操作の理想モデル


人間の限界 / 理想モデルでも失敗する操作 / 反応GR
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人間が操作する上での入力速度や反応速度、それを踏まえた上での理想的な操作などを追求してみた。ターボありでの操作を前提としているのでミクロの攻防と数値が食い違っている部分がある。



人間の入力/反応速度の限界

最初に断っておきたいのだが、ゲーム内で~フレというのが実時間で何秒なのかというのは自明でない。たとえば6フレ反応とひとことで言っても、それが「7フレ未満」を指すのか「6フレまで」を指すのかがはっきりしなければ、意味が大違いになってしまう。もっといえば、何かを見たり聞いたりして反応する場合は当然画面を見てスピーカーの音を聞くわけだが、操作の系統とビデオ出力の系統でフレームの基準が同じである保障はどこにもないし、映像なら走査の順番で早く見えるものと遅く見えるものがあるかもしれないし、音波は遅いので57cm離れただけで10分の1フレ分遅れてしまう。操作のタイミングや間隔にしても、フレームの始まりから終わりまでのうちどこかでスイッチがonになればよしなのか、フレーム境界(ないし操作受付用に設定されたタイミング)の時点でスイッチがonかoffかしか見ないシステムなのか、結局のところハードウェアを解析してみないことにはわからない。以下では1フレ=1/60秒という単純な換算も多用しているが、より現実に近そうな解釈としては「ゲーム内のフレーム数+1ちょっと」くらいが近いのかなという気がしている(たとえば6フレ反応なら0.12秒くらい)。

人間の限界反応時間は、いつ来るかわからない1つの刺激に対して待ち構えている場合、普通の人で0.2秒(12フレーム)くらい、人類の限界点で0.1秒強(約7フレーム)。オリンピックの100mダッシュでも、ピストルから0.1秒以内に反応するとフライングを取られる(神経系などの構造上そんな時間で反応できる人間はいないはずなので)。トップアスリートでなく一般人の計測データでは、音声で0.15秒(9フレ)、映像で0.2秒(12フレ)くらいのようだ(音声と映像に差があるのは、一般に聴覚よりも視覚の方が複雑な処理をしているので、その影響かもしれない:まったく未確認)。もちろんこれはまったく「読み」が関与しない状態での話なので、「ある程度タイミングが読めている」状態であればこれより短い時間で反応することも可能だと思う。反対に、1つの刺激に集中して待てない状況なら、反応に要する時間は増える(上記リンク先に「反応時間 = a * log[2]n + b」という式が示されている:aが比例定数でbがオフセット)。

普通の打撃をノーガード待ちから反応ガードするのは、完全に不可能といってよい。通常技の最初のモーションはボタンから4フレ後、ガードの発生に2フレかかるため、反応時間は発生-6フレになる。たとえば発生8の中技をガードするには、最初のモーションの2フレ後にガード入力をしなければならない。カッチの下大Kなど発生12の大技でも、最初のモーションから6フレでレバーを入れる必要がある(ターボなしの1点待ちなら「成功することがある」人はいるのかもしれないが、もしできたとしてもやる意味がない)。これに対して、たいていの飛び道具は密着ノーガードからでも反応でガードが間に合う(必殺技は入力3フレめで最初のモーションが出るため、ロスフレームが1少なくなることも影響する)。また技の空振りを見てからのオツリは、たとえば総硬直25フレ(=ボタンを押した25フレ後に通常技の入力が可能になる:ボタンを押した次のフレームに行動可能だとしてもボタンを押すフレームは動きを制限されるので、ここでは最小の総硬直を1と定義した)の中技を空振りしたとして、最初のモーションまでが4フレ、反撃技の発生が8フレだとして、ガードの発生に2フレだがリバーサルタイミングよりも1フレ早く入力を受け付けるので、反応に使える時間は14フレになる。実際にはオツリ技が届く届かないがより大きな問題になる(だからパイロンの影縫いなしオツリやザベの長技オツリは入れやすいし、引っ込みが早い中技へのオツリは入れにくい)のだが、反応速度だけ考えたときにもある程度の制限はあることがわかる。

