麦芽の酵素で糖化、酵母で発酵。チェイサーとともにストレートで飲んだり、ロックや水割りにする。バーボンはフランスのブルボン家が語源で地名の方が後らしい。
名称 | 主な産地 | 特徴 | 代表商品 |
スコッチ | スコットランド | 大麦が主原料、peatで燻蒸 | バランタイン・ジョニーウォーカー・オールドパー・カティサーク・シーバスリーガルなど |
バーボン | ケンタッキー州バーボン郡 | トウモロコシが主原料、焦げた樽を使う | IWハーパー・アーリータイムス・フォアローゼズ・ジムビーム・イエローローズなど |
上記以外では、アイリッシュ(アイルランド)・テネシー(テネシー州)など。
果実酒を蒸留、常温のものをストレートで飲む。人類が始めて作った蒸留酒はアリストテレスがワインを蒸留したものだという俗説があるが、おそらくはエジプト(もしかしたらエジプトにワインとビールの原型を伝えたらしいシュメール人)が先行していたのだろう。
名称 | 主な産地 | 特徴 | 代表商品 |
コニャック | コニャック市 | 白ブドウを酵母で発酵 | レミーマルタン・ヘネシー・カミュなど |
カルバトス | ノルマンディ地方カルバトス県 | リンゴが原料 | |
マール/グラッパ | フランス/スペイン | ブドウの搾り粕が原料 |
上記以外では、アルマニャック(アルマニャック地方、原料白ブドウ)など。
一般に、単式蒸留(ごくシンプルに1回だけ蒸留する)のものは風味が強く、連続蒸留(蒸留を何度も繰り返す)のものはすっきりとしている。
名称 | 主な産地 | 特徴 | 代表商品 |
焼酎 | 日本・韓国 | 麦や芋が原料、こうじで作ったもろみを搾って蒸留 | 日本国内には乙類(単式蒸留)と甲類(連続蒸留)の分類がある |
ウォッカ | ポーランド・旧ソ連地域・北米(北米にはフランス経由で伝来) | 麦や芋が原料、連続蒸留後白樺炭で濾過、ストレートで飲む | ベルヴェデール(ポーランド)・ズブロッカ(ポーランド)・スミノフ(アメリカ)・スピリタス(ポーランド)・ストリチナヤ(ロシア)・アイスバーグ(カナダ)・グレイグース(フランス)・アブソルート(スウェーデン)・フィンランディア(フィンランド)など |
ラム/ロン | 南米 | サトウキビの搾り粕(糖蜜)が原料、酵母発酵もしくは自然発酵 | マイヤーズ(ジャマイカ)・バカルディ(キューバ)・ロンリコ(プエルトリコ)・コイーバ(キューバ)・キャプテンモルガン(プエルトリコとジャマイカ)・ロンサカパ(グアテマラのサカパ県サカパ市)・モカンボ(メキシコ)など |
ジン(ドライジン) | イギリス | ジュニパーベリーでフレーバーをつけた蒸留酒(スローベリーフレーバーのものはスロージン) | ビーフイーター・ゴードン・タンカレー・ウィルキンソン・ボンベイサファイア・など |
ジェネバ(オランダジン) | オランダ | 古い製法(単式蒸留)のジン | |
テキーラ | ハリスコ州テキーラ村(メキシコ) | アガベ・アスール・テキラーナ(竜舌蘭の一種)と砂糖が原料 | クエルヴォ・エラドゥーラなど |
蒸留後にフレーバーをつけたもの。
名称 | 原料 | 風味 |
カシス | 黒すぐり | 甘酸っぱい |
カンパリ | 不明(薬草?) | 苦甘い |
ピコン | 不明(薬草?) | 苦甘くフルーティ |
ビターズ | 不明(薬草?) | 苦い |
シャルトリューズ | 不明(薬草?) | バリエーションがありさまざま |
キュラソー | オレンジの皮 | オレンジの香りと甘味 |
アクアビット | ハーブとスパイス | ハーブリキュールの代表格(現在はジャガイモのスピリッツを用いるが、古くはワインを原料にしていたらしい) |
カルーア | コーヒー | コーヒーの香り、甘味、バニラの風味 |
