PANDORA mini(とPX5D)


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KORGのPANDORA mini(と上位機種のPX5D)について。出音については音声サンプルのページを、設定についてはオマケを、他の機器と組み合わせた活用例についてはギターイフェクト総合を参照。

重要な情報
この記事は筆者が2011年4月に購入した個体に関するもので、その後のバージョンアップや仕様変更に追従していない、あるいは個体差や環境の違いを考慮していない記述があります。最悪のケースとしてたとえば、筆者が自分の不注意で壊した機材を(そうと知らずに)「粗悪品」と評している可能性もある、ということに注意してください。

いちおう注意:
上位機種のPX5Dでしか出音を確認せずに書いた記事が混じっています。出音は似たようなものなのであまり問題ないと考えていますが、念のためご承知ください。

USB給電とユーザーインターフェイスが便利

カタログスペックでは「アルカリ乾電池/ニッケル水素充電池(1900mAh)」で「バックライトOFF時=連続約5/6時間使用可能、バックライトON時=連続約3/4時間使用可能」だが、外出用と割り切った方がよさそう。USB給電はセルフパワーのUSBハブで(未確認だが、多分「USB充電器」のようなものでも)可能なので、パソコンの電源を入れずに使うことは可能。

USB接続すると専用ソフト(KORGのサイトからダウンロード可能:ただし「PANDORA mini SoundEditor を使用するには、コンピュータにKORG USB-MIDI Driverをインストールしておく必要があります」とのことで、メンドクサイので筆者は導入していない)を使って設定できるが、音声の直接入出力はできない。

液晶ディスプレイが付いており、設定に名前をつけて保存できるのが便利。2011年現在、実売1万円台の機種でも一部の機種(Pocket PODなど)しか搭載していない機能で、こういう「音とは関係ないしコストもかかるけどあれば便利」な機能をローエンドに盛り込むセンスはさすが。

ジョグダイヤルも便利だし、音作りも「パーツのとっかえひっかえ比較」がしやすい仕様になっている。ディスプレイで名前を確認できる恩恵なのか、セッティングの記憶件数が200件とやたら多く、USB接続でのバックアップも活用するとほぼ無尽蔵に設定を保存できる。上書きでなく追記しながら(ときには分岐しつつ)セッティングを探せるのは大いに助かるし、溜め込み用途にも十分耐えるだろう。

機材が増えるほど活躍

具体的なセッティングは後述するが、キャビネットシミュレータとアンプシミュレータのバリエーションが多くキャラもツボを押さえているので、後段に置いて他の機材と組み合わせるのが楽しい。筆者の手元で出ている音については音声サンプルのページ、他のイフェクタとの連携例についてはギターイフェクト総合のページを参照。

とくにキャビネットシミュレータが秀逸で、前段までの加工で「音色は好みなんだけどちょっとココが」といった不満があるときに、片っ端から試してやるとたいてい「上手いことやってくれる」設定がある。チューブスクリーマーやプリドライブコーラスとアンプシミュレータを組み合わせる場合も、性格がはっきりしたアンプモデルが多数揃っているため音を探しやすい。

筆者の環境でも最終段の調整役として活躍しており、機材が増えるたびにプリセットが増えている(おかげでオマケの項がやたらと長くなってしまった:前の項で触れた保存数の多さとユーザーインターフェイスの優秀さがありがたい)。これでコーラスイフェクト(ポストドライブでかけるにしても、キャビネットよりは前に入れたい)が筆者好みだったら言うことがないのだが。

気に入ったセッティング

確認したわけではないが、REMS採用のイフェクタ(PANDORAシリーズのほか、TONEWORKSブランドのAXシリーズなど:ただし機種によってモデル数が違ったり、キャビネットを単品で使えないなどの制限がある)なら、似たような名前のセッティングには似たような効果が対応しているだろうと思う、多分。トーンとプレゼンスで設定箇所が別(プレゼンスはキャビネットのところでダイヤル操作)なのでいちおう注意。