レバー後ろから6フレームでの昇竜入力もほぼ不可能。レバー4から5フレームで123までなら回ることもある(これは、ターボありのインチキアイスバーンが空キャンセルに化けることがあるので多分そうなのだろう)。もっと速い操作ができると思う人は、レバー4or1で技を出してからの空キャンセル昇竜に挑戦してみよう(違うゲームだが、レバー9を入れた2フレ後までにレバー下要素(これを「3フレコマンド」と称しているよう)を入れられれば、がろスペの立ちブレイクスパイラルが出せる)。反応時間の方は、反射神経チェック!!という、Windows用の反応時間測定ソフトもある。筆者が採用する目安としては、レバー5からの昇竜コマンドで8~10フレ(レバー4からだと+2)、前ダッシュで7~8フレ(レバー4からだと+2)、レバー4から123で6~7フレくらいが、手入力で安定させられる限界なんじゃないかと認識している(昇竜コマンドは6323の急ぎ入力を使う前提、ダッシュは656の5が短くなる(レバーをニュートラル領域にカスらせる)ように入力)。

参考までに筆者の成績(ヘボイ数字だが、もうトシなので仕方ない)は、音+テキストモードで10回平均すると0.21~0.22秒くらい(13フレーム=0.216秒)で、0.18秒台はまあまあ出ても0.17秒台はほとんど出なかった(11フレーム=0.183秒)。反対に0.24~0.25秒(15フレーム=0.25秒)というのも10回やると1回くらいはあった(集中力を維持するのがそれだけ難しいということだろう)。また、画像だけより音と画像両方に反応するほうが容易だったため、派手な音が出る技は反応しやすいといえるかもしれない。ソフト作者の友人には、テキストのみ(1割くらい反応時間が延びるはず)で0.161秒(10フレーム=0.166秒)を出した人がいるらしいので、9フレーム(0.150秒)くらいでの反応なら、実際に可能なのだろう(筆者も、カッチの下小K>ヒット確認タワーなんかはなんとか間に合う:時間的には9フレ反応だがガードなら止めるタイプの反応)。

ゲーム内でのイベントで言うと、地上打撃のヒット/ガードマークが出てからチェーンコンボの受付が終わるまでが7フレ、発生7の打撃のヒット/ガードマークが出てからキャンセル必殺技の受付が終わるまでが9フレ、空中通常技のヒット/ガードマークが出てから発生7の技を連続ヒットタイミングでつなぐための猶予時間が14フレ(ターボなしの場合)。打撃技の発生は6~12フレくらいのものが多いが、あくまでボタンを押してからの時間で、モーションや効果音の再生が始まるまでに通常技で4フレ、必殺技で3フレかかる。ガードの発生にも2フレかかるので、通常技/必殺技で都合6/5フレのロスがあり、ギリギリでキャンセルがかからない通常技(9フレ発生)でも見てからのガードには3フレ反応が求められ、隣配置の台で手の動きを見るのでもない限り反応はムリ(ちなみに、発生6の通常技or発生5の必殺技だと最初のモーションが見えた次のフレームにガードを入力しても間に合わない)。

別のゲームではあるが、昔スト2で本田のレバー大Kにレバー先行入力の真空波動(発生10フレだが、システム上いろいろあって、最初のモーションからボタンまでは多分6フレ猶予)を合わせてくる恐ろしいリュウ使いがいた。待ち構えているところに突っ込むとほぼ毎回合わされた(にわかには信じられずかなりの回数試した:小技空振りで騙すことはできたがタイミングずらしでの暴発はさせなかったので、反応でボタンを押していたのは間違いなさそう)ので、若くてフィジカルが高いプレイヤーが「来なかったら止める」感じで対応するときの限界点はおそらくそのくらいなのだろう。バーチャ2の「しゃがパン空振りにオツリでしゃがパン」が10フレ反応(たいていのキャラで発生10の総硬直20、システム解析してないから当てずっぽうだけど、8フレ猶予くらいなのかな:これもタイミングはわかってるイベント)で、見てからの行動が「上級者は標準装備」になる限界がその辺なのかなという気がする。

このコーナー(ヴァンパイアハンター攻略)全体での筆者の想定として、タイミングがわかっている2分岐を集中して待ち受ける場合、ゲーム内ターボなしの数字かつ「待っていれば反応できます」と言えるくらいの精度で、9フレ反応できれば平凡、8フレ反応できればそれなり、7フレ反応できれば優秀、6フレ反応が人類の限界点、タイミングがわかっていない刺激への反応ならそれぞれ+2フレ、くらいに捉えている。注意は払っている程度の待ち方で対応できるのは15フレ前後、意識していなくても気付いてから対応できるのは20~25フレくらいだろうか。