ベイリーズ | クリーム、カカオ、バニラなど | カカオの香り、甘味、バニラの風味 |
薬草・香草系のリキュールは材料が不明なものが多い。醸造酒にフレーバーをつけたものとしては、ベルモット(ワインとハーブ:甘口のスイートベルモット/イタリアンベルモットと、辛口のドライベルモット/フレンチベルモットがある)など。
原則として、氷が入るものはロングドリンクカクテル(比較的長時間かけて飲む:タンブラーは300mlないし10オンス、サワーグラスは120mlないし4オンスが代表的)、入らないものはショートドリンクカクテル(比較的短時間で飲む:脚つき逆円錐形のカクテルグラスが好まれ、75、82.5、90mlくらい、ないし3オンス前後か、大きめのものは120mlくらいだがシャンパングラスで代用されることもある)とされる。
名称 | 材料 | 備考 |
スクリュードライバー | ウォッカ・オレンジジュース | サワー(蒸留酒+柑橘類ジュース)の代表格。サワーグラスで飲む。ジュースをグレープフルーツに変えるとブルドッグ、さらにレモン汁で湿らせたグラスのふちに塩をつけてスノースタイルにするとソルティドッグになる。 |
ジンライム | ドライジン・ライムジュース・氷 | ステアもシェイクもしない(シェイクするとギムレットになる)。トニックウォーター(風味をつけた炭酸水:風味なしのものはソーダ)を入れたものがジントニックで、トニック(蒸留酒+柑橘類+トニックウォーター)の代表格。 |
ジンフィズ | ドライジン・レモンジュース・砂糖・ソーダ・氷 | フィズ(蒸留酒+柑橘類ジュース+ソーダ)の代表格。ソーダ以外をシェイクしてから注ぐ。オールドトムジンをベースにコリンズグラス(ゾンビグラスまたはトールグラスとも)を用いるとトムコリンズになる(コリンズ系もベース違いのバリエーションが多い)。同様のロングカクテルはスリングと呼ぶことが多いが、ソーダに代えて水やお湯を使うこともあるそうな。レモンジュースに代えてミントの葉を使うスリングはジュレップと呼ばれる。シェイクしない炭酸系のカクテル(あるいは、フィズも含めた炭酸系カクテル全般)をクーラーと呼ぶことがある。 |
モスコミュール | ウォッカ・ライム・ジンジャービア(ジンジャーエール) | 銅のマグカップで飲む。ミュールはラバが原義で「強い酒のカクテル」の意。地名+ミュールで、メキシカンミュール(テキーラ)やジャマイカンミュール(ラム)などのパターンがある。 |
ブラッディマリー | ウォッカ・トマトジュース・レモン | タンブラーやサワーグラスを使う。ジンベースだとブラッディサム、テキーラベースだとストローハット、ビールベースだとレッドアイなどバリエーションやレシピ違いが多い。 |
マティーニ | ドライジン・ドライベルモット・オリーブ | プレディナーカクテル(食前酒)にもする。カクテルの王様と呼ばれ、ジンの量が多いものはドライマティーニと称する。オリーブではなくパールオニオンを添えたものはギブソン(水に見えるくらい透明なものが好まれる)という。ウィスキーベースにするとスモーキーマティーニ。 |
マンハッタン | ライウィスキー・スイートベルモット・ビターズ(・チェリー) | プレディナーカクテルにもする。カクテルの女王と呼ばれる。ウィスキー・ドライベルモット・ビターズ・オリーブでドライマンハッタン。ライウイスキーではなくスコッチウイスキーを使ってイギリス風にするとロブロイ、ブランデーベースだとキャロル、ラムとベルモットだけだとリトルプリンセス(またはポーカー)。 |
サイドカー | ブランデー・キュラソー・レモンジュース | シェイクする。ベースがジンだとホワイトレディ、ラムだとXYZ、ウォッカだとバラライカになる。 |
マルガリータ | テキーラ・キュラソー・ライムジュース・塩 | スノースタイルで。クラッシュドアイスを使ってフローズン(ようはカキ氷)にすることも多い。 |