筆者は、クリスタルクリーン(DI動作のみでバイパス)、クリーン、クランチ、オーバードライブ、ディストーションの5段階に分けて基本音色を作り、それをコピーして変調系のイフェクトやディレイを付加している。特殊音色としてアコギシミュレータの設定(デフォルトで入っているが、ちょっと効果がキツすぎるように感じた)も用意。

ノイズリダクションは一律最小設定でかけ、音量レベルはバイパスで全開(10.0)にした音量に(耳で適当に)合わせている。リバーブはとりあえずでスプリング(ルームやホールなら他でかけてもよさそうだが、DRYAIRとWETAIRはけっこう面白い)。

けっこうノイジー

サイズ的に仕方のない部分もあるが、フロアタイプのマルチと比べると全般にノイズが多い。筆者の手元の個体で比べると、G1Nにはまったく歯が立たない。入出力レベルを適切に調整すれば実機のチューブアンプと同レベルくらいにはなるので、あまり気にしないのが得策だろう。

特徴を考えると他のイフェクタよりも後ろに置いた方が便利なのだが、アンプモデルの一部に前段のアンプが出したヒスノイズ(どんな機種でも、エレキギター本体が出すものよりは桁違いに多い)を大きく持ち上げるものがある。機器のデザインとしてはギターを直結して欲しい(そのためのポータブルサイズ)のだろうから、仕方ないといえば仕方ない。

また後段にハイゲインなアナログアンプを噛ますと、高い周波数に共鳴のような音が出ることがある(アンプが原因かどうかもはっきりしないが、筆者はそれ以外の条件で同じ現象を耳にしたことがない:アナログハイゲインアンプの複数つなぎで発振するのは比較的よくある現象で、デジタルマルチとはいえ最終段にはアナログアンプがあるだろうから、そんなに不思議な話ではない)。

またライン出力自体が非常にローゲインというか、クリスタルクリーンだと入力レベルそのままなのではないかという気がする(もしそうなら「正しい」設計ではある)。ヘッドフォン出力もノイジーだが、ギターを直接繋ぐ場合アンプシミュレータで増幅された入力ノイズがそれを上回るので、クリスタルクリーンで使うのでなければ(筆者は)気にならない。

それよりも注意すべきなのは電源オンオフのポップノイズがけっこう大きいことで、繊細な機器につなぐ場合は先に電源を入れて後に電源を切る原則を守った方がよい。起動時などのバックライト点滅などでもノイズが乗るが、これは大したものではない。

配置

入出力は貧弱で、直結のヘッドフォン出しは出先での利用に限定するのがよさそう。家で使うなら、プリアンプ>PANDORA mini>ミキサーとするのが無難(本体ボリュームは最大にしてミキサーで調整する)。この配置ならノイズはかなり抑制できるので、据え置きのマルチとしてもなんとか使える。

インプット自体はけっこう頑丈で、ゲインを絞った状態なら10dbuくらい突っ込んでもなんとか鳴る(「マトモに」鳴るのは-10dbuくらいまでかな:非常識な実験なのでマネして壊れても知らないよ)。ノイズサプレッサー(というかゲート)の効き始めとクリップポイントの間(通常利用での実質的なダイナミックレンジ)はあまり広くないようで、楽器直結メインの運用を想定しているのだろう。

キャビネットとクリーンアンプが本命

すでに触れたように、キャビネットモデルは数が豊富でキャラもわかりやすく単品で使えるため非常に便利。アンプシミュレータを単体で使うと暴れるような印象の音色があるのは、キャビネットシミュレータを使う前提になっているため。上位機種であるPX5Dのマニュアルを参照すると、アンプモデル別の推奨キャビネットが紹介されている(後で触れるようにモデル数は増えているが、音のキャラ自体はPANDRA miniと大差ない)。

