ループ音源の使い方。筆者はあまりやらない方法なので初歩の初歩だけ。
ここでいう「音源」は、VSTiなどのソフトウェアシンセではなく、wavファイルなどの音声ファイルのことなので注意。
自前で用意してももちろん構わないが「loop sample drum」とか「loop sample bass」などで検索すれば有料/無料問わず大量にヒットするので適当なものを選んで使う形でもよい(音源のライセンスには注意)。
このページでは筆者がTimidity++とFluidとAudacityで作成した音源(ドラムスとベース)を使用する。
Reaperを起動してテンポを決め、
音源を読み込む。このままだと曲のテンポと音源のテンポが合わないので、Altキー+マウスドラッグで線ちょうどになるように縮小or拡大する。
そうするとこのようにテンポが合ってくれるはず。
今回はドラムスが2小節分、ベースが1小節分の音源だったので上図のように合わせたが、長さが例と違う音源ももちろんある。
再生してちゃんと音が出ることを確認したら、表示を縮小してからアイテムを左クリックで選択、ドラムスはループ、ベースはコピーで適当に引き伸ばす。
するとこんな風になるはず。
ベースを単純にループさせなかったのは次の作業のため。
このままだとベースはずっとCの音しか出さないので、音程を変えてやる。音程を変えたい小節のところを右クリックして「Item Properties」を選び(左クリックからF2を押してもOK)
音程の変化を半音~個分単位で指定してOKボタン
上図の設定だと、Cの音が半音7つさがってFになる。
ベースをC>F>G>Cに変えて、ちょっと音量が小さかったドラムスを3dbほど大きくした結果こんな感じになった。
ベースは部品がバラバラになっていて扱いが面倒だが、Ctrlキーを押しながらクリックして全部のパーツ(アイテム)を選択して、右クリックからグループ化してやると、
移動やコピーなどをひとまとめにして行える(真面目に調べていないが、ぱっと見た感じReaper0.999ではグループ単位でのループはできない模様)。
または、トラックを丸ごと別のWavファイルに書き出すこともできる。
File>Renderで書き出しても意味は(多分)同じ。
筆者はRenderで書き出す方が好きだが、このくらいの数なら気にせずShiftキー+最初と最後のアイテムをクリックなどで選んでも支障はない。
もうちょっと長くループさせて途中のベースをちょっと変化させたところこんな感じになった。
打ち込み音なら、Dominoで適当にSMFを書いてTimidity++か無印sfzでwavにしてやると手っ取り早いのだが、最初に1小節分空白を作ってやらないとズレるので注意。
もっとズラしてカウントや前奏を入れてやってもまったく問題ない。打ち込むときはテンポを曲と合わせるのを忘れないでおこう。
生録音なら、普通にReaperで追加録音すればOK。他のループ音源を足す作業もここまでの話と同様にやればできるはず。他の曲(自分が作ったものでない場合はライセンスに注意)を一部切り抜いて被せるような作業も同じ手順でできる。
ただし、すでにあるのと同じ楽器の音を追加する場合、たとえば上記サンプルにベースの音を足す場合、同じFluidのベースを使わないと違和感が出るだろうことが容易に予想できる。生録音でやる場合も同じ楽器と録音方法で録る必要があるだろう(違和感をあえて前面に出すのでなければ)。
もっと細かい調整も可能(本格的にやるなら、Sony Creative SoftwareのACIDや、その無料版のACID Xpressなど、ループシーケンサーと呼ばれる専用ソフトを使うのが多分早い:Reaper0.999からでもオフセットの設定などはできるし、ループ音源自体をAudacityなどで編集することもできる)だが、筆者自身あまりわかっていないのでここでは紹介しない。
凝ったことをやる場合、ループ音源から自前で作れば自由にやれる(が、MIDIシーケンスでなくオーディオをループさせるメリットがどこにあるのか、筆者にはいまいちピンとこない:ぱっと思いつくのは、フレーズをメモとして残すときにオーディオ化しておいた方が使い道を思いついた際に短い時間で試せるというくらい)。または、ループ音源を死ぬほどたくさん用意して、イメージに近いものを選んでから手を入れれば強引な加工を避けられるはず。
すでに紹介したように音を追加するのは簡単なので地味めのループを基本に音を足していくとか、VSTイフェクトでフェイザーやフランジャーやディレイなど音色変化の大きいものをかけてパラメータをオートメーションで動かすか、そんな感じになると思う(音量のコントロールもオートメーションでやる)。
筆者はやったことがないが、ループ「だけ」で曲を作ろうとすると相当難しいだろうから、慣れないうちは普通の方法で作った音と適宜組み合わせるのがよいだろう(多分)。競技的な面白さを求めて、たとえば「10個のループだけで曲を作ろう」なんてことをやる人たちもいるようだ。
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