オーディオについて


一般的な事項 / 手軽な調整 / イコライザを使う / 諸注意 // もどる

DTMをやるとなると、パソコンから「そこそこの音」を出せることがどうしても必要なので、そのための注意点をいくつか。レコーディングの機材については録音のページを参照。

以下に何度か出てくるサンプルファイルは、どれも同じファイル(efuさんのWaveGene というソフトで作成したものだが、非常に高性能なソフトである:加工にはAudacityを用いた)。再生できない場合はNorthern Verse さんSoundPlayer Lilithなどを使うとよい。


一般的な事項

オンボードサウンドの注意点

消費電力の都合なのか、音量の小さいものが多い。それだけならよいのだが、なぜか、ボリュームを最大にすると音が割れるものがある(というか、筆者のオンボードサウンドは実際に音が割れる:IntelのAC97互換チップ)。筆者の手元では「ボリュームコントロール」か「wave」のうちどちらかを下げてやれば割れなくなるのだが、警告音などとのバランスを考えるとボリュームコントロールを下げた方がよいと思う。

マイクインの性能が非常に低いものがあり、音楽用としては使用に耐えない場合がある。そのような機種ではマイクインの使用を避け、マイクアンプつきの外部機器(ミキサ・MTR・ラジカセなど)からラインで録音すべきである(ラインでの録音再生で実用上問題になるほどの音質劣化が起きるような製品はまずない)。詳しくはサウンドカードへのマイクレベル接続のページを参照。ライン入力がない場合はサウンドカードの増設を検討する。

また、オンボードサウンドと追加のサウンドカードを併用する場合、waveマッパーではミキサとしての能力が不足することがある。MIDIにおけるMIDI YOKE のようなソフトウェア(シェアウェアのVirtual Audio Cableなど)もあるが、両方の出力をいったん外部のミキサ(筆者はMTRで代用している)に出力して、モニタ出力かAUX出力をラインに戻してやった方が手軽な気がする(設定を間違うと発振するが)。


小型スピーカは避けたい

他の機材に比べて、スピーカの違いは音への影響がかなり大きい。とくに、簡易アンプ内蔵でUSBバスパワーや乾電池を使うタイプのスピーカをメインにするのは避けたい(確認用のサブ機としては有用)。超高級オーディオである必要はまったくないので、せめてラインインのあるラジカセを使おう。

スピーカの場所だが、音質にかなり影響があるので、十分配慮して設置したい。詳しくは後述するが、少なくとも、机の下に置くとか片方のスピーカだけあさっての方向を向いているとかいったことだけは避ける。どうしても場所がとれなければ、高音用のスピーカだけでも顔に正対するように置く(波長の長い波動は直進性が弱いので、多少向きが違っても気になりにくい)。


ヘッドフォンのコストパフォーマンス

他の機材に比べて、スピーカの違いは音への影響がかなり大きいが、何しろ値段が高い。アンプとスピーカにお金をかけるのと比べて、ヘッドフォンへの投資はコストパフォーマンスがよい(と思う)。

1~2万円も出せばそこそこの物が手に入るし、スピーカと違ってリスニングルームの環境にあまり気を使わなくてもよい。ヘッドフォンでなくイヤフォンだが、ネオジムマグネットを使用したカナルタイプは周波数特性が非常によいらしい(伝聞)。

音質面の好みももちろんあるだろうが、直接装着するものなので、自分の頭に合ったものを選ぶべきだと思われる(パッド交換やバネ交換など対策はあるが、音質改善に比べて装着感改善の方が困難が多い気がする)。長時間使用を想定している場合はとくに、頭が痛くなったり肩が凝ったりするものは避けた方がよいだろう。

注意点として、ヘッドフォンだけに頼ってマスタリングを行うのは避けた方がよい。必ず、スピーカからの音も確認すべきである。できれば、チープな再生環境(数千円クラスのラジカセとか、パソコンに直結したアクティブスピーカとか)も用意してやって、どの辺りの情報が欠けやすいのか確認しておくとなおよいだろう。反対に、スピーカからの音でマスタリングする際も、1度は(どんなものでもよいから)ヘッドフォンを通して聴いてみる(PANの振り方などで奇妙な聴こえ方になることがままある)とともに、できれば(モノラルの)イヤフォンでも試聴してみるとよいだろう(場合によっては、モノラル環境を切り捨てた方がよい場合もあるだろう)。


手軽な調整

エージングする

ようするに使い古して音を安定させるわけだが、反対にいうと音が不安定なときにしか意味がない作業である。使う音は、ピンクノイズがいいという人もいれば低音のサイン波から始めた方がいいという人もいるし、レコード屋さんに行けばエージング用のCDもいろいろと揃っている。

筆者は、ピンクノイズ勾配(高い周波数の音を大きなボリュームで出すと機器を痛めるため)のサイン波スイープから始めて、半日置いたらピンクノイズ、仕上げに鋸波スイープを再生している。時間的には1:2:1くらいでいづれもかなりの大音量。で、ここが肝心なのだが、エージングが終わったら各部のネジを増締めしておきたい(ただし接着剤が注入されているネジはイジらない方がよい)。これでガタつきが減り、能率も多少よくなるはずである。ついでなので、スピーカを置く台や机などのネジも増締めしておこう。

根深い誤解があるようだが、真空管(使用中常に特性が変化し続けるので「オイシイところを狙って使う」ためのエージングが有効な場合がある:最近の真空管はエージング済みの状態で出荷されるものがほとんど)と違って、トランジスタ回路にはエージングを行う必要がほとんどない。では何のためにエージングを行うのかというと、機械的なガタやヘタリをある程度出し切ってしまうのが目的である(だから、増締め可能な個所はキッチリ増締めしないと意味がないし、それなりの部品を使ってマトモな工作精度で作られた製品には効果がない)。

激安品や自作機材を多用する人にとってエージングは有効な作業であるが、あまりにチープな製品だと、エージングそのもので壊れる場合がまれにある(筆者はヘッドフォンを壊したことがある)。本当の激安品だと、初期不良だったのか負荷で寿命が尽きたのか判断に困るのがなんとも。初期不良出しを兼ねて行う非常に短いエージング(普通はバーンインと呼ばれる)だけは、普通の製品にも有用なので区別しておきたい。


スピーカの位置を変える

自分の頭と2台のスピーカが2等辺三角形を描くようなレイアウトが基本。スピーカ(少なくともツイーター)は真っ直ぐ耳に向かうようにする。基本的には顔の高さに置くが、低い高さに角度をつけて設置するのも一案(少し話が前後するが、ビビリに注意)。どうしても床に直接置くしかない場合は、自分も床に座って聴くようにすればよいだろう。テーブルなどに置く場合、ギリギリまで前に出してテーブル面で音が反射するのを避けた方が音はクリアになる(落として壊しても知らないが)。サブウーファーを置く場合、耳までの距離がメインスピーカとだいたい同じになるようにする。

設置面が硬い場合はとくに、スピーカの振動(ビビリ)が起きることがある。これはクッション(スポンジ状のものやゴム板状のものなど)を敷いてやることで改善する(オーディオ用でなく一般の家具用のものでも効果は似たようなものだと思う)。

スピーカの正面に固くて平らな面(壁もそうだが、ガラス窓が最悪)があると音が乱反射するので、カーテンや緞帳のようなものを用意するか、発泡スチロールの板でも立てかけておくとよい。基本的に、スピーカはデッドな(反響の少ない)環境で鳴らした方がよく鳴る。サブウーファーを置く場合、低音は柔らかいものに当たっても消えにくいため反射音の問題がとくに問題になるが、壁に正対させないようやや斜めに設置する(PAなどでもよく使われる手)と対策になる。メインスピーカも壁の真正面を向けるのは避けた方がよいと思う。

スピーカを壁から離すと低音が弱まり、壁に近づけると低音が強まる。これは回り込みで逃げる低音を壁が反射してくれるためで、原理的には平面バッフル型のスピーカと変わらない(スピーカの形式についてはmizunagaというアンプ屋さんのサイトにある解説が詳しい)。


接点を磨く

これはある程度使い込んでからの話。プラグやジャックなどにサビや汚れがつくとインピーダンスが変化してしまうし、ホコリが詰まっていると火災の原因にもなるので、たまに掃除しておいた方がよい。必ず、電源を切ってから作業すること。

水を使ってサビさせたり、変な溶剤を使って機器を痛めてもアレなので、楽器屋さんなどで売っているお掃除キットなどを使った方が無難。また、そもそもゴミやホコリをためないための対策として、機器のガワを軽く拭いてやるとよい(内部にホコリを落とさないように注意:ハンドモップやOA機器用のクリーナーが使えるが、機器によっては掃除機のブラシアタッチメントも活躍する)。

ついでに、アンプやCDプレイヤーの内部を軽く掃除してもよいかもしれない(精密機器なので細心の注意が必要になるし、コンセントを抜いてもコンデンサに結構な電力が蓄えられている場合があるので、自信がない人はフタを開けない方がよい:「高圧電流に注意」とか「サービスマン以外開けるな」とか「このフタを開けたらメーカー保証が無効になる」と書いてあるフタは決して開けないこと)。筆者はパソコン用のエアブロアでホコリを掃き出しつつ、舞い上がったホコリを掃除機で吸引している(かえってホコリを撒き散らす結果にならないよう注意)。

これは完全に気のせいなのだが、機器のガワがきれいになっただけで音もクリアになったような錯覚を楽しめるので、清掃はなかなかコストパフォーマンスのよいメンテナンスである。


イコライザを使う

自分の耳に合わせよう

レコーディング関連の記事でも何度か出てくるイコライザだが、ここでは積極的な音作りとはやや違った(しかし本来の)使い方をする。そもそも何故イコライザ(イコールにする装置:等価器)というのかといえば「f特をならす」のがもともとの目的(たとえばアナログレコードでは、RIAA曲線にもとづくイコライザが必須の装置になっている:ちなみにそのRIAA曲線だが、The Art of Analog Circuitsというページの解説によると、JISの数値が間違っているそうである)だったからで、その仕事をキッチリこなしてもらおうというわけ。

で、イコライザを使ってf特をならすのだが、これを真面目にやろうと思うと、専用の測定器がどうしても必要になる。スピーカの音をマイクで拾って解析するタイプのソフトが売られていたり(それもけっこうなお値段で)もするが、マイク(というか録音系)のf特を特定できないかぎり、有効な測定はできない。また、何もない部屋にスピーカを埋め込んだような場合でも、ちょっと動くと容易にf特が変わってしまう。

ので、ここはいいかげんにやるのだが、「耳で聞いた感じ」を基準にしてしまうのが手っ取り早い。耳を頼りにする方法の長所は、個人差を吸収できるところにある。というのは、耳や頭の形は人それぞれ違うわけで、外部から入ってきた音の伝わり方(頭部伝達関数という:たとえば外耳道は筒状の形なのだからコムフィルタの役割をするし、鼓膜も膜である以上は固有周波数を持っている)も当然人によって違う。だから、「スピーカからf特の平らな音が出ている」ことと「聴覚上均等に聴こえる」ことはイコールにならないのであって、単にスピーカから出る音を使って調整する場合、たとえダミーヘッド型の測定器を使ったところで頭の形や脳内補正の個人差までは吸収できない。一方、聴覚に頼っての調整であれば、この問題がある程度解決する。

たとえば筆者の耳は高音域に敏感なようで、6~10KHzあたりの音は(後述のラウドネス曲線から求められる理論的な値より)かなり大きく聴こえる。ということは、筆者がフラットな特性の機材でマスタリングをすると、無自覚的にハイを絞りすぎたバランスになってしまうことが容易に予想できる(プロなら、フラットな機材でちゃんとした仕事ができないと話にならないのかもしれないが、アマチュアには「自分の耳にこのくらいのバランスだから、たいていの人にはこのくらいのバランスで聴こえるはず」などと的確に予想して作業するのは多分ムリ)。イコライザでハイを落とした環境で作業すれば、筆者にとっての「よいバランス」と標準的な聴覚の人にとっての「よいバランス」を等しくすること(まさしくイコライズ)ができる。

逆に、他の人が「標準的な聴覚の人をターゲットに」マスタリングした音を筆者が聴くと、ハイをブーストしすぎているように聴こえるはずだが、これにも、同じイコライザを噛ませてやることで対応できる。


スイープ信号を使う

重要な情報
ごく高域の音が聴き取れないからといってむやみに再生音量を上げないこと。「聴き取れる範囲のどの音も耳に強い刺激を与えない音量」を決して超えてはならない。

重要な情報
機器の想定を超える低音を大きな音量で入力すると破損につながる。とくに、バスレフ(またはそれに準じる形式)のスピーカでポート周波数を下回る低音を再生すると、空振りと呼ばれる状態になり危険が大きい。ヘッドフォンでは問題になりにくいが、機器の仕様はテスト前にしっかり確認しておくこと。

まずは細かな凹凸を潰す方法を紹介する。とくに安物のヘッドフォンなどで、高域にコムフィルタのような谷があって金物の音などが「後ろに下がったように」聴こえることがあるが、そういった場合の対策になるだろう。スイープ信号というのは、一定の割合(何秒ごとに1オクターブとか)で音程が上がる(もしくは下がる)音声のことで、ここではサイン波スイープを使う。

サンプルファイルの中にピンクノイズと同じ勾配のサイン波スイープを用意した(sinesweep-3dbperoct.flac)。これを聴きながらf特の凹凸を探す。あまり音量が小さいと低音域と高音域が聴き取れないし、あまり大きな音量だと耳を痛めるので、ボリューム調整に気をつけること。スペアナつきのプレイヤーもしくはaudacityなどの波形分析機能つきソフトで分析してもよいのだが、周波数の変化が指数的に速まるため、高音域ほど実際よりも低いピークレベルが表示されてしまう(周波数変化をリニアにすれば避けられるが、ここでは耳で聴きながらのテストを優先した)。

20Hzから始まり180秒で周波数が10^3倍なので、ファイル開始後t秒の地点では20*10^[(t/180)*3]=20*10^(t/60)Hzと求められる(計算すると、0:15=35.566Hz、0:30=63.246Hz、0:45=112.47Hz、1:00=200Hz、1:15=355.66Hz、1:30=632.46Hz、1:45=1124.7Hz、2:00=2000Hz、2:15=3556.6Hz、2:30=6324.6Hz、2:45=11247Hz)。逆に、60秒で周波数が10倍になることから、ある周波数fはファイル開始後{log[10](f/20)}*60秒=log[10](f/20)分の時点に現れることになる。

だいたい、最初は空気のうねりのようなものかすかに(31.25Hzだと、音圧レベル50dB SPLでもギリギリ可聴音になる程度)聴こえ、1KHz(1:42)くらいまでは音量がだんだんと上がって、1KHzを過ぎてすぐわずかに音量が下がり、2KHz(2:00)くらいまでに持ち直して、3KHz(2:10)くらいをピークにフェードアウトするように小さくなり、10~12KHzくらい(2:45前後)でまた少し大きくなってから消えていくような感じが、一般的な聴こえ方だと思われる。ここで音量が暴れる(乱高下する)場所があれば、そこがf特の山もしくは谷になっているはずである(環境によっては、最初の方にチリチリしたノイズが乗るかもしれない:というか、筆者の環境では乗る)。また、サンプルファイルはモノラルなので常に正面から音が聴こえるはずだが、左右のスピーカでf特にばらつきがあると(サウンドカードやアンプが原因になっている場合もあるが)、右に行ったり左に行ったりするような聴こえ方になる(これが「定位がぼやける」原因なのだろう)。

あとは、聴こえ方がなめらかになるようにイコライザを調整してやればよい。18s=1octなので、10秒前後の範囲でひずみを補正するにはパラメトリックイコライザが必要だろう。パソコンに内蔵されていたり、サウンドカードのドライバにオマケでついてきたりすることもあるが、一般的なサウンドプレイヤーでパラメトリックイコライザ標準装備のものは見つからなかった。筆者は常用していないが、Frieveさんという方が公開しているFrieve Audioというソフト(無料/有料の2バージョンがある)にはパラメトリックイコライザが搭載されている(かなりトガった性格で決して万人向けのソフトではないが、DirectXの機能をとことん使い倒すには格好のソフトである)。

同様に1.5s=1halfstep=1/12octなので、もっと狭い範囲、たとえば3秒(2halfstep=0.133oct)の範囲で特性が乱れているような場合は、イコライザで補正するのが難しいと思う。定位の乱れは、左右のチャンネルに独立してイコライザをかけてやればある程度解決するだろう。サンプルレート44100Hzのファイルを(Waveに変換してから)CDに焼けば、購入前のオーディオ機器の評価にも使えるかもしれない。


ラウドネスについて

先ほども少し触れたが、音量が小さいと低音(と極端な高音)が聞き取りにくくなる。詳しい資料が産総研のサイトで公開されている(phonはある音の大きさが1KHzのサイン波何dB SPLに相当するかを示す単位)が、たとえば31.5Hzと1KHzの音がそれぞれ80phonで聴こえていたとして、両方の音圧を10db下げてやると、31.5Hzは60phon、1KHzは70phonになってしまう(31.5Hzの音量は1KHzと比べて2倍の幅で変化したように感じる)。逆に、両方の音圧を10db上げてやると、31.5Hzは100phon、1KHzは90phonになる。

ちょっと前だと、高級なオーディオにはこのギャップを補正するラウドネスボタンというスイッチがついていたのだが、最近はほとんど見ない。多分、原音と同じボリュームで聴けという暗黙の要請なのだろうが、だったらボリュームコントロールも排除してしまえばよさそうなものである。

デジタルオーディオなら、イコライザのプリセットを複数用意して音量別に切り替えれば、手動で補正してやることは可能(かなり泥臭い手法ではあるが)。音量によって自動的に補正をかけてくれるような再生ソフトもひょっとしたらあるのかもしれないが、筆者は聞いたことがない。


ラウドネスから逆算してイコライズする

先程はスイープ信号を用いて細かな凹凸を潰したが、今度はラウドネスを応用して全体的なバランスを取ってやる。イコライザも、1極あたり1オクターブ程度の大雑把な操作ができるものがよいだろう(サウンドプレイヤーに標準装備されているものがあればそれを使うのがラク)。

健常な人の最小可聴音である20μPa(実効値)を0dbとすると、ささやき声が30db、普通の会話が60db、チェーンソーや草刈り機を使用する場合で100db、いわゆる「爆音」と呼ばれる類のコンサートで120db、ジェットエンジンから30mの距離で150db、ロケットエンジンから30mの距離で180dbくらいらしいから、ここでは60phonをとりあげる(ちなみに、85db以上の騒音にさらされる場合は耳栓などの利用が推奨されている:耳栓なしで100dbなら1日2時間で耳に悪影響が出る可能性があるらしい)。

サンプルファイルの中に、ISO 226:2003 の等ラウドネス曲線で60phonに相当するものを用意した(laudness-60phon.flac)。最初に1KHzの音が入っているので、これが「普通の会話」くらいの音量になるようにして再生する。で、イコライザを使って各音が「同じ音量に聴こえる」ように調整すればよい。


諸注意

ノイズが問題になっている場合、たとえば、サウンドカードに直接ヘッドフォンをつないでみる、アンプのラインインにパソコン以外のものをつないでみる、ケーブルを取り替えてみるなどして、「どこが悪さをしているのか」を追求する。

初心者講座でも書いたが、マイクなど信号の弱いものはとくに、ケーブルの長さを必要最小限にする。テレビや電子レンジなど、強力な電磁波を発生させる機械を近くで動かさない。携帯電話も近くに置かない方が無難(吸い出し中に着信したりすると精神衛生上好ましくない)。

出力に限っては、wavファイルをCDに焼いて再生するという力技が使える。これだとノイズが入る余地が(CDプレーヤーから先は別にして)まったくないので、サウンドカードなどがどんなに貧弱でも問題にならない。パソコンの電源を落としてしまえば、電源やCPUのファンノイズからも開放される(マスタリングの最終段階では、この方法で音を確認しておくべきだと思う)。デジタルMTRなどを使って入力もデジタル化すれば、サウンドカード自体がなくても作業できてしまう(ないとすごく不便だろうが)。

聴覚の個人差(特に高音域:加齢による聴力低下も高音域から順に進む)は意外なほど大きく、16KHzくらいの音だと人によってはまったく聴き取れない。マスタリングの段階で、複数の人に試聴してもらって意見を聞いた方がよいだろう。




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