アンプモデルはクリーン~クランチまでのバリエーションがやたらと多い。純粋なギターアンプモデルが14あるうち、BTQ LCN~UK '80Sまでの11がこの範囲に入る(BTQ ODとUK '80Sはゲインを上げればけっこう歪む)。さらに、ベースアンプモデル10種類もクリーンに近い扱いで使える。普通のクリーンアンプとしてももちろん面白いし、コーラスをかけた音色などはアンプモデルを変えるだけでかなりのバリエーションを作れる(後述するように筆者は外部イフェクタでコーラスをかけている)。

完全なハイゲイントーンはUK MDN、US MDNの2つだけ(ゲインを上げればUS HI-Gもかなり歪む)。ようするにモダンJCM系とDual Rectifier系の音色+SOLDANO系ということらしく、いづれもローが効いている。UK MDNのゲイン全開とUS MDNのゲイン高めはリアピックアップで使う前提なのだと思う(US HI-Gのゲイン全開はストラトタイプのセンターピックアップで使っても面白いのだが、シングルコイルはノイズ対策がメンドクサイ)。

どのモデルもゲインさえ落とせばちゃんとクリーンになり、UK MDNのクランチやUS HI-Gのクリーンに近い音も面白い(この辺が他のマルチと設計思想が異なる部分で、ハイゲイントーン以外のすべてを打ち捨てたようなモデルは入っていない:パッチを切り替えずに演奏するスタイルを前提にしているからかもしれない)。ギター本体の設定に上記3種類のアンプモデルとゲイン設定とキャビネットモデルを組み合わせ、あとはちょっとEQやプレゼンスをイジってやればドライブトーンのバリエーションは普通に出せる。

すっかり書くのを忘れていたマルチイフェクタの部分(といっても変調系とディレイとリバーブを各1つ選べるだけなのだが)。ディレイとリバーブは最終段で使う場合に用を足せる程度のモノ(SPRINGがそれなりにスプリングっぽいし、DRYAIRとWETAIRは音色調整にも使える)だが、変調系は筆者のツボにはハマらなかった(タップテンポでモジュレーションのレートを操作することはできない模様)。

ライン出力がモノラルなのと、アンプシミュレータをオフにしたときにEQが使えなくなるのはちょっと惜しい(フロアタイプの機種にはEQだけ通す設定があるのに)気もするが、どうせミキサーに出すのならEQは間に合うので、実際はコーラスやステレオディレイが使いにくい程度のデメリットでしかない(リバーブは・・・まあいいでしょモノラルアウトでも、ホールとかルームとか欲しければラックでかけりゃいいんだから)。

リズムマシンは・・・メトロノームを買わなくて済む。

miniじゃないPANDORA

購入時点でサウンドハウスの売値はminiもPX5Dもさほど変わらなかったのだが、どうやら取り扱い終了で叩き売りをやっていた模様(未確認)。miniがすっかりメイン機材になってから、アナログ入出力の性能が高そうなPX5Dが欲しくなってしまい、2012年3月に結局買ってしまった(購入価格はサウンドハウスでの最終価格よりちょっと高く1万円くらい、転売業者だというウワサのあるお店から買ったため叩き売りのときに仕入れたタマなのかもしれないが、モノが正規品なら仕入れ経路など筆者の知ったことではない:初心者にはあまりオススメできない買い方だということを一応断っておく)。追記:2013年1月にちょっと眺めたところ、サウンドハウスで送料無料の5980円(miniより安い)になっていた。筆者が買った時期が悪かったのだろうが、下がるねぇしかし。