理想モデルでも失敗する操作

原理的に、同一フレームの同時押しを確実に成功させることはできない。プランク時間の単位で同時にボタンを操作できれば別だが、現実には、ほぼ必ずある程度の幅で入力がばらけるからである。この入力のばらけとフレームの間隔が問題で、面倒なのでここでは「あるフレームの境界と次のフレームの境界までの時間」を「1フレーム時間」と考え、フレームの境界は0時間であると想定しよう(厳密な考え方ではないが、誤差は十分小さいはず)。

ボタンの入力間隔が10分の1フレーム時間(1フレーム=60分の1秒なら、600分の1秒)だったとすると、同時押しが成立する(2回のボタン入力がフレームの境目をまたがない)のは、先に押したボタンが直前のフレームの境目から10分の9フレーム時間以内であったときだけになる(確率としては10分の9)。一般化すると、1より小さい実数nについてボタンの入力間隔がnフレーム時間であった場合に同時押しが成立する確率が1 - nになる。上記はボタンを2つだけ押した場合の話で、ボタンを3つ押した場合は、先に押した2つの間隔に同じ式があてはまる。

実際上どういう影響があるのかというと、同一フレームの同時押しについては「これだけの精度で操作すれば確実に出せる」という閾値が存在しないということになる。ただしこれはゲームの仕様にも左右され、同時押しの判定だけを通常の入力とは別に行っているような場合には当てはまらない(ハンターでは、そういうことはないと思う)。もしこれが、たとえばガード硬直からリバーサルタイミングでボタンを押すような操作であれば、両方のボタンを1フレーム時間以内の誤差で操作すれば必ず同時押しが成功する(ようするに、最初の基準点がゲーム内での時間の基準に対して固定されているかどうかの問題)。

実は、同時押し以外の操作についても似たような問題がついて回る。たとえば、あるボタンを押してmフレーム後に別のボタンを押すという操作(=ある操作に引き続いて1フレ目押しをする場合と同義)を考えよう。先のボタンを押したのがフレームの境界の直後だった場合、入力が成功するボタン押し間隔はm~m+1フレーム時間になる。一方先のボタンを押したのがフレームの境界の直前だった場合、入力が成功するボタン押し間隔はm-1~mフレーム時間になる。もちろん、ちょうどmフレーム時間間隔で操作できれば必ず成功するのだが、ごくわずかでも誤差がある場合は確率的にしか捉えられなくなる(縦軸に成功率、横軸に操作間隔を取ってグラフ化すると、m-1~m+1の範囲に直角二等辺三角形が現れる)。

一方、もし2フレ以上の猶予幅があれば、猶予よりも1フレーム時間短い幅の精度で操作することで確実に成功させられる。たとえば、あるボタンを押して5フレーム後または6フレーム後に次のボタンを押すという操作なら、ボタン押し間隔を5~6フレーム時間(誤差の幅は1フレーム時間)に収めればよい。もし4~5フレーム時間または6~7フレーム時間間隔で操作してしまった場合は、成功と失敗が入り混じった結果が出る(上と同じ方法でグラフ化すると高さ1で上底が下底より2短く時間軸mに対して線対称な台形になり、上底をなす部分が確実に成功するタイミングになる)。

結局、最初の基準が(ゲーム内部の現象ではなく)自分の操作で、かつ1フレ目押しの場合は、操作を確実に成功させることができない(確率的な結果になる)ということである。この不確かさは、目押しの猶予幅が広がるほど影響が薄くなる。



反応1発ガードリバーサル

発生が7(小技はだいたい7フレ、とくに早いもので6フレの発生)と10の技(2フレ遅れで必殺技でキャンセルできない技:犬の下中Pとか魚の大Kとか)への単発ガードリバーサルを考えてみる。ガードリバーサルの受け付け時間は発生7フレーム後までなので、それぞれ14/17フレーム分の時間で入力が完成していればよいことになるが、技のモーションが始まるのは入力をした4フレーム後なので、反応に使える時間は10/13フレーム分になる。

読みにまったく頼らず、1点待ちから反応だけで返す場合を考えているので、読みによって反応時間を短縮できる可能性があることに注意が必要。

レバーをガード方向に入れっぱなした状態からの昇竜コマンドでの完全反応だと、反応に7フレ、入力に7フレとしても13フレかかる(7フレめにレバー6が入る前提)ので、遅い技でも安定して出すのはほぼ不可能と考えてよさそうな数字である(すでに断ったように、読みが入っていれば話は別だが、読めているのに先行入力なしで集中待ちする理由はないはず:発生が早い技が届かない状況でレバー6から4or1が素早ければ、ガードが途切れる心配はあまりない)。波動コマンドで9フレ反応+5フレ入力or8フレ反応6フレ入力=13フレ完成なら、反応がよい人は安定させられるレベルだろう。