アラスカ | ドライジン・シャルトリューズ | シャルトリューズの種類やレモンジュースを入れる入れないで名前が変わる。 |
シャンディガフ | エール・ジンジャービール | イギリス式。 |
ブラック・ベルベット | スタウト・シャンパン | 同時に注ぐ。 |
カンパリソーダ | カンパリ・トニックウォーター・氷 | プレディナーとして出せる。カンパリ・オレンジジュース・氷だとカンパリオレンジ。 |
ダイキリ | ラム・ライムジュース・砂糖 | キューバの特産品総出演。 |
ロンケロ | ジン・グレープフルーツ・ソーダ | フィンランド語でロングドリンクの意なのだそうな。 |
キール | 白ワイン・カシス | プレディナーカクテルにもする。 |
カルーアミルク、ベイリーズミルク | カルーアorベイリーズ・ミルク・氷 | ロックグラスを使う。フロート(ステアせず比重に任せて分離したまま)やホットにすることもある。 |
以下は番外編
名称 | 材料 | 備考 |
グロッグ | ラム・水 | ラムの水割りをグロッグという。コーラ割りはキューバリバー。 |
ホッピー | ホッピー(ノンアルコールビール)・焼酎 | 氷を入れる場合もある。 |
ポマック割り | ポマック(ノンアルコールビール?)・ブランデー | ポマックは北欧のソフトドリンクで、最初はワインやシャンパンの代用品だったらしい(カールスバーグが市販しているほか、かつてはドクターペッパーも取り扱っていたのだとか)。 |
爆弾酒 | 蒸留酒(焼酎・ウォッカ・ウィスキーなど)・ビール | 韓国発祥らしく、本場ではジョッキの中に猪口のようなものを落として作るらしい。 |
お湯割り | 焼酎・お湯・梅干し | まれにだが、ウーロン割りにも梅干しを入れることがある。 |
水割り | ワイン・ミネラルウォーター | 古代ギリシアでは発酵度合いが低い(=やや甘い)ワインをkratērという甕で(場合や都合に合わせ1~7倍程度の)水と混ぜ、ビッチャーのような入れ物で給仕したそうな。この習慣は発酵技術が高まった後もローマ圏で生き残り、甕こそ使わないもののワインの水割り自体は現在も完全に廃れてはいない。 |
ロシアンティ | ジャム(ママレード・りんご・ブルーベリーなど) | ジャムをウォッカでのばしたものをなめながら紅茶を飲む。 |
ヨーロッパ(またはその植民地)起源の酒は、普及当時のオンス基準が多い。現在は瓶や缶の多くが量産品であるため、12米液量オンス≒355ml(4分の3パウンド)や24米液量オンス≒710mlがよく使われる(4分の3リットルで750mlというのも多い)。
ヤードポンド法自体、国や時代によって異なる値が使われ一定でない(イギリスにおける英オンスと日本における英オンスなども微妙に違う)が、だいたいの値として
1米液量オンス≒29.5735ml、1米液量パイント=16オンス≒473ml、1米液量ガロン=8パイント≒3785ml
1英液量オンス≒28.4134ml、1英液量パイント=20オンス≒568ml、1英液量ガロン=8パイント≒4546ml
くらい。
もし4ユニット(定義はいろいろだが、ここではエタノール100ml分≒ウイスキー8ショット≒ワイン1本≒日本酒4合≒ビール2リットルくらい:かなり酒に強い人でも常習的に飲むには危険な量)を「1人前」とするなら、多くの蒸留酒は3人前でフルボトルということになる。
蒸留酒というのは、当然ながら蒸留して作るわけだから、ほとんどの製品は水とエタノールと不純物から成るはずである。もっといえば、連続蒸留の場合アルコールの方が主になるまで蒸留を繰り返した後で加水するのが普通(希釈しないこともあるけど)だから、不純物中にはアルコールに可溶な成分やアルコールと共沸する成分が多く、水に可溶な成分は少なくなる(単式蒸留だと水の方が多い)。とすると、蒸留酒の味はほぼ不純物(というか香味)が決めていると考えてよい。