肝心の入出力性能だが、さすがにサイズ分はPX5Dが勝っている。ライン出力(ヘッドフォン出力と兼用)はステレオで出せるものの、ゲインは「miniよりちょっと大きい」程度、出口で歪みやすいのも相変わらず。どうせ操作は同じだろうと説明書をまったく読まずにセッティングしたのだが、インプットについている「Hi/Lo」のスイッチは、Hiがハイインピーダンスandハイゲインで直結用、Loがローインピーダンスandローゲインでペダル経由用だと思ったら反対(Hiが高出力ピックアップ用、Loが低出力ピックアップ用)だった。それだけでなく、Loモードは高域が落ちる特性にしてあるようで、「miniより音がこもってる!」と一人で騒いでしまった(まあ説明書読まない奴が悪いよね、反省:しかしアレだなぁ、シングルピックアップってのは「カシャカシャの音を出したい人」が使うモノなんだから、補正とかやんないでほっといてやればよさそうなものだけどなぁ)。

miniと比べた使い勝手は一長一短。設定はパソコンで追い込む前提で使うときの操作性を上げる発想なのだと思うが、筆者はパソコンと繋いでいないためプリセット作りが鈍臭くなった(上部のダイヤルがエンドレスホイールだったら使いやすかったのに)。反対に、いったん作成したプリセットで弾きながら部分的に設定を変えようと思ったときの機動力はPX5Dの方が高い。地味に強化された機能として、A~Dのボタンを任意のプリセットに割り当てることができ、選択がラクになった(miniは0番と100番と200番と300番で固定)。使う人にとってはフットスイッチ端子(2ペダル仕様でインサーションケーブルが付属している)も便利かもしれない。普通のプリセット選択はダイヤル式のminiの方がラクだと思うが、A~Dのボタンで近くに飛んでから選べばストレスになるほど面倒ではないと思う。なお変調系は、タップテンポ対応になっただけで質感は似たようなものだったのでコーラスは引き続きG1Nでかけているが、ステレオ出力のおかげでレスリーシミュレータで遊んだりするのは楽しい。アンプモデルとしてAC15TBとUK90sが増えたのと、クリアディレイとリバースディレイとブライトリバーブが追加されている。

筆者が試した限り、入力をHiモードにしておけば、miniとほぼ同じ音がより低いノイズレベルでステレオ出力でき、購入目的であるハイファイ化はまあ達成できたといってよい(出力先補正で、ラインorヘッドフォンやギターキャビネット各種を選べるようになったのも地味に嬉しい:アンプシミュレータの一部に前段までのノイズを大げさに持ち上げるものがあるのは相変わらずなので、ゲートがまったく不要になるわけではないが、筆者は全部外してしまった)。後段へはモノ出しでも接続できる仕様で、筆者はインサーションケーブルで分けてステレオで出している。購入順序が前後する形になったものの、miniは出先用にすればよさそうなので、損をした気分はあまりしない(最初の時点でPX5Dを選べばよかったのだろうが、パソコンにUSB接続する際に専用ドライバが必要なのも面倒だし、ちょうど新発売で目新しかったし、中身もデジタル部分はさほど変わらないだろうと思いminiにした)。

重要な情報
以下はあくまで「やってみたら動いた」という報告と「やってないけど動くかも」という推測であって、使い方の推奨ではありません。

電源供給について。パソコンに繋がっていないUSBハブなど「電源だけを供給するホスト」に接続してもUSBモードで起動することはできないのだが、いったん電池モードで起動してから素早くUSBモードにスイッチを切り替えると、そのまま動作し続ける。コンセントから電源を取りたければ専用ACアダプタ(KA191)を使えばよい話で、覚えておいて何か得するようなことではないが、電源が安定しないポータブル機器だけにごく短時間の供給停止には耐えるようになっているのかもしれない(機器の寿命が縮む可能性があるので、意味がわからない人は追試しないように)。

オマケ

一応示しておきたい情報
以下はあくまで筆者の所有するギターに合わせた設定で、とくに、ゲインレベルはピックアップの出力に、EQなどはギターの鳴りやピックアップのキャラに合わせて、それぞれ調整の必要がある。