レバー6までをあらかじめ入力してレバー4or1で待っている状態からの昇竜コマンドでの反応なら、コマンド完成には恐らく4フレームくらい(レバー4からでも6フレームあれば間に合うだろう)だが、早い技に間に合わせるには7フレ反応が必要(発生8の中技なら狙えそう:実際には61まで入れたら31まで手を動かしてしまうことが多いので、完全な61待ちはそんなによくある状況ではないと思うけど)。また先行入力しているということは読めている証拠なので、完全反応の場合とは前提が異なることに注意。

必殺技コマンドを完全に入力した状態での反応(つまりボタンだけ)なら、普通の人でも遅い技には間に合わせることができるだろうし、早い技にも間に合うことはあるだろう。



昇竜コマンドガードリバーサル

まず中距離でレバー1or4に入った状態からガードリバーサルを狙う(長い中技をカツカツ当てられているなど)場合を考える。この場合、ガード硬直が解けた直後にまたガードという状況は考えにくい。また必殺技の受け付け時間(12フレ)は影縫い時間(多くのキャラで4フレ)よりも長いので、レバー4から6を入れ1を経由して23Kの後また1に戻してガード(相手が打撃を出さなかったらボタンは押さない)とするのが妥当だろう。

レバー後ろ要素から前要素に入れてまた後ろ要素に戻す操作を6フレームでやったとすると、発生8(ギリギリキャンセルがかかる早さ)の技をガードできないタイミングが1フレーム(レバー後ろ要素の終わりから2フレーム目と同時に相手がボタンを押した場合)ある。発生9のキャンセルがかからない技ならどんなタイミングで出されてもガードでき、発生7の技(小技の大部分が相当し、王様やレイレイの小Pも含まれる)だとガードできない瞬間が2フレームになる。

これに対して、ガード硬直中に割り込み用のガードリバーサルを仕込む場合、コマンドの完成をガード硬直終了の瞬間(または直前)に合わせるのが一般的な入力になる(リバーサルとガードリバーサルの項を参照)。ガード硬直時は影縫いが2フレーム伸びて6フレームになる(一般的なキャラの場合)ので、急いでレバーを戻せばなんとかガード体勢を維持できるだろう(レバー6は、前の攻撃のガードストップ中に入れておくのが理想)。小攻撃でも、ガードの瞬間~ガードストップ~ガード硬直の終わりまでで22フレームあるので、タイミングさえ外さなければ次の打撃への先行入力が間に合うはず。

レバーの先行入力ができたら反応でボタンを押すわけだが、ガードマークが出たのを見てからでは厳しすぎる(6フレ反応)ので、技の始動で見極めるようにしたい(最初からボタンを押すつもりで操作して、動きがおかしかったら止める感じ)。入力受付はガード硬直が終わった時点で10フレくらいは残っているはずで、反応だけでボタンを押せる人が完全先行入力を済ませていれば、かなり遅らせた打撃にもガードリバーサルを発動できるはずである(口で言うほど簡単ではない)。

完全先行入力が非常に重要ではあるのだが、割り込みの場合前述のとおり影縫いが長いので、上下段の打撃に対しては打撃のタイミングがコマンド入力の最後に重なってもあまり問題ない。厳しいのは中段打撃で、昇竜コマンドは最後に下要素が入るため、6だけ先行入力するにしてもキッチリ4でガードしないと打撃をもらう。また、たとえばコンボの1段目ガード中に先行入力>2段目にガードリバーサルを狙っている場合、初弾にディレイをかけられるとタイミングがずれるが、受付時間が足りなくなることはあまりないので構わず入力を続けてしまった方がよいだろう(初弾をくらっていたら、そのときはどうしようもないので諦める)。

レバー6だけ先行入力>1or4でガード>23Kのメリットは、準備が少なくて済む点である。とくに中段攻撃に対して反応が遅れたor発生が早い中段攻撃に割り込む場合、623>4でガード>Kはかなり危険なので、6だけの先行入力を活用することになるだろう(4で待てる時間はせいぜい数フレームなので、タイミングを読まなければならない)。