よくある説明として、蒸留酒に甘みを感じるのは、甘い香りとアルコールの刺激が組み合わされて脳が勘違いするのだというものがある。どこまで正しい論なのか筆者は知らないが、蒸留した酒に(後から添加しない限り)糖分がほとんど含まれないのは当然で、しかし実際甘味のようなものは感じるわけだから、これは錯覚と呼ぶほかにない(たとえ醸造酒の樽を使ったとしても、甘みとして知覚できるほど大量の糖分が溶け出すことはないだろうと思う)。そう考えると我々は、香りつきの加水アルコールを楽しんでいるのだとも解釈できる。いっぽうで、蒸留酒に後から糖分を足す飲み方も普通にあって、キューバリバーとかサワー・フィズ系のカクテルなんかはその代表例だろう(もちろん香味もプラスされる)。
改めて考えてみると、蒸留酒にあれだけ「味」のバリエーションがあるというのは、驚くべきことなのではないかと思えてならない。大半の成分は中性スピリッツ(95度以上に精製した飲用アルコールのこと:連続蒸留でも96度くらいが限界で、それ以上の濃度のものは塩類で脱水して作る)を水で薄めたものと変わらないのに、香味と脳の反応があれだけの多様さを生み出しているとは、理屈ではわかってもにわかに呑み込めないところがある。もしかすると、温度や濃度や飲み方の違いで味わいが大きく変わる性質も、錯覚で生じる味わいの比率が大きいのが一因なのかもしれない。
バーボンはIWハーパーの12年(カクカクボトル)、ウォッカは無印ベルヴェデール(情報が混乱していてよくわからないが、2005年4月にフランスのモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンの完全子会社になっているはず)、泡盛は久米仙のブラック古酒43度。これはそうそう動かないと思う。格が違う。ジンはタンカレーNo10、ロン(ラム)はロンサカパかモカンボ、スコッチは外ではあまり飲まないが若いときに初めて飲ませてもらったジョニーウォーカーの青にはびっくりした。ウイスキーはブレンデッド派でシングルモルトは外で勧められないと飲まない(カクテルベースにはする)。
唯一嫌いな酒だった紹興酒は、中華屋で働いているときに安物でさえなければうまいことを教えてもらった。麦焼酎は特蒸泰明(欲を言うなら「ここから」)が置いてあったときくらいしか飲まないが嫌いなわけではない。芋焼酎はとくにこれと決めた銘柄はなく、泡盛があればそっちにしてしまう。スピリタスを(ラッパ飲みはもちろん)ショットで飲むようなことはもうあるまい。醸造酒は(体質的に)あまり得意でないが日本酒を飲むなら酔鯨。ワインはわからない(嫌いなわけではない)のでほぼハウスワインしか飲まない(店さえ選べば十分楽しめるものを選んでくれる)。リキュールではカンパリもお気に入りで、ソーダよりはオレンジが好き。
家ではそんなに頻繁に飲酒しないが、飲むときはなぜかウイスキー中心。バランタインの青とかジョニーウォーカーの黒とか、「混ぜてももったいなくないしロックでもまあイケる」クラスが、家で飲むならちょうどいいと思う(筆者はいい酒は外で飲みたい派)。この辺を狙うとバーボンが難しく、フォアローゼズの黒ならスコッチの方が安いし、フタがあけにくいのをガマンしてメーカーズマークのレッドトップあたりが無難か。熟成が長いバーボンもいいものだが、ちょっと敷居が高い。エライジャクレイグとかエヴァンウィリアムスとかオールドエズラなんかがラインナップしている12年ものなんかは手ごろだが、小売が豊富でない(2021年追記:なんか洋酒全般に値上がりしたねぇ、いま安いのはブレンデッドのスコッチか・・・まあそのときどきでオトクなものを選んで買えばいいやね、せっかく便利な世の中なんだから)。家ではわりと穏やかな飲み方で、1日に3ユニット以上飲むことはほとんどない(外でも6ユニットは超えないように心がけているが、たまにやらかす)。