筆者の基本セッティング。ダイナミクス~キャビネットまでの設定と、音量レベル設定。ノイズリダクションはクリスタルクリーン以外0.3にした(オフにした方が処理がラクそうな気がしないでもない)。ダブルコイル(ハムバッキング)のギターをフルテン(全ツマミ全開)にして直結、指弾き(ごくたまにフラットピック)で使う前提。ドライブ系の設定はブリッジピックアップ(リア)、クリーン系の設定は好みで使いたい方を使う前提。2011年10月追記:使いにくかったのでLEVEL設定を見直した。他は変更なしなので音は同じはず。

クリスタルクリーン(LEVEL10.0)
全部バイパス(NR0.0とLEVEL10.0以外全部OFF)

クリーン(LEVEL4.0)
COMP3.0、BTQ CLN(GAIN10.0、TREBLE7.0、MIDDLE3.0、BASS5.0)、1X 12TWD6.0

クランチ(LEVEL5.0)
COMP3.0、BTQ OD(GAIN4.0、TREBLE7.0、MIDDLE3.0、BASS4.0)、1X 12TWD6.0

オーバードライブ(LEVEL3.0)
COMP4.0、BTQ OD(GAIN6.0、TREBLE8.0、MIDDLE5.0、BASS1.0)、2X 10BLK6.0

ディストーション(LEVEL2.0)
COMP6.0、BTQ OD(GAIN10.0、TREBLE10.0、MIDDLE4.0、BASS0.0)、2X 10BLK8.0

アコースティックシミュレーター(LEVEL10.0)
AC SIM3.0、BTQ CLN(GAIN3.0、TREBLE7.0、MIDDLE4.0、BASS1.0)、2X 10BLK1.0

練習用(LEVEL10.0)
FX OFF、TWD 1X 12(GAIN2.0、TREBLE10.0、MIDDLE7.0、BASS1.0)、4X 12MDN3.0

プリアンプ用ドンシャリクリーン(LEVEL3.0)
COMP3.0、BTQ CLN(GAIN10.0、TREBLE7.0、MIDDLE3.0、BASS5.0)、1X 12TWD6.0

上記の共通設定をコピーしては、他のイフェクトを追加したりパラメータを微調整したりして使っている。いちおう、実際に録音したもの直接入力US-100経由も掲載しておく。ノーマライズしてあるので、ドライブ系の音色は再生音量に注意。上で設定を紹介した順(ドンシャリクリーンは未収録)。(US-100のギター入力>ラインアウト>)PANDORA miniのインプット>ライン出力>XENYX1204USB>メインアウト>Fast Track Ultra>Reaperとルーティング。ミキサーでハイパスをかけたのと、デジタルでニコイチとフェードとノーマライズを行った。PANDORA mini本体のハードウェアボリュームは全開、すべてリア(ブリッジ側)ピックアップからの出力。

フロント(ネック側)ピックアップからMIC200を経由してもいい感じの音になる。設定は、

とってもクリーン(LEVEL10.0)
COMP3.0、BTQ CLN(GAIN3.0、TREBLE8.0、MIDDLE7.0、BASS9.0)、2X 10BLK10.0

クリーン(LEVEL5.0)
COMP3.0、BTQ CLN(GAIN6.0、TREBLE8.0、MIDDLE7.0、BASS9.0)、2X 10BLK10.0

クランチ(LEVEL3.0)
COMP3.0、BTQ OD(GAIN5.0、TREBLE7.0、MIDDLE6.0、BASS10.0)、2X 12BLK10.0

オーバードライブ(LEVEL3.0)
COMP3.0、BTQ OD(GAIN8.0、TREBLE4.0、MIDDLE2.0、BASS10.0)、2X 12BLK10.0

クリーンドライブ(LEVEL3.0)
COMP3.0、BTQ CLN(GAIN10.0、TREBLE8.0、MIDDLE7.0、BASS9.0)、2X 10BLK10.0

チューブのエレキギターボイスをGAIN3時のOUTPUT8~9時で出したMIC200経由のサンプル。上記の順番で録音。チューニングが狂い気味で一部クリップしているがご愛嬌ということで。クランチはもうちょいゲイン下げた方がいいかなぁ。

