ツールの使いこなし


連携 / 処理が重いとき // もどる
この記事は書きかけです。

ソフト同士の連携やトラブル対策など。


連携

データの受け渡しには大きく分けて3つある。1つはリアルタイムの受け渡しで、たとえばDominoで演奏している内容を一部Reaperに送って音を出すなど。もう1つはノンリニアの受け渡しで、たとえばAudacityで編集した音声をいったんWavファイルにしてからReaperで読むなど(Reaperにはこれを円滑に行う機能がある)。最後の1つは中間的なやり方で、たとえばMTRで編集した音声をサウンドカード経由でデジタル録音するなど。

どれにも一長一短があるが、もし必要に迫られていないなら、ノンリニアでやると安全確実である。たとえばDominoからReaperにMIDIデータを送る場合、リアルタイムでやると途中でどんな邪魔が入るかわからないが、一度SMFに書き出してから改めて読ませるのなら邪魔の入りようがない。

ファイル経由での受け渡しはフォーマットさえ間違わなければ(MIDIならSMF、音声なら16bitのWavを使えばだいたい問題ない)非常に簡単なので紹介を省き、以下ではリアルタイムでの受け渡しを中心に紹介する。

MIDI

パソコンの内部ならMIDI-OXMIDI Yokeで連携できる。比較的深いレイヤーのソフトなので、インストールはパソコンを再起動してから他のソフトを起動せずに行い、インストールや設定変更が終わったらまた再起動しておこう。

インストール方法がよくわからない人はFL Studioを使った手探りのDTMというブログの解説初心者になるための耳コピMIDI講座というサイトの解説を参照。

注意:MIDIyokeのバージョンを上げたらDominoがエラーを出すようになった、という人は、MIDIポートの設定をやり直そう。ポート名が変わったのに追従できていないだけなので設定すれば動くはず。

MIDI Yokeをインストーラーでインストールすると、Windowsのコントロールパネルに設定用のアイコンができるはず。設定といっても、ポートの個数くらいしかイジる必要はない。

好みだが、3~4個あればだいたい問題ないと思う。設定を変えると再起動が必要になり面倒なので、無難な値にしておこう。

急がば回れの打ち込みとMIDIのページにも同じことを書いたが、たとえばDominoからMIDI Yokeの1番にデータを渡す設定と、ReaperがMIDI Yokeの1番からデータをもらう設定を両方やっておくと、Domino>MIDI Yokeの1番>Reaperの順にデータを流すことができる。

なぜDominoから直接Reaperに渡さないのかというと、メンドクサイからである。たとえばReaperにMIDI Yoke相当の機能を持ったソフトを追加することはCockos(開発元)の技術力なら簡単だろうが、最初に書いたようにインストールがやや面倒になる。さらに、いろんなソフトがオレもオレもと「自分専用中継ポート」を増設しまくると、人間の方で管理しきれなくなるしムダも多い。また「みんなで使う中継ポート」の方が「つなぎかえ」もラクである。

外部ハードウェアとの連携も似たような考え方で、MIDIインターフェイス(ヤマハのUX16とかローランドのUM-2Gとか)をインストールして、たとえばMIDIドラムパッド>UM-2Gの2番>Dominoのようなつなぎ方をする。最近はUSBなどで繋ぐMIDI機器も増えているが、筆者は使ったことがない。

どうでもいい話:MIDIは「音楽用」の規格だが「音楽専用」ではないので、MIDI制御でウェブカメラとかコーヒーサーバとか測定機械などを動かすことも普通に可能。

音声

Rewireという仕組み(ASIO4ALLをReWuschelつきでインストールすれば同様の機能を手軽に使える)があるが、わざわざ中継させる必要性が乏しいのであまり気にしなくてよい。斜め上方向の裏技として、ハードウェア的に出力(ラインアウトなど)と入力(ラインインなど)を直結してやる手もあるが、センドリターンに使うくらいしか使い道がない(と思う)。

例外的に便利なのがVSTHostと他のホストをつなぐLegreeというプラグインで、たとえばReaperにLegreeを立ち上げてVSTHostにデータを送り、加工したデータをまたLegree経由で返してもらうような作業が可能になる(MIDIデータを送って音声を返してもらうことも可能)。

これがなぜ便利かというと、VSTHostをプラグインチェイナーとして使えるからである(独立して動くのではなく完全なスレーブになるので、レンダリングなどのノンリニア編集にもまったく支障ない)。チェイナーとしてみたVSTHostは市販品が霞んで見えるくらい多機能かつ高機能なので、大きなメリットになる(できることが多すぎて使いにくい場面もあるだろうから、Reaper標準のラックなどと適宜使い分ける)。


処理が重いとき

たとえば、非常に多くのトラックを使った作業中に、ピアノの打ち込みだけ手直ししたくなったとしよう。普段ならSMFを書き出してReaperで再生してやれば問題なくモニタできるが、サンプラーやIRフィルタを何十枚と立ち上げていてリアルタイムでは音が出せない、ということになったとする。

そういう場合、Reaperで「ピアノトラックだけミュートした状態で書き出し」をやってから書き出したWavを読み込み(最初から新規トラックに書き出す機能もあるが、手作業でドラッグアンドドロップしても大した手間ではない)、読み込んだトラックとピアノトラックだけソロボタンを押して再生すれば格段に軽くなる(設定画面のAudioの枝にある「Do not render muted trucks」にチェックを入れておこう)。

このほかにトラック単位でプラグインの処理を書き出す機能などもあるが、上記の「作業対象だけミュートして書き出し>書き出したファイルと作業対象だけでソロ再生」が非常に手軽かつ強力なので、とりあえずこれだけ覚えておけばよい。


自動処理はCCで

自動処理を大きく分けると、オートメーション、ホストのMIDIコントロール、プラグインのMIDIコントロールと3種類の方法があるが、後者ほど小回りや使い回しが利く。

というか、プラグイン自体をMIDI制御できるなら、SMFに書き出しておくだけでどんなホストを使っても同じ設定を切り貼りできる。MIDIラーン(MIDI命令によるコントロールをカスタマイズする機能)の設定もfxpやfxbで書き出せばよいし、違うプラグイン用に「似た操作」を使い回すのもラクである。操作内容の書き込み自体、Dominoのイベントグラフが使えて非常に便利。

プラグインがMIDI制御に対応していない場合は、VSTHostやMultifxVSTなどMIDI命令でプラグインのパラメータを書き換えられるホストorチェイナーを使う。とくにVSTHostは、スレーブモードにすればチェイナーとしても機能するし、単体で音が出せるため便利。

ではオートメーションは封印かというとそんなこともなく、バイパススイッチを入れるとか、音量をフェードさせるとか、そういう「何を使っても変わらないような単純作業」や「わざわざ他で使い回す必要がないようなもの」を任せるには一番手軽である。



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