起き上がりのガードリバーサルでは、ダウン中に先行入力をしておく。とくに、犬猫など中段打撃のガードリバーサル耐性が低いキャラに対して立ちガードをする場合は、ガードリバーサル技の性能にもよるが、入力しておかないと損である。入力は完全先行でよいが、起き上がる瞬間にレバーをガード方向に入れておく必要がある(影縫いがない)ため、微妙に早めを心がける(たとえば6231Kなら、3ではなく1がリバーサルタイミングの直前になるようにする)。



リバーサルとガードリバーサル

リバーサルとガードリバーサルの入力タイミングについて。たとえば発生7フレの普通の小技をガードした後は、小技の入力から28フレーム後にコマンドが完成した必殺技がリバーサルになるが、このタイミングはちょうどチェーンコンボへのガードリバーサルタイミング(小技>キャンセル可能な中技(=発生8フレ)のチェーンだと、小技入力後25~31フレーム)のど真ん中である。ガードの終わり際に次の打撃が当たることで、単発ガードへのリバーサルタイミングにガードストップの時間帯が重なってこのような結果になる。

このことのメリットとデメリットを考えてみる。ガード側は入力をやや早めに(ボタンも押しっぱなしか放しで入力)することでリバーサル(またはそれに近いタイミング)での必殺技暴発を防ぐことができる。デミ・モリやビシャ・フォボスなどは反対に、ガードリバーサルタイミングを狙った操作でリバーサル無敵技や最速打撃の保険入力を兼ねることができる。攻撃側のメリットとしては、リバーサル技の暴発を期待できる。

上記の重なりを攻撃側がずらしてやることもできる。ようするに、ガード硬直の終了間際に次の打撃が当たるからタイミングが重なるわけで、ガード硬直が終わるよりも大幅に前か、ガード硬直が終わった後に打撃を当ててやればタイミングをバラせる。

いちばん簡単なのは中技>大技のチェーンコンボで、中技単発ガードへのリバーサルタイミング(発生8の普通の技なら中技入力後34フレ目)よりは中大チェーンへのガードリバーサルタイミング(発生8の中技と発生10の大技を使ったとして27~33フレ目)の方が早い。連続ヒットはするが連続ガードにはならない遅いコンボ(くらい硬直の方がガード硬直よりも2フレ長いため、このようなケースが存在する)を使った場合は、ガードとガードの間が1フレなら必殺技のみ、2フレなら通常技も暴発する。

こうして考えると、2段目へのガードリバーサルを狙う相手に有利フレームのある中技(たとえばカッチなら中Pとか)を単発で当ててやるのはそこそこ有効だといえる。もちろん、初弾にガードリバーサルをかけられた場合は小技の方が耐性が高いわけだが、ガードリバーサルに切られない小技がない場合や、ガードリバーサルで切れない小技を十分に意識させた場合に、ちょっと思い出してみるとよいかもしれない。なお、空中技のガード硬直は通常技(10フレ)と必殺技(20フレ)の区別だけというのが原則のようだ(防御側が地上にいても空中にいても同様:どちらもガードストップ時間を含まないので、飛び道具を空中ガードすると差し引き30フレーム硬直する)。



ガードリバーサルまとめ

昇竜コマンド:

波動コマンド: 竜巻コマンド: といったところか。

昇竜コマンドのキャラで起き上がりに1発ガードリバーサルを狙う場合とくに、(レバー6だけでも)先行入力しておかないとコマンド入力が間に合わないので、十分手に覚えさせておこう(実際にガードリバーサルをかけなくても、レバー6を入れておくデメリットはないことがほとんどなので、ほぼ無条件でやってよい)。



目押しの難易度

これは筆者の操作精度だけを基準にした話しなので以下そのつもりで。

1フレ目押し(カッチでモリに対して出しっぱなしJ小P>J大Pで調査)の場合、デク相手にやると成功率25%くらいだった。調子がよければ40%くらい成功したが、調子が悪いと全然繋がらないこともあった。同じ1フレ目押しでも、vs王様の斜めJ登り小K(垂直Jだと2フレ目押しだが斜めJだと1フレ目押し)みたいに間隔が短いものは、ターボなしなら7割くらい成功して、タイミングを掴んだときの連続成功も長めに続いた。