Fast Track Ultraで直接録音したクリスタルクリーンの音も参考までに(先に鳴るのがフロントピックアップ、後に鳴るのがリアピックアップの音で、ダブルコイルをフルテンで指弾き、デジタルでフェードとノーマライズのみ行った)。なお収録されている「ビリビリしたノイズ」は機器が出したものではなく、筆者がヘタレて弦をビビらせた音である。

セッティング追記1:プリアンプ(MIC200)のゲイン(orギター本体のボリューム)やアウトプットを変えながら使う前提のクランチ。この意味でのクランチサウンドが欲しいなら、アンプ前のコンプは(少なくともキツくは)かけるべきでないだろう(コンプの後ろにボリュームペダルを噛ましてからアンプという手はなくもない)。
クランチ3(LEVEL6.0)
UK MDN(GAIN1.0、TREBLE9.0、MIDDLE8.0、BASS9.0)、2X 12BLK10.0
または、基本はクリーンで最大音量近くで微妙に歪むクランチ
クランチ4(LEVEL5.0)
BLK2X 12(GAIN7.0、TREBLE5.0、MIDDLE5.0、BASS5.0)、2X 12BLK10.0
さらに、両者の折衷案
クランチ5(LEVEL8.0)
BTQ OD(GAIN2.0、TREBLE7.0、MIDDLE6.0、BASS10.0)、2X 12BLK10.0
どれもフロントピックアップ前提、一部のセッティングはゲインを調整してリアでも使っている。実機アンプでも、ドライブチャンネルをローゲインで使うかクリーンチャンネルをハイゲインで使うかかなり迷うものだが、シミュレータでもやはり悩ましい。

セッティング追記2:前段に別のアンプシミュレータを噛まして、単品キャビネットシミュレータとして使う場合、クリーントーンでは1X 8TWDと2X 10BLKが、軽いドライブだと2X 12BLKと4X 10TWDが、キツいドライブだと4X 12MDNと4X 12VOXが筆者好み。1X 8TWDや2X 10BLKや4X 10TWDはキツいドライブにも意外と合うし、クリーントーンやリアのクランチトーンでで4X 12VOXというのもけっこうイケる。深く歪ませる場合はベースキャビネットも有用で、JAZ 1X 15やUK 4X 15やSTU 1X 15は比較的オールラウンドに使えるし、UK 4X 12やCOMBIをフロントピックアップで、AC 2X 15やUS 2X 15をリアで使うのも面白い。STU 1X 15やCLS8X 10はクリーントーンにも使えそう。まあこの辺は好み次第ということで。

セッティング追記3:TO800(DRIVEとTONE両方9時)からプリアンプを噛まして入れるセッティング。
TOクランチ1(LEVEL10.0)
AC 15(GAIN2.0、TREBLE7.0、MIDDLE5.0、BASS4.0)、4X 12VIN8.0
TOクランチ2(LEVEL10.0)
UK'80S(GAIN0.0、TREBLE8.0、MIDDLE6.0、BASS0.3)、4X 12CLS10.0
TOクランチ3(LEVEL8.0)
UK'70S(GAIN2.3、TREBLE6.0、MIDDLE5.0、BASS0.0)、4X 12CLS6.0
TOクランチ4(LEVEL9.0)
BTQ OD(GAIN1.3、TREBLE5.0、MIDDLE4.0、BASS6.0)、4X 12VIN6.0
TOクランチ5(LEVEL10.0)
BTQ CLN(GAIN5.0、TREBLE3.0、MIDDLE5.0、BASS4.0)、2X 12BLK8.0
プリアンプでけっこう音量を上げているので、直結の人はGAINをもう少し上げた方がよいと思う。TO800とPANDORA miniの間でコーラスをかけてもキモチイイ。歪み方の微調整はプリアンプでやっている。キャビネットだけ使った例やTO800と連携した音色は音声サンプルのページに掲載した。