実はビールも好きで、バス・ペールエール、コゼル・ダーク、エーデルピルスあたりがお気に入り。コロナもけっこう好きだったりする(あの嘘臭さがいい)。ビールと言ったら瓶売りが普通だった頃に比べると選択肢の幅は飛躍的に増えたが、ビールがデリケートな生鮮食品だということをしっかり理解してくれている小売店はそう多くないように思う(おおむね3度以下にしてしまうと「寒冷混濁」が生じ、18度以上にしてしまうと大きく劣化するのは有名だが、製品として「要冷蔵」のものを除き、長期間の冷やしっぱなしもよくないし、日光や衝撃にも弱い:製造工程では、発酵(サッポロビールによると「下面発酵の場合は通常8~10℃、上面発酵で15~20℃」)のあと0度前後で「貯酒」を行うが、製品になった後にこのような低温に晒すと不可逆的に劣化する)。筆者が酒屋を選ぶとき、品揃えを眺めてから瓶ビールを買ってみることがほとんど(外で飲むときも、初めての店ではたいてい生ビールから頼む)。ビールも満足に扱えない酒屋で日本酒やワインを買う気には到底なれないし、ビールが不味い飲み屋では梅酒しか飲まない(氷までマズかったらストレートで飲むが、たいていはロック:「マズかったら梅酒」は事実だが「梅酒を頼んだからマズかった」は正しくないので、筆者のリアル知り合いは注意)。ビールメーカーも、生ビールにはナントカマイスターとかカントカ称号とかやっているのだから、小売店にもグレード認定を出すようにすればいいのにと思わずにはいられない(まー力関係とかあるのかもしれないけど、シロウトであるいち消費者からは)。2015年くらいから国産のプレミアムビールがやたら増えたような気がするが、エビスマイスターはけっこうよかった。普通の国産だとクラシックラガーとか黒ラベルあたり、北海道限定品だがサッポロクラシックも疲れているときなんかに飲みやすいと思う。
2022年追記:円安の影響なのか、洋酒が軒並み値上がりしている。ジョニ黒はまだ2千円台前半に踏みとどまってくれているが、そのちょっと上のクラス(ハーパーの12年とかロンサカパとかベルヴェデールとか、オマケに久米仙ブラック43度まで)がかなり上の価格帯に行ってしまった。国産も、値上がりしたりキャラが極端すぎたりと、洋酒(というか蒸留酒)が冬の時代を迎えた感がある。そんな中頑張っているのがブラックニッカで、クリアは置いておくとしても、リッチブレンドとディープブレンドは特筆に価する(混ぜる酒としてならスペシャルもそれなり)。どちらもジョニーウォーカーの赤と張り合える価格で、teacher's selectほどドギツくなく、キリンの陸と違ってロックでもまあ飲める(筆者は、このクラスに無難さ以上のものを求めるべきではないと思っており、それをハイレベルに達成してくれている)。ジンやラムやウォッカには当分期待が持てなさそうなので、ジョニ黒と青バラと赤キャップが踏ん張ってくれている間に、安ウイスキーを開拓しておかねば(未チェックで面白そうなのは、ホワイトホースの12年とか、あとはデュワーズの12年あたりかなぁ)。
2022年末追記:つい半年前にジョニーウォーカーの健闘を讃えたばかりなのだが、現行品を買ってみたところガッカリした。オールドボトルがウンヌン特級時代がカンヌンといった話ではなく、おそらく先々代の、ジョニーとウォーカーの間にオジサン(ストライディングマン)がいて、下帯の12の数字が四角囲みになったボトルのもの(現行品はオジサンが下帯の上に移動してデカくなり、下帯自体が横に短くなって黒地に上下金ラインになった:12の数字が8角形ワクに入って、下帯が金ラインでなく太い金縞2本になっているのが、おそらく先代ボトル)と比べてもかなり劣る。