SS-6B


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FURMANのSS-6Bについて。

重要な情報
この記事は筆者が2011年4月に購入した個体に関するもので、その後のバージョンアップや仕様変更に追従していない、あるいは個体差や環境の違いを考慮していない記述があります。最悪のケースとしてたとえば、筆者が自分の不注意で壊した機材を(そうと知らずに)「粗悪品」と評している可能性もある、ということに注意してください。

重要な情報
安全性に関する情報は各自でウラを取ってください。電気に関する筆者の知識は非常に怪しいレベルです。

コストパフォーマンスと取り回しがよい

まず安い。6口タップにサージフィルタとEMI/RFIフィルタとブレーカがついて、筆者の購入価格は3500円だった。その辺の量販店でサージフィルタつきの電源タップを探すと、余裕で5千円くらいかかることもあるので、ブランド品がこの価格で買えるのはかなり安い(筆者の意識ではオーディオテクニカやサンワサプライの製品も十分ブランド品なのだが、やはり価格がそれなりに高い)。

電源側のコードが15フィート(約4.5m)なのも便利だし、タップの口も適度に間隔があいていて使いやすい。ただし電源側のプラグは3Pなので、アース別付けコンセント(洗濯機やエアコンなどで一般に使われるタイプ)に繋ぐ場合は3P>2P+アース線の変換コネクタが必要(数百円で買える)。この手の製品はアースを浮かせて使っても本来の性能が得られないので注意が必要。

筆者はSS-6Bをルートハブにして、別の電源タップを系統別にカスケード接続している。機器側から見ると、たとえば、オーディオ機器>オーディオ機器系の電源タップ>SS-6B>コンセントとか、パソコン>パソコン機器系の電源タップ>SS-6B>コンセントとか、そんな感じ。結果的にかなりのタコ足になるため容量計算が必要だが、けっこうわかりやすくなる。

ただしデカイ

口の間隔が広いのは便利だが、普通の電源タップと比べると大きいし厚みもある。代理店である日本エレクトロ・ハーモニックスのサイトによると「寸法:235W×85D×45Hmm」で「重量:1.25kg」である。

また電磁ノイズもかなり強い(センサー代わりにダイナミックマイクを近付けて調査)ようなので、設置場所には気を使った方がよさそう(マイクケーブルなどを近付けないとともに、繊細な入出力のある機器とは30~50cmくらい離したい)。

多段接続の注意

SS-6B自体ではなくサージ保護やノイズフィルタのあるタップ全般について、多段接続(カスケード)にすると電気的にちょっとやっかいなことになる。

とくに、バリスタ(非直線性抵抗素子:低い電圧に対しては抵抗が大きいが、高い電圧をかけると抵抗が小さくなる)を使ったサージガードは、構造上微妙な漏電状態になるため、多段接続は(もしかするとまったく影響がないのかもしれないが、わからない人は)避けた方がよさそう。

コンデンサを使って高周波成分だけショートさせるタイプのノイズフィルタも静電容量が変わるだろうし、フェライトコアのようなものも誘導係数が変わって、結局特性が乱れると思われる(どの程度かはわからないが、ある程度は)。

サージ保護やフィルタを多段で入れるメリットはあまりなさそう(バリスタとヒューズの併用などはあり得るが、そういうのはタップのメーカーが考えてくれる話)なので、カスケードにするなら単機能のシンプルな機種を選ぶのが無難だと思う(ごちゃごちゃした作業をしているときにうっかり触ってしまうことがあるので、一括スイッチのついた機種も筆者は嫌いである)。

もっとぶっちゃけた話、1段でも気休め以上の意味があるのか疑問ではあるし、そもそもタコ足にする時点で上記よりはるかに面倒なことが生じていそうな気もするが、この際それは考えないことにしたい(3500円の出費とちょっとした設置スペースで気が休まるならそれでいいじゃないのよ)。いづれにせよ、仕様がきちんと公開されていて、かつそれをしっかり理解できるのでなければ、イレギュラーな使い方は避けるのが賢明だろう。

手元での動作

2011年6月に落雷で漏電遮断機(本体の表記によるとテンパール工業製らしい)が作動したが、SS-6Bはヒューズも飛ばなければブレーカーも落ちず、応答性で敗北した模様(ただこれって、構造的にはSS-6Bが漏電遮断機にブレーカーを「落とさせた」可能性があるわけで、ちゃんと切り分けずにあーだこーだ言っても仕方ないのだが、追試できる環境もする意欲も筆者は持ち合わせていない)。

まあ住宅設備に使われるクラスの主幹用漏電遮断機(それでも、調べてみたら1万~数万円くらいみたい)と極限ローエンドの電源タップを比べるのもアレではあるし、あくまで電源タップなので前段に漏電遮断機が入る前提で設計されていて当然でもあるのだが、どの部分が機材を守ってくれたのか知る手段がない(案外エアコンとか洗濯機とかの中身が守ってくれたなんてことも、可能性としてはなくもない)。

とはいえ、筆者自身はできる限り気を休めたいクチなので、今後もSS-6Bを中心とした配線を続ける予定である。



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