セッティング追記4:キャビネットシミュレータが優秀なのでワンボタンで飛べる100番前後に集めてみた。
90番~99番はキャビネット単品で、4X12VOX9.0、4X12VOX4.0、4X12CLS4.0、4X12CLS8.0、4X12MDN7.0、4X12VIN8.0、2X12BLK6.0、1X12TWD6.0、4X10TWD5.0、1X8TWD7.0の順。
100番はバイパス。
101番~105番は普段使い用のプリセットで、GDI21で作った音色の仕上げをする前提。1X12TWD6.0とWETAIR2.0(ツイードクリーン用)、2X12BLK6.0とWETAIR2.0(ツイードホット用)、4X12VOX6.0(マーシャルホット用)、4X10TWD7.0とWETAIR3.0(クリーンコーラス用)、4X12VOX5.0とWETAIR2.0(ドライブコーラス用)。
106番からは9時9時のTO800からアンプシミュレータに通す設定。クリーン用にBTQCLN(4.0/5.0/5.0/4.0)と4X12CLS4.0、クランチ用にAC15(3.0/7.0/5.0/4.0)と4X12VIN8.0とSPRING1(1.0)、GDI21のツイードクリーンでシェイピングしたクランチ用にBTQCLN(5.0/3.0/5.0/4.0)と2X12BLK6.0、リアピックアップのクリーン用にBTQCLN(4.0/4.0/3.0/5.0)と2X12BLK5.0。
とまあこんな感じで100番前後を飛び回ると呼び出しがラクで、筆者はこの辺ばかり使うようになった。なお、101番~105番でもTO800は必要に応じて使う。

セッティング追記5:キャビネットシミュレータの感想。
シンプルなクリーントーン(G1Nのzcに通しただけとか):TWD12、CLSなど、プレゼンス4~6くらい。野暮ったさを消す方向。シングルコイルでもプレゼンスを下げるか極端に上げればイケる。
リッチ系のクリーントーン(GDI21のツイードクリーン>G1Nのzcとか):TWD8、BLK12、VOXなど、プレゼンス5~7くらい。クセを足す感じ。GDI21のゲインを上げてクランチの手前まで持っていく場合、BLK12をBLK10に入れ替えるといい感じ。GDI21のレベルを上げて歪みを増やす場合、BLK12をVINに入れ替えるといい感じ(どちらもプレゼンスやや上げ)。シングルコイルはこの手のサウンドが得意なようで、どのキャビネットでもプレゼンス設定でもそれなりに合う。
クセをつけたクリーントーン(TO800ドライブ少なめ>G1Nのzcとか):TWD12、VINなど、プレゼンス6~8。ローが切れない方が使いやすそう。シングルコイルはプレゼンスを下げてTO800のトーンを上げようか。
まとまった感じのクリーントーン(GDI21のツイードクリーンだけとか):BLK10、VOXなど、プレゼンス9くらい。やはりクセを足して、ローやや下げハイ上げ。シングルコイルならCLSあたりがいいかな。
ドライブトーン:TWD10、CLS、BLK10、Vox系、MDNなど。シングルコイルは全般にプレゼンス高めが合い、BLK10が幅広く合うがクランチに近い歪ませ方だとCLSもいい。ダブルコイルはアンプモデルによってプレゼンスを調整、Vox系やMDNが幅広く使えるがVINが合うこともある。
使い回せるトーン:ダブルコイルクリーンならTWD12(次点でCLSプレゼンス高め)、シングルコイルクリーンならVOX2プレゼンス高め(次点でTWD12)、ダブルコイルドライブならVOX4プレゼンス低め(次点でBLK10)、シングルコイルドライブならBLK10、(次点でCLSプレゼンス高め)。



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