戦術のまとめ


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他の記事と重複する内容もあるが、まとめ的な内容を。なお、択一攻撃では「一番弱い選択肢の収支」が非常に重要であることを再確認しておいて欲しい(詳しくは択一ゲームの確率のページを参照)。カッチの攻めは、万全のパターンを目指すよりも、適度な「ぶれ」で相手の対応が乱れてくれた方がよい、と思う。



重要な技術と知識

保険ダッシュ、無限段ラッシュ、小ダウン100%投げ、地上当て投げの操作、遅ダッシュ起き攻めなどについては覚えておくべき情報のページに詳細な紹介や練習方法を示した。

放し投げ(Pボタンをあらかじめ押しておく>レバー6321>P放す)、空ショートダッシュ投げ(65(6)321>P押し>P放す)、受付時間延長(6321で投げコマンド完成後レバー4に入れると受付時間が延びる:6563214Pの入力で最後の14Pをゆっくり入れると長めのショートダッシュから着地投げできる)、2段投げ(ヒット確認なしの放し当て投げ>(場合によりレバー4で受付時間延長>)P押し)、ボタン押し2フレ連続投げ(ボタン押しコマンド投げ>1フレ後にボタン押しor放しとすると、投げ化けパンチが出る状況でも2回目の入力が有効になる:空中投げでも可能)、下小K当て前歩き投げ(2+小PorK>5632>1で微妙にタメ>タイミングよく4>全速で56>当て投げタイミングで小P+中P>次のフレームに大P)、表落ち裏落ち兼用投げ(前ジャンプ>4入れっぱ>632123>P)、保険ショートダッシュ攻撃(レバー65(6)321>小P+中P>着地投げタイミングで中P放す>コンボタイミングで地上技)、空中竜巻万能入力(レバー2から1436K:めくってもめくらなくても技が出る)、1段当てめくりJ大K(相手の肩に乗っかる格好で出すと表ガードできず、早めJ中Pキャンセル竜巻なら表ガードしかできない)、影縫いつきめくり飛び込み(J即小Kで影縫い、空中ガードされたら届かないJ小Pか届くJ中K:アッパー系の対空は空中ガード飛び込み>J中Por大Kの方がずっとスカしやすい)、いんちきアイスバーン(中Pを7~9フレームめにキャンセルまたは7フレームめに空キャンセルしてアイスバーン)、保険入力起き上がり下小K(大ダウンからレバー63212>小K+中P:打撃を重ねられても2フレ目押しで空中くらいになる)、1フレ前倒し下小K(大ダウンの起き上がりにレバー2+小Kだと1フレ早く入力を受け付ける)、通常投げ>受身あり前提ショートダッシュ(受身なしだと硬直が延びダッシュが不発になるので反応追い討ち)、ショートダッシュ飛び越え(8フレ止め以上のダッシュからK技の空振りダイエットで飛び越える:D大Kを使うとめくり当ても狙える)、垂直J割り込み中P(ギリギリ届かない垂直J攻撃を出している相手の着地少し前に中P:くらい判定が膨れた瞬間相手が着地している形を狙い、相手の地上行動に最大4(連続ジャンプには3)フレ先行できる)、連続ダッシュ(いろいろあるが、食った後なら353(5)>1235>6小Kがオススメ)、遅ダッシュ起き攻め(追い討ち後10~11フレ後にダッシュして、13~14フレ止めを決め打ちor相手が動いたら反応止め)といった特殊操作に十分習熟しておこう。

練習が必要なものだけでなく、使い方を心得ていることが重要な技もある。投げ無効ディレイ小足(下小Kは投げられ判定がなくなるので、密着でも投げをもらうことなくディレイをかけられる)、着地投げ(ジャンプやダッシュの着地に地上の相手と投げ合うと1フレ有利になる)、ロングダッシュ暴れ(最速攻撃力発生9フレ、2フレで低く(バックダッシュだとわずかに高く)浮き、5フレでダッシュ小技(とくに小K)のモーションに入ると下半身のくらい判定がさらに小さくなり、投げと同時だとすかりポーズを誘発でき、ガードや大小ダウンからのリバーサルで出すと打撃を地上でもらうことがなく、D小Kなら開幕間合いでもデミモリ以外の立ちガードポーズに最速ヒットするくらい長い)、同時押し投げ返し(6321>P+小K同時押しで、浮くダッシュを落としたりジャンプラッシュの下を潜ったりする)、投げ仕込みダッシュ暴れ(65>6+中P>ダッシュ技:63215>4+Pでもよいが、最後が1になるとタワーが暴発する)、立ちKでの下段すかし(時間別に小or中Kですかせる範囲を考えると、1~2フレめはどちらもすかせず、3~4フレめは中Kだけ少し引っ込み、5フレめに小Kが大きく引っ込み、6フレめに中Kもそれなりに引っ込む:小Kの方が微妙に高いところまで引っ込む)、中距離ロングダッシュ攻撃引き付け当て(技の発生と同時に届くように出すとバリア技を抜けやすい)、遠距離ダッシュダイエット(D小KやD大Pを早めに出して相手の技を避けながら攻撃する)などについて理解しておく。カッチは横幅が極端に太くノーマルガードリバーサルに仕切り直し性能がなくESガードリバーサルはガードされると終わるため、下小K・前後ロングダッシュによる暴れや、期待ダメージが大きい放し投げ返しなどを活用しないとラッシュが返らないキャラがいる。

3フレ有利(下小Pガード後)なら「普通の小技」では最速ダッシュ小技を止められないということを覚えておきたい。操作の都合もあるのでできれば4~5フレくらい有利フレームが欲しいのだが、下小Kor中Pヒット後が4フレ、下小Pヒット後が5フレ有利になっている(とくに下小Pは、隙が少なく先端を当ててもD小Pが最速ヒットする間合いを保てるので使いやすい)。ジャンプに対しても、3フレ先行すればダッシュ小技空中ヒット、4フレ先行すれば地上ヒットが確定する(空中ガードされた場合は、遠ければD中K、近ければD小Pにつなぐのが理想だが、D小Pがギリギリ届かず相手が動けば引っかかる状況もけっこうお得なので、下小PガードからならD小K>D小Pの決め打ちでもよい:割り込めない最速繋ぎ、最後まで空中ガードしてもオツリが入らない遅め繋ぎ、変な当たり方が多い2or3段め(D中Pを使うとより不可解な軌道になる)キャンセル竜巻を、適当に混ぜる)。下小P>ショートダッシュがジャンプ逃げの対策にもなる(垂直Jに潜ってのタワーは、早めに出せばビシャJ大Kにも相打ち以上を取れる)ことを有効利用したい。下小P>チェーン下大Kの場合、レバー下要素から2フレ幅の目レバーでジャンプすると、下大Kをガードしつつ最速で離陸できる(が、人間の入力なら万全な対策にはならない)。その他の連携として最速D小Pから、即出し即繋ぎの中P>キャンセルorノーキャンセル竜巻or着地投げ(D中Pの後相手の方が先に動けるが、暴れると竜巻に引っ掛かる)、ガード時ギリギリ割り込まれないタイミングの中P>キャンセル竜巻(しっかり遅らせるとしゃがみくらいにも竜巻がコンボになりやすく、D中Pガード後は相手の方が先に動けて投げ返しも封じられないが、着地投げが選択肢になる:D中Pがスカりにくい比較的遠距離で有効)、ギリギリ割り込まれないタイミングの大K(早いとガード時に有利フレームが取れず遅いと割り込まれるため入力がシビアだが、ヒット時に密着で有利フレームを取れる)あたりはたまに思い出してみるとよいだろう。

小ダウンからの100%投げを狙える状況は多くないが、通常投げ受身ありからのチャンスは絶対逃すべきでない(ダッシュがちょい長になるので、6563214Pか65646321Pか迷うところだが、ちゃんと操作できるなら後者の方がよさそう)。特殊入力はいろいろあるが、ひとまずベストタイミング着地を狙って2ボタン放し(先に放す方が本命で、もうひとつが保険)ができるようになるのが先決だと思う。ショートダッシュ打撃を当ててからの投げは、前に歩かないと1フレ投げできないし、ヒット/ガードでタイミングが変わるため、打撃コンボをファーストチョイスにした方がよさそう(相手がジャンプしないなら、ダッシュ攻撃を当てずに直接投げりゃいいんだから)。あえて投げる場合、前歩きコマンド投げを仕込めるならそれがベストだろうが、たんに着地キャンセル前歩きからコマンドor通常投げでもよい(タワーが暴発しないよう、ショートダッシュは3531で出す)。



中距離ダッシュラッシュの概要

カッチの攻撃力を最大に発揮できる間合いはどこか、と考えるとやはり、ダッシュ投げと長短ダッシュの両方が狙える距離=下小Pカス当て~下大Kがしっかり当たるくらいだろう。この間合いで有利フレームを持って攻め込む回数が増えれば、自然とダメージを積めるはずである。そのためにもっとも有用なのがショートダッシュ攻撃で、ガードさせただけでも無限段ラッシュ(完全決め打ちのモドキでも効果はある)を開始できるため、カッチの中距離戦はショートダッシュを自由に出せるかどうかで激変する(ここではある程度の精度で狙って出せる前提で話を進める)。ショートダッシュを落とされないようにと考えると、相手の地上技間合いの外(キャラにより開幕前後~やや遠)から仕掛けるのが有望で、保険ダッシュ4段の有効間合いとほぼ重なっており、できるだけ近く(理想は引き付けなくてもD小Kでバリアを抜けられる間合い)を拠点にできれば、より厳しく攻められる。この間合いでの選択肢は、主力である最短最速SD小Kと保険ダッシュ4段のほかに、単発ダッシュ投げとやや長SD中KとロングD即小Pがある。

開幕前後~やや遠でのSD小Kは、コマンド先行入力の無敵技や王様の下大Pも含めすべての反応行動に落とされない(最短最速なら大デモグレでダッシュの最初の絵から4フレ反応、見てからガードするだけでも7フレ反応が必要)。SD小K先端当ての次の行動は(距離的に)ほぼ即ダッシュに限られるため、保険入力などを準備しておく必要はなく、最短or1フレロス=4~5フレ止めのダッシュ攻撃を出すことに集中できる(もしダッシュ攻撃が不発になってしまっても、次の行動をぶっ放してしまう:この辺のブレやアバウトさは、カッチの中距離ダッシュラッシュの味わいと嫌らしさを作る源になる)。2回めダッシュからの分岐は複数あり、コンボロングD小Pは35>321小K>235>6>小P、やや遅ロングD小Pは35>321小K>235>6>微妙に待つ>小P(ダッシュ自体は最速狙い)、SD小K>SD小Pは35>321小K>235>654小P(他にもありえるが着地後なにかと便利なのがこれ)、連続ダッシュ投げは35>321小K>235>6>321>中P大P押す4>Pずらして放す(連続ダッシュが最速なら6or7フレ止めがベストタイミングで、空中にいるうちに受付が切れるため雪吐き暴発は考慮しなくてよい)。これらはすべてSD小K>即ダッシュという入力で始まるため、SD小K>ロングD即小Pを用意>ガードなら小P遅らせるという方法で、ロングダッシュぶっ放しのリスクを軽減できる(上手くいかないときは、小Pのずらし2連打を用意して、ガード確認で1発目を空振りしてもよい:文字だと伝えにくいが、手首の回転で中指>人差し指と連打する)。もし余裕があれば、SD小K>連続ダッシュ投げを用意>ヒットなら変なタイミングの長短ダッシュ攻撃or着地投げ(放し投げ仕込みのP押しをダッシュ攻撃に化けさせてもよい)もあり得る。

単発ダッシュ投げはvsモリ開幕間合いでダッシュ入力17フレ後のボタン(=7フレ止めダッシュ)が最速入力なので、ダッシュの最初の絵から9フレ反応すれば発生7の打撃で割り込める(ジャンプなら1フレ猶予が伸びるが、カッチの中距離ダッシュに反応ジャンプというのはあまり現実的でない)。ダッシュしたら相手がすでにジャンプしていた場合にけっこう得だし、ダッシュ攻撃初段へのガードリバーサル狙いからも大ダメージを取れる。入力は普通に356321P押す4P放す(ボタン押しタイミングはどこでも構わない)でよく、分岐もとくにないのでジャンプやダッシュで逃げる相手への追撃に備える。バックジャンプorダッシュは無理に追わなくてよいが、垂直Jにはタワー(レバー3563の時点で一度受付が切れているため、全コマンド入力になる)か下中K、飛び越える前Jには小PorKで、できる限り小ダウン起き攻めに持ち込む。投げ自体のリターンの大きさもさることながら、相手の行動を制限する効果が高い。移動用のごく短いショートダッシュに(相手の前歩きなどに備えて)投げを仕込む場合は、656321入力(最初の前要素を6)にしておかないと、わずかではあるがタワー暴発の可能性がある(656321ダッシュからの着地後は52Pでタワーが出る)。

出てすぐ届くSD攻撃には時間的な余裕が少しあるので、それをディレイ=微妙に長めand深めダッシュに回し、高さを活かしてダッシュ中技を使うという手段も得られる。ディレイの程度は、最短最速SD小Kよりも少しだけ長いくらい(6~7フレ止め=見てからではちょうど止まらない早さ)が基本で、ダッシュ攻撃の低め当ては狙わず、ヒット確認から中Pキャンセル氷足が効果的(4割くらい減る:ガード確認からはいんちきアイスバーンを出せれば最高だが、欲張り過ぎない方が無難)。ほんの数フレのずらしでも、これがあるだけで相手の対応を不安定にさせられる。もっと大きなディレイもかけたいところなのだが、相手のしゃがみ技暴れに引っかかってもアホらしいので、ほどほどにしておく。連続ダッシュに対する暴れ行動の大半を引っ掛けつつSD中Kヒット時のリターンもそこそこなので、ここにつぎ込むゲージがあれば攻撃力をかなり上げられる(ゲージ戦略やロングダッシュガード時のリスクを考慮して、ロングD即小Pとの配分を変える)。凝った対応をする相手にはとくに有効で、SD中Kガードなら仕切り直しだが、カッチが一番得意な間合いで有利フレームを握っているのだから文句はないはず。

中距離ロングD即小P(遠いとダッシュ4段はものすごく早繋ぎになるのでD小P>D小K>D中Pの3段が無難)は攻撃的なずらしで、ダッシュの最初の絵から5フレでジャンプしないと地上ヒットになる(見てから落とせるのは王様くらい:D小Kと違いガードなら反応で間に合う)。ダッシュ投げとロングD即小Pの両方に対応できる反応行動はコマンド先行入力の無敵技だけで、投げなら7割、D小P立ちくらいでも5割は減る。この二択だけでもけっこうなものだが、ロングD即小Pからはヒット確認がけっこう大変で、立ちくらいに14フレ以内の小K、しゃがみくらいに13フレ以内の中Pキャンセル竜巻(ヒットしていればデミモリにも割り込まれないが、ダッシュ間合いの限界まで遠いと竜巻がスカることはあるので、下小Kか微妙に待ってからの投げを保険入力しておく)を用意しなければならない。竜巻の安全当ては有利フレームが長く、ダッシュ投げを重ねても長短ダッシュ打撃を重ねてもめくりジャンプしてもよいため、確定ダメージは少ないがそれなりにお得。ロングD即小Pを立ちガードされると、デミ・モリには確定で落とされ、ビシャやフォボスあたりなら(初段でガードリバーサルされない限り)カッチ有利のまま攻め続けられる。相手が「見てからは動かない」前提なら、ロングダッシュから遅めD小P(最速だと中段としての有用性が落ちる)も選択肢になり、相手キャラによっては初段にディレイがかかった状況で押し込める。

保険ダッシュは(重要ではあるが)補助的な選択肢で、この間合いで立ち技(レイレイ・ザベ以外)を刈り取るために使ったり、中技のスカりや垂直Jの着地にロングD小Kを狙うとき文字通り保険で入力しておいたり、飛び道具でダイエットするフォボスを追いかけたり(モリもダイエットはできるが幅が小さいので気にしなくてよい)、D小Kを短小Pで落とせないビシャ(ちょっと特殊だが条件が合えばモリも)に嫌がらせでぶっ放したり、といったところだろうか。効果としては相手の行動の制限が主になると考えてよいだろう(即出しなら見てからのガードも間に合わないので、相手は前に歩くのにもリスクがある:ダッシュの最初の絵から4フレ反応が必要で、人間にはまったくムリ)。連続ショートダッシュからの攻めは次の項で紹介する。



相手の対応と連続ダッシュ

ラッシュの起点がSD小K、裏に単発ダッシュ投げとロングD即小Pがあり、SD小Kから先は即ダッシュ入力までが共通で、連続ダッシュ投げ、無限段ラッシュ、コンボロングD小P、やや遅ロングD小Pに分岐できる、というところから話を再開しよう。相手としても、開幕~やや遠のダッシュが見えてからだと対抗策が限られてしまうので、予防的な行動をまず取るはずである。ジャンプかダッシュか速い歩きで間合いを外しておく、あらかじめ空中にいる、置き技で落とす、連打技をバリアにする、といったところか。相手のヤケクソ飛び込みについては、下大Pも使えるしタワーも強い(早出しすればビシャのJ大Kでも一方的に落とせる)間合いだが、相手も空中で変化したい距離なので、下中K対空(脆さはあるがタイミングを散らせるし、一方的に落としたときダッシュ投げが間に合う)を混ぜるなどして相手のリスクを大きくしたい。相手の中大技空振りにも、適切なオツリ(確定ダメージはなくても落とせないダッシュを出せるなら十分お得)を入れられれば、それだけ動きを制限できる。

上記以外にも、カッチ・魚ならヤケクソ前ダッシュとか、フォボスならミサイル(ダイエットが大きく開幕やや近まで寄らないとSD小Kが届かない:ロングD小Pでも飛び込みでも潰せるけど)とか、レイレイ・ザベ・デミならバリア技連打とか、犬なら単にしゃがみ待ちとか、ザベ・猫・王様・ビシャ・ドノ・レイレイ・ビクトルあたりなら長い技のぶっ放しとか、王様・フォボス・パイロン・ビシャならとにかく(垂直orバック)ジャンプとか、さっさと動いて何とかする選択肢がたいていのキャラにあるので、暴れた相手から陣地なりダメージなりを取ることを第一に、相手に隙を作ってからダッシュするつもりだと採算がよくなるだろう(間合いに入るや否やの即ダッシュも、それはそれで返しにくいけど)。相手キャラによるが、保険ダッシュをある程度見せて、立ち技を振りにくくさせておくことも必要だろう。

こちらが先制でダッシュできたときの相手の対応は、反応しゃがみ技暴れ(ダッシュ攻撃は長短とも刺さるが、投げは入らず最大ダメージが小さい:モリのