるという利点もある)などリードを担当することが多い楽器では、上で紹介したペンタトニックスケールの練習も重視される。


変わったスケール

リディアンはモーダルインターチェンジの文脈から見るとちょっと変わったスケールで、原則として動かないはずの核音(iとivとv)が動く(ivが#ivになる)。モーダルインターチェンジはもともとオルガンの奏法から出てきたもので、シャープする変質音(臨時記号がつく音)自体もけっこう珍しい(鍵盤楽器はフラットさせる変化の方が得意)。

IIやVのところで使ってもいいのだが、メロディをコードに変える操作となぜか相性がよい。たとえばこのサンプルファイルは、メロディだけ、メロディ+全音符のコード伴奏、ブロックコード(後述)にしてボトムノートをオクターブ下げ、メロディをダイアトニックコードに単純変換、メロディをコードに変換してリディアン(ただし#ivは必要に応じてナチュラルする:とくにルートになった場合)、と並べたものだが、なかなか面白い雰囲気になる。最後にオマケで付け足してあるが、音数が少ない方が変化がわかりやすいかもしれない。

もしリディアンモードで#ivを使うのを例外的に許すと、モーダルインターチェンジだけですべての鍵盤を使うことになる(i、iiとbii、iiiとbiii、ivと#iv、v、viとbvi、viiとbvii)。もちろん、クロマチックスケール(半音刻みの12音すべてを使う)を使うのとモーダルインターチェンジの影響で結果的に12音を使うことになるのとでは意味が違う(各パートで使っているのはあくまで7音スケール)が、妙な誤解があるようなので一応指摘しておく。

リディアンの別の活用法としてリディアン・クロマチック・コンセプト(通称リディクロ)という考え方もあるが、その前にマイナーコンバージョンというのを紹介しておこう。たとえばコードがAmのときにAナチュラルマイナー(Aエオリアン)やAハーモニックマイナーを(メロディやテンションに)使うとか、コードがCのときにCナチュラルメジャー(Cイオニアン)やCハーモニックメジャーを使うのはごく自然な用法だが、これを拡張する考え方である。名前の通り、(マイナー以外の)各コードを、響きが近いマイナーコードに変換して考える。たとえばCはAmの変形(Am7omit1)と見て、CのコードのパートでAマイナー系のスケールを使うわけである。一方リディクロでは、各コードをメジャーコードに変換してからリディアンスケールを使う。

いづれも、モーダルインターチェンジの枠組みから見るとちょっと特殊なやり方ではあるが、スケールの選択肢を増やす方法論としてはなかなか面白い。コンバージョンについてはデータのページも参照。


ヴォイシング(基本)

1オクターブ以内の音だけで和音を作ることをクローズヴォイシングといい、1オクターブ以上の範囲の音を使う場合はオープンヴォイシングという。密集和音(クローズハーモニー)とか開離和音(オープンハーモニー)と言った場合はクラシックの文脈を意図していることがほとんどで、前者はソプラノとアルトおよびアルトとテナーの間に「飛ばすコードトーン」がなく、後者はソプラノとアルトおよびアルトとテナーがいづれも1オクターブ以内になる(テナーとバスの間はどちらの場合も12度以内)。

ポピュラーミュージックでのヴォイシング例として、Key on C でのI>IV>I>V(C>F>C>G)というスリーコード進行を取り上げる。完全5度音と、ベースが他にいる場合はルート音も省略可能なので覚えておく(ディミニッシュやオーギュメントの5度音は、特徴音なので省略できない:というか、CaugM7の5度音を省略するとCM7、Cdim7の5度音を省略するとCm6など、別コードの5度省略扱いになる)。

まず左手ベース右手コードのパターン。左手はオクターブで重ねて全音符、右手はコード回転なしで4分音符を鳴らしているだけ(低音側から1・1、1・3・5度の順)。シャカシャカした感じでわずかに濁った音が鳴っているのがわかる。左手を1・5や1・3にしてもよいし、右手の音は適宜回転させてよい。右手はアルペジオなどを弾いてももちろんかまわない。

これに対して、ルート音と5度音を1オクターブ下げ、右手のルート音(左手の高音側と同じ音になる)を省いた1・1、5・3のパターンだと、もうちょっと落ち着いた感じになるとともにVの迫力が少ししぼむ。長3度音は完全5度音よりもルート音に一致するまでの倍数が多いので、これを高音域に持ってくるのは理に適っている(同じオクターブに置くと長3度音の4倍音とルート音の5倍音が一致、長3度音を1オクターブ上げると長3度音の2倍音とルート音の5倍音が一致)。

右手で6thか7thを入れることが可能(1・1、5・7・3のパターン)だが、一番下のルート音を省いて1・5、3・7とした方が、音の乗り方もバラけ方も自然な感じになる(とくにシックススが軽めになる)。サンプルファイルではすべてのコードを4和音にしてあるが、必要がなければ3和音のままでもまったく問題ない(7が1に変わった1・5、3・1を基本に、1・5、1・3なども使う)。1・5、3・7をオープンヴォイシングの基本形(1と5、3と7はそれぞれ入れ替えてもよい)と考えてよいだろう。上記以外にドロップ系(クローズヴォイシングから特定のノートをベースに回したもの)などもある。

筆者が片手のみのクローズヴォイシングでトライアドのスリーコードを回す場合、トニックは安定感を重視したいので基本形、ドミナント>トニックの動きでは導音を有効利用したいので音域を大きくずらさずに半音進行できる第1回転形、サブドミナント>ドミナントの動きではベースとの絡みで下行したいため第2回転形、というパターンをよく使う。ただし、自分で演奏する前提の場合は「親指で黒鍵を押す機会ができるだけ少ないヴォイシング」というヘタレた方針を取ることがほとんどである(弱)。


ヴォイシング(テンション入り)

1・5、3・7のオープンヴォイシングだと右手が2音しか叩いていないので、1・5、3・7・T(Tはテンション)とテンションも入れやすい(おもに9thを入れるが、手が大きければ11thも入るかもしれない)。テンションはコードトーンよりも高い音程で入れるのが基本だが、演奏や音色の都合で低い音を使いたければ別に使ってもよい(というか、これを「ダメ」と考えると、コード伴奏の上でメロディにテンション相当音を使う場合の扱いが妙なことになる)。

他にベース楽器がいる場合、鍵盤がルート音を鳴らす必要はあまりないため、自由度がぐっと広がる(多分、ベースがいるかいないかでもっとも影響を受けるのが鍵盤)。3・5・7、T・T・Tとか7・3、5・T・Tといった、左手コード右手テンション(右手コード左手別コードのいわゆるポリコード)の形が可能。

5度音(コードの響きにあまり影響を与えない音なので適宜省いてもよい)を省略するとさらに自由度が広がる。1・3・7(3か7のどちらかを右手に担当させるのが普通だが、右手が忙しければ省略してもよい)のフォームをアクシスといい、左手がベース兼務で軽めの落ち着いた音を出す場合に有効。

左手3・5・7・Tで右手が適当に散らす形もお手軽(もちろん、必要がなければテンションは省いてもかまわない)。Jazzの用語で、ツーファイブワンを鳴らすときに左手で3・5・7・9を押さえるのをAフォーム、7・9・3・5を押さえるのをBフォームという(本当はテンションの乗せ方も変わるらしいが、単純に7・9と3・5のどちらを上にするかで呼び分けていることも多いようだ)。あまり関係ないが、左手白玉(全音符)コードバッキング・右手メロディのパターンをエレクトーン弾きというらしい。


ヴォイシング(用途)

クローズはなにしろ片手で押さえられるので制約が少ない。アクシスは軽くて音もしっかりしている。この2つは低音域で使うと音が濁る(一番低い3thもしくは7th音がE3〜G3より下だとちょっと面倒)。1・5、3・7のオープンだと(ルート音に近いトーンである)3・7度音が1オクターブ離れるので、C2ルートくらいまで使える。

他の楽器がベース音を担当してくれる場合仮想的にオープンヴォイシングを利用でき、たとえばベースがルート音、鍵盤の左手が7・3度音という形が簡単に作れる(結果的に、メジャーマイナーともに3度上のパワーコードを押さえることになる:ドミナントセブンの場合は7度音が半音下がる)。また、ベースが動いたときは低音域でルート音を鳴らしているとぶつかる。5度音は欲しい「重さ」によって適宜入れたり省いたりすればよい。

ベースが表(1・3)拍、鍵盤が裏(2・4)拍としてストライドっぽい音を出したり、表鍵盤裏ベースで鍵盤がブロックコードを鳴らすパターンも使える(ストライドとブロックコードについては、非常にわかりやすい解説が他にあるのでそちらを参照:その1その2その3

ピアノの場合は3度音と7度音を基準に、ルートと5度音は3-7の下か間に、テンションは3-7の上か間に入れることが多いが、変わり種として、ギターのローコードのように1・3・5、1・3(・1か7)(GとかCあたりがコレ:ただしドミナントセブンで3度音を重ねると多少面倒なことになる)としてもよいし、(5・)1・5、1・3・5(Amがコレ)と重めにしてもよい。


ポリコード

よく見るポリコードの例としてCまたはCmにテンションを乗せたものを挙げると、

などがある。テンションがあまり低い音程になりすぎないように、上に乗ったコードを適宜回転させる。

G7のオルタードテンションとしてDbとEb、ナチュラルテンションとしてFとAmを乗せたサンプルファイル(ピアノの左手はルートを省略したセブンス、ベースがルートを弾く前提)を用意したが、オルタードテンションは「外に貼り付いた」ような感じ、ナチュラルテンションは「内側に入り込んだ」ような感じになっているのがわかると思う(感覚的な表現だが)。Dbを乗せるパターンとFを乗せるパターンでは、右手のF音を省いてある(ルート音や5度音をオクターブで重ねることはよくあるし、3度音もたまに重ねるが、7度音やテンションは普通重ねないため:右手ではなく左手のF音を省略すると、もっと甲高い音になる)。


音を散らす

上記ではベタ打ちパターンのみを使ったが、音を散らす(広義のアルペジオ)とちょっと変わった効果が出てくる。たとえば右手パワーコード左手バラの8分でダンパペダルを使うパターンで右手がルート音から入ると、小節のアタマがパワーコードになり小節の後半の方までメジャーコードなのかマイナーコードなのかわからない。

さらに左手も音をバラすと、小節のアタマがルート音だけになり、弱>強の繰り返し感が強くなるし、左手を5度音>ルート音にしてやると後半でベースが落ち着く形になる。逆に右手を3度音から入ってやると「しっかり入った感じ」が強くなる。

特に左手の音はビートに大きな影響を与えるため、どこでどの(何度の)音に顔を出させるか、ベースとの兼ね合いも考えていろいろと試してみるとよい。もちろん、ベタな白玉(全音符)バッキングも使いでは十分にある。


内声と外声

和音の最低音をボトムノート(ボトムヴォイス)、最高音をトップノート(トップヴォイス)といい、この2つを合わせて外声(アウターヴォイス)という。これに対してそれ以外の音は内声(インナーヴォイス/インナーパート)という。

内声と外声の区別云々というよりは、トップノート(メロディを作りやすい)とボトムノート(ようするにベース音になる)の役割が大切で、この2つがコードのルート音から見て何度の音なのかが音色に大きく関わってくる。ブロックコード(メロディのトーンをオクターブで鳴らしてその間にコードトーンを3音入れる手法で、コードは6thを乗せた4和音を使うことが多く、メロディがコードトーンでない場合は上から2番目を省いて5和音にする:さらに、ブロックコードの上から2番目のトーンをオクターブ下げ、元のボトムノートを省略して4和音にするドロップセカンドという手法もある)を作る場合に外声をメロディ担当音にするのもこの絡み。

Jazzなどではトップノートによるメロディ作りをとくに重視してヴォイシングを行うが、クラシック方面では音の滑らかさや声部の独立性を重視して(鍵盤上の指の動きを最小限に留めつつ外声の平行を避けて)ヴォイシングすることが多い。

トップノートのすぐ下の音(上から2番目の音)は、メロディに対するカウンターメロディ(対旋律)になる場合がある。もともとはクラシック用語で、対位法における下声部の分類のひとつ・・・だと思う(主旋律が細かく動く場合はゆったりと、主旋律にあまり動きがない場合は多めに動いてバランスを取るのが本来の用法・・・のはずで、ここでは「メロディを支える音」程度の意味:ソプラノの上にカウンターメロディ、バスの下にコントラバスを入れて4声を6声に拡張する考え方もある)。

副旋律/対旋律/オブリガートあたりの用語には混乱が見られ、場合によって意味合いが違ってくるが、副旋律が主旋律を支え副旋律を修飾するのが対旋律(この文脈では主旋律ではなく定旋律と言うことが多い:そう言われれば、反行を基本に4声でソプラノを主旋律とすると、テナーがソプラノと平行しつつ副旋律に、アルトがソプラノと反行しつつ対旋律になりやすい・・・のではないかという気もする)、もしくは、主旋律を(主旋律と似た動きで)補うのが副旋律で主旋律と(主旋律と逆行する動きで)ぶつかるのが対旋律、オブリガードは副旋律や対旋律のうちメロディとしての独立性がとくに高いもの、と考えておけばだいたい問題ないはず(ポピュラーミュージック方面では「裏メロ」という言い方をする人もいる)。


強弱表現

理想をいえば、10本の指それぞれが何度の音を担当しているのかをすべて把握して、それぞれ強弱をコントロールしてやるのがよいのだが、これはなかなか難しい(MIDIなら簡単だが)。そこで、まずは外声の強調具合だけでも意識的にコントロールしてやるとよい。ついで、7thの音や導音の強弱を意識するとよいだろう。

コードをひとまとめにして鳴らす場合、強く鳴らす指は遅めに、弱く鳴らす指は早めに鍵盤を押し始めないと、(鍵盤の押下速度が違うわけだから、当然)音がバラけてしまうので注意。先に出発した弱音の指に、後から出発した強音の指が追いつくようなイメージ。弱い音を出す鍵盤だけ半押ししておいて、同時に出発する手もある(ペダルを使ったコードバッキングなどでしか使えないが)。

あとは、全体のバランスを見ながらコード構成音を適宜省いたり、アタックが強すぎるようなら音をバラしたりしていく(とくにピアノはアタック感が強い楽器なので注意を払う)。SD相当のコードは弱めに弾かないと耳につくことが多いので覚えておくとよい。


音域の問題

鍵盤は全般に音域が広いのでどこを使ってもよいのだが、中央のドがC4なので、自然に座って手を伸ばすと左手がテナー、右手がソプラノということになる。ソロであれば、左手を広げてバスの音域までカバーしてもよい(サンプル)。問題なのは他の楽器とアンサンブルする場合で、音域が広いからといってヘタに動き回ると音がかぶってしまう。

基本的に、ベース担当が他にいるなら鍵盤がバスの音域にまで降りていく必要はない(ピアノに準じる楽器なら、エレキベースやアコースティックベースの下まで潜り込むことが可能だが)。フォークギターなどとアンサンブルすることはあまりないが、同じ鉄弦のアコースティック楽器で、とくにストロークプレイではバリトン〜ソプラノあたりが満遍なく出てくるので、アレンジやヴォイシングに工夫が必要。エレキギターならアルトより下へはあまり降りてこないので、左手でテナーを担当しつつ右手はギターと交互に前に出るような感じにすると安定する。

実際の演奏やアレンジでは、ソロでない限り、ローインターバルリミット(次の項目を参照)により支障なく使える音域が制限される場合がほとんどである。


和音の響き

協和音/不協和音という用語は必ずしも和音が不快感を生むかどうかだけを示さない(たとえば完全4度の音は、ルート音を中心とした調和的な和音を作らないので、対位法や和声法の文脈では不協和音扱いされる)が、ここでは協和感/不協和感という用語を仮に設定して、和音の響きが不快感を生むか否かのみを考える。

和音の協和感と不協和感は音程や倍音の厚さに左右され、音程が低いほど、また倍音の豊富な音色ほど不協和感が強くなる(倍音同士のぶつかり合いが目立つためだと思われる:純音同士の和音でも、トライトーンなどは不快な響きになる)。

ピアノのC2とC#2、ピアノのC8とC#8、鋸波のC8とC#8を順に鳴らすサンプルを用意した。MIDIファイルなので再生環境によって差があるだろうが、同じ半音違い(短2度)でも、音程が低い場合や倍音が多い場合(鋸波は倍音が多い音の代表である)には不協和感が強くなるのがわかると思う。ピアノのC8とC#8には不協和感があまりない。

音程が極端に低いとパワーコードのようなごく調和的な和音でも濁った音になることがある。どの程度の音程まで無理なく使えるかという目安をローインターバルリミットというが、すでに述べたように、倍音の厚さによってボーダーラインが一定しない。一般的なアコースティックピアノだと、A1とE2の和音よりも音程が低いパワーコードは不協和感が目立ちやすいと言われる(部屋の音響や調律の具合にもよるので、最終的には耳で判断するしかない)。

不協和感を抑えるために、ベース奏者があえて古い弦を使って倍音を減らすこともある(Jazzをやるベーシストによく見られる:5弦ベースを使うことで音域ごと下に下がる場合もある)。これをやってもらえると、鍵盤奏者やギター奏者は低い音域に降りて行きやすくなる(反対に、ベースの倍音が豊富な場合は迂闊に低い音域を使わないよう注意すべき)。

近い周波数に多くの音が集まると(音と音のぶつかり合いが増えて)それだけで音に濁りが出るため、音と音の間隔を広げる(鍵盤のヴォイシングでいうと、クローズヴォイシングをオープンヴォイシングに変えるなど)ことで不協和感を解消できることもある。このとき、テンションは(もともと倍音の響きを補うために入れた音なので)コードトーンよりも高い音程にするのが原則である。

なお、ここでいう「音のぶつかり」というのは「音が規則的な波形を描かなくなる」こととほぼ同義である(音が出る原理のページを参照)。


オマケ(テンション表記)

テンションは普通9〜13の奇数で表記する(1・3・5・7度がコードトーンであると暗黙に前提する)が、それだとちょっと困りそうな例をムリヤリ考え出してみる。たとえば、低音から順にC・A・Eb+・G+・B+と重ねた和音や、低音から順にC・A・Eb+・Gb+・Bb+と重ねた和音はどうだろう(「+」はルートより1オクターブ高い音の意)。

前者は、シックススコードをadd13omit7で解釈する立場を取ればCm△7 add 13と書ける。間違った表記ではないだろうが、もしCm6 add b15と書いてよいのならちょっとニュアンスが変わるので、一律で13th扱いというのも乱暴な気がする。最終兵器オンコード表記を使ってAm7(-5) add 9 on Cと書くのが無難だろうか(とここまで書いて、ディミニッシュマイナーの(-5)とテンションの併記の仕方もちょっとおかしい気がしてきた:どうやるのが正式なのか筆者は知らない)。後者はCdim7 add bb15(bbはダブルフラットの意)くらいしか表記が思いつかない。

まあ、ディミニッシュ絡みの5和音にテンションもへったくれもないといえばそれまでなのだが、最近コード判定ソフトを書いてみようかという計画(計画倒れ指数80%くらい:もし実現したとしてもGUIを作る気はないので、たとえばコマンドラインから構成音のMIDI note numberを引数で渡してコードの候補を返すとか、そんな感じ)があって、ちょっと考えてみた次第。


参考リンク

MORE JAM音楽理論講座とピアノレッスンのテキスト等

関稔のポップス入門

RGWオンラインドラム講座

Scale Viewer Home


独り言

打ち込みについての項目でも「どんなにがんばってもMIDIではMIDIの音しか出ない」と書いたが、音色だけでなく、MIDIには「人間の身体と直接繋がっていない」という非常に特殊な性質がある(通常の楽器演奏においてこの特性がいかに大切であるかは、NHKスーパーピアノレッスンあたりを参照するとよくわかる)。

このため、音作りのアプローチに通常の楽器とは異なる方法論が必要になる(さもなくば、生楽器の「粗悪な模造品」にしかならない)。で、その方法論なのだが、これといって確立されたものがあるわけではなくトライアンドエラーで試行錯誤するしかない(試行錯誤が必要なこと自体は、方法論が確立されている場合でも結局は変わらないが)。しかし、いづれにせよ、今述べた特性が「存在する」ということだけは常に念頭に置かなければならない。

観念的な話にしかならないが、このことを心得ておくことで創作の幅が広がるのではないかと思う。




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