もちろん、原料が農産物なのだから当たり年外れ年はあるだろうし、もしラベルが赤かったら、値段は少し上がったけれどジョニーウォーカーも頑張っているなと思えるレベルではあるのだが、これはブラックラベルの品質ではない。流通段階で誰かがやらかしたのかと思って別の店でもう1本買ってみたが、中身は同様だった。近いうちにバランタイン青とメーカーズマーク赤トップもチェックしなくてはならない気持ちになったが、なんだか確かめるのが怖いような気もする。いっぽうビールは値段が上がった、のはしゃあないとしても、国産ビールの品質が軒並み下がったような気がしてならない・・・と思ったのだが、しばらく様子を見ていたところこれってもしかして、仕入れ値の上昇前に過剰に仕入れすぎた(当然だけど一部の)小売店が、本来ビールを置いておくべきじゃないトコロで保管して品質が悪くなってるのではなかろうか。疑問には思っても確認のしようがない話ではあるのだが、その後別の経路で買ったものはちゃんとしていた。
2023年末追記:その後も洋酒の値上がりは続き、ビールやワインに逃げたりもしていたのだが、このところサントリーのオールドを見直すようになった(買ったのは多分20年ぶりくらい)。ブラックニッカのディープブレンドよりはこっちかなぁ。似たような価格帯に検討しているモノがないではないが、オールドじゃなくてコレ、というものは探せずにいる。試してみないとと書いたメーカーズマークのレッドトップは、まずまず一安心の中身だった。バランタインの青は流通がめっきり少なくなったが、近所のドラッグストアで残り物らしきタマを発見、期待を裏切らない品質で筆者としてはレッドキャップよりこちらかなといった感触を得た。2024年追記:どっちも値上がりが続き、現在3000円くらいはしているよう。相場的には、ローゼズ黒>青バラ>赤トップで、入手性はメーカーズマークが圧勝、なのだが価格は店によってバラつきが大きく掘り出し物があればお得に買えるかもしれない。以前名前を挙げていまだに試していないデュワーズとかホワイトホースの12年は、赤トップより微妙に安いみたいだけど筆者の近所では売ってないし、そもそも家ではそんなにガバガバ飲酒しないので次から次に試すのもムリなのよねぇ。一時期高騰していた久米仙ブラックが少しこなれてきたから、しばらくそっちに逃げようかしら・・・と思ったら久々に当たりワインに遭遇、イタリアのオットービアンコ(8 Otto Bianco:国内扱いはネスコジャパン)がいい感じ、というかここ最近の安ワインに感じていた「安いには安いけどコスパではどうなの」感を払拭してくれた(シャトレーゼの「樽出し生ワイン」なんかは反対に、コスパ自体はいいんだけど「じゃあビールじゃなくてコレにするの」と並べられると即答しがたい)。最近(つい1年ちょっと前に値上がりしたにも関わらず)相対的に割安感があるビールの500ml缶と比べても、これなら十分(勝つか負けるかは人によるだろうが)勝負はできる。このところ安ワインはけっこうな数を試していたので、やっと当たりを引けて少し溜飲が下がった(ワインで本当に趣味性があるのは2000円前後の価格帯なんじゃないかという気は大いにするものの、数を試す気にはならない、というか筆者はワインに2000円払うなら3000円の蒸留酒を買いたい)。
2024年追記:うーん、筆者としては「良かったモノ」の記事を書きたいのであって「良くなかったモノ」の指摘はあんまりしたくないのだが・・・とローゼズの茶色をコキ下ろそうと思ったのだが、なんだコレ、いいだけ酔っぱらってから飲んだらクセになるじゃないか。いやー、蒸留酒の奥深さをもうひとつ知ったというか、そうかそういうバランスの取り方もあるのか。「4杯め以降ならこれより美味い酒必要ないでしょ」ってことか、そういうことなのか。やるなぁ。