2フレ目押し(カッチでモリに対して出しっぱなしJ小P>J中Pで調査)の場合、だいたい成功率60%くらいで、調子がよければ90%近い成功率になることもあったが、調子が悪いと連続して数回失敗することもあった。その後ちょっと疑念があったのでカッチ同キャラでの小P>小P、下小P>下小P、下中P>下中P(すべて2フレ目押し)でも調査したが、小Pが6割くらい、下小Pが4~5割、下中Pが7~8割と、なぜかばらついた成功率になった(30回前後の試行なので誤差は大いにある)。目押しの間隔や技のモーションによっても成功率が変わるらしい。また、小P3発の目押しをねらったところ、やはり理由はわからないが最初の2発が7割くらい成功した(20回程度の試行:3発成功は3~4割)。意識の持ち方でも多少変わるらしい(競ったゲームになるとリバーサルがガンガン出ることもあるし、集中力の問題もある)。ターボなしにするとなぜか下小Pのみやけに成功率が上がった(8割近く)のも謎。まあ、人間のやることなのでそんなものか。

ともかく、3フレ以上の猶予があれば、デク相手ならほぼ成功するレベルだと思う。ということで、「狙ってやればだいたい成功する」レベルの目押しには、(筆者の場合)3フレーム以上の猶予が必要、ということらしい。2フレームの有利時間があれば、目押しで負けることはあまりないと言えそうだ。



前歩きコマンド投げ

ビクトルのKコマンド投げは、コマンドが236と前方向で終わっているので、自分が歩けるようになるタイミングに合わせて(=コマンド完成から11フレーム以内にボタンを押さないと通常技に化けてしまうので、コマンド完成を極力遅らせて)6を入力することで前歩きからのコマンド投げをスムーズに出すことができる。非常に低い打点のジャンプ攻撃から投げる場合、着地後わずかに待ってからコマンドを完成させないと、相手の投げ無敵が切れる前にこちらのコマンド受付時間が終わってしまうので注意。

投げがスクリューコマンドの場合も、8から入力を開始>4までをすばやく入力(ジャンプの暴発を防ぐ:ジャンプ攻撃を非常に低く当てた場合は、どんなに急いでもジャンプしてしまう)>レバー2まで入力しつつ自分が動けるようになるまで待つ>レバー6に入れて少し歩く>投げるという操作が可能。投げコマンドが6321のキャラでも急いで入力すればもちろん可能(ただし、コマンド完成からレバー6までの間に時間をロスする分歩ける時間が短くなり、相手の投げ無敵時間との絡みで飛び込みからは使いにくくなる)。

カッチでわずかに高めの飛び込みから上記の入力でK投げをやると、何の冗談なのかわからないほど遠距離から吸い込める。さらに、リーチの短い小Kを空振り>空振り中にコマンド入力>前歩き>7フレ間合いから投げ、という反則のような技も可能だったりする(どちらも後ろ歩きで簡単に避けられるが)。下小KからK投げではなく食いを入れる場合は、タワーの暴発が怖いのでちょっとした工夫が必要になるカッチ攻略の覚えておくべき情報を参照)。



特殊入力

投げのコマンドは一部がスクリューコマンドになっているのを除いて逆ヨガコマンドだが、これは6321まででOK。というかヨガ・逆ヨガコマンド全般がそういう仕様になっている模様。

この投げコマンドを利用して攻撃ガードorくらい>硬直中にP>6321まで入力>リバーサルタイミングでP放すとやると、下段をガードしつつ投げ返しを入れることができる。

投げすかりポーズがあり、ちょっと距離が離れると投げにつかみモーションが出るハンターでどこまで有効かはわからないが、犬猫のダッシュ攻撃や死人2人の低空ダッシュ攻撃をガードした後などには有効かもしれない。カッチの投げ無効ディレイにも有効だろう(作業量が増えるのでまとわりつきへの対応がやや遅れることになるかもしれないが)。

反対に、ジャンプ攻撃などをガードした後なら、わざわざ操作を複雑にして自分の作業量を増やさなくても6321レバー1のままPで普通に下段ガードしつつ投げ返せるので使う必要はないし、ジャストタイミングで投げられ判定がなくなる行動(ジャンプや浮くダッシュなど)をされると1フレ投げ(通常投げ含む)でもすかりポーズに化けるので、万能ではない。



理想操作でのラッシュ

議論を簡単にするために、1フレ目押しは常に50%、3フレ目押しは常に100%の確率で成功(1フレ早いタイミングと1フレ遅いタイミングがそれぞれ25%:タイミングのバラけ方が一様分布しており、底辺3フレの二等辺三角形をなしていると仮定)させるプレイヤーを想定する(鉄人君と命名:多分、実際に人間がやると正規分布に近くなるのだろうが、そんな計算したくないので、最後に少し触れるだけにする)。このプレイヤーが2フレ目押しをした場合の成功率は8/9になる。ターボは基本的にナシの前提。小攻撃や空中攻撃をガードした相手の硬直は10で、相手が発生7の技で割り込んでくるとすると、17~19フレームで相手の打撃が発生する(硬直が違う技についてはその都度フレーム数を示す)。

魚の中Kキャンセルダッシュ攻撃:
中Kヒット後の動きを中心に考える。ダッシュ攻撃はD小P(後の繋がりやすさはD中Pと同じで発生が1早い)を使う。バックダッシュは発生開始から7フレ目まで前ダッシュでキャンセルできるため、キャンセルダッシュ自体を失敗する心配はない。ダッシュ攻撃は最速(ダッシュ入力から8フレ目に入力)で15フレ発生で、完璧にやると2フレの余裕を持って中K>ダッシュ小Pがヒットするため、ダッシュのタイミングとダッシュ攻撃のタイミングの両方を2フレ目押しにできることになる。ベストタイミングを狙って操作すると、56.25%の確率でつながり、バックダッシュに化ける確率が25%、空ダッシュに化ける確率が6.25%、ダッシュ攻撃が出て連続ヒットしない確率が12.5%になる。ミスを減らすために1フレ遅れつなぎ2回を狙うと成功率が68.75%に上がり、バックダッシュor空ダッシュに化ける確率は0%、ダッシュ攻撃が出て連続ヒットしない確率が31.25%になる。こちらの方が採算がよさそうだ。

魚の中K>キャンセルD小P>チェーン:
D小Pの後は1フレ猶予(2フレ目押し)で小攻撃がつながる。D小Pまでの成功率を68.75%(=11/16)とすると、D小P>小技の成功率が8/9なので、全部繋がる確率は61.1111%、D小Pがつながらない確率が(前の項で計算したとおり)31.25%、チェーンコンボがつながらない確率が3.8194%、チェーンコンボのところで技が出ない確率も3.8194%になる。チェーンコンボの初段も1フレ遅れで狙うと、全部繋がる確率は51.5625%、D小Pがつながらない確率が31.25%、チェーンコンボがつながらない確率が17.1875%になる。どちらで狙うか微妙なところだろう(チェーンの成功率約1割増と、お見合いの可能性約4%をどう見積もるかという問題)。

魚の永久コンボ:
D小Pの後中技(普通はD中K)を狙うことになるが、これは1フレ目押しなので、最初の中Kヒットから始めて2ループ目の中Kがつながる確率だけ考えても3分の1ちょっとにしかならない。チェーンをつなげば確定で大ダメージが入るため、期待値で得をするのはほとんど不可能だろう。余談だが、魚のキャンセル前ダッシュは、通常技ボタンを押してからバックダッシュの入力を始めないと、微妙に浮いた変なバックダッシュに化けてしまう。

カッチのダッシュ4段>ロングダッシュ攻撃
猶予が3フレあり操作も大K>ダッシュ>ダッシュ攻撃と3回なので、単純計算だと約70%の成功率だが、ミスを防ぐためにベストタイミングより1フレ遅れを狙って目押しすると約66%(42/64)の成功率になる(遅らせたほうが採算がよさそう)。成功率を2/3、失敗時にダメージをもらうことはないと仮定しても、成功時のダメージがダッシュ4段>地上コンボで安定したときの1.5倍ないとダメージ期待値で上回れない(KOできる場合は話が別)。

理想操作での目押し勝負:
打撃に投げで割り込む場合など、勝ち負けがはっきりするような場面では、1フレハンデがあると勝ち負けが5:11(約31:69)、2フレハンデがあると勝ち負けが1:15(約6:94)になる。たとえばガードからの1フレ当て投げに発生7(ほとんどの小技が当てはまる)の技で割り込む場合、投げ側が1フレ有利なので、割り込み側は投げの2倍のダメージ量を用意できないと採算が取れない(多くの組み合わせで投げ側が少し有利:たとえばモリの同キャラだと、しゃがみ4段>ノーマル追い討ちは4セット、コマンド投げは6回でちょうどKOでき、威力としては1.5倍の差)。空ジャンプ投げを投げ返す場合など、同時成立するとランダム(多分)で勝負が決まるような場合、1フレハンデがあると勝ち負けが3:13(約19:81)になる(負け:同時:勝ちが1:4:11で、同時成立4が勝ちと負けに半々で化ける)。

その他:
モリのシェルキック>ダッシュ攻撃ラッシュは、シェルキックのガード硬直が10、最速ダッシュ攻撃の発生が14(ダッシュの入力フレームを足して15)、操作が最初のダッシュ攻撃・ダッシュ・2回目のダッシュ攻撃と3回あるので期待値誤差が3と考えると、結局18フレームが中心タイミングになる。鉄人君同士の場合、一方的に落とせる可能性が50%、相打ちで落とせる可能性が25%、ダッシュ攻撃をくらう可能性が25%程度で、ダメージ効率的に割り込み側がやや不利か。カッチのダッシュ攻撃>ショートダッシュ投げは、ダッシュ投げの部分を頑張って14フレ(レバーニュートラル中Pからインチキアイスバーンが出せる操作速度)で出したとして、ダッシュ攻撃のガード硬直が10、操作はダッシュ攻撃とダッシュと投げボタンで期待値誤差3と想定すると小技で割り込みはまあまあ可能な感じだろうか。ベストタイミングの投げは打撃の後15フレ目入力なので、人間の操作ではちょっと間に合わない。ダッシュ攻撃>ロングダッシュ攻撃の場合普通の通常技での割り込みは無理なので、択一にはなる。ダッシュ攻撃>ショートダッシュ打撃の場合、ダッシュ4フレーム後にレバー後ろ要素>次のフレームに小攻撃(発生7)が最速入力で、ダッシュ入力のフレームを足すと13フレームで発生する。ダッシュ、後ろ要素、ボタンで3フレの期待値誤差を想定すると、普通の通常技では間に合わない計算になるが、レバー後ろを最速で入れてしまうとボタンも1フレ目押しになるので、現実的には18フレくらいの間隔になって、ちょうどモリのケースと一致する。

上記ではタイミングのバラけ方を三角分布で近似したが、実際には正規分布に近くなるのだろうと思う。標準偏差1.825の正規分布にパーセント点をプラマイ3で取ると内側累積確率が約90%になるから、これを「3フレ目押しを90%成功させる人のタイミングの分布」として採用すると、1フレ目押しの成功率は約41.6%、2フレ目押しだと約72.7%になる。同様に、3フレ目押しを99%成功させる人なら標準偏差1.165くらいで、1フレ目押しの成功率は約60.9%、2フレ目押しだと約91.4%になる。反対に1フレ目押しを50%で成功させる人なら標準偏差1.485くらいで、3フレ目押しの成功率は約95.7%、2フレ目押しだと約82.2%になる。ずらし押しなどはもちろん考慮していないし、そもそも正規分布を適用できるかどうか検討すらしていないので、あくまで目安として(鉄人君の近似は標準偏差1.29くらいかな:3フレ目押し98.0%、2フレ目押し87.9%、1フレ目押し56.2%)。



オマケ(炎のコマは可能か)

もちろん、本来の設定通りの秒間200万回入力なんてのはできない(いや、すごく小さいスイッチを何万も並べて、それを一気に操作するような形でできなくはないのだろうが、いくらなんでも話がぶっ飛びすぎる)。ここでは、60fpsのアーケードゲームを前提にエイリアシングノイズが出るレベルの操作を実現する方法を考えてみたい。

まずは単純な連打。いわゆるシンクロ連打が30回秒で、ネットに(散逸が進んでいるがかすかに)残る「シュウォッチ連射大会」関連の記述なんかを総合するに、方法は不明だがこれを上回れる人はどうやらいるらしい。そもそもハードウェアが追従できること自体がびっくり。そのハードウェアで細工をするなら、たとえば、すごく細かいロータリースイッチみたいなものを作ってグルグル回せば、おそらく余裕で上回れると思う。

レバー操作はどうか。1秒間に60入力ということは、1回転8入力だから7.5回転。これは厳しい。もちろん、上で挙げたロータリースイッチを繋ぎ替えればボタン連打でもレバー回転でも好きに入力できるのではあるが、1回転8入力の制限を課したまま1秒間7.5回転というのはちょっとムリくさい。hitboxみたいなレバーレスコントローラーなら、単純なボタン連打と同様にレバー入れとニュートラルの繰り返しを入力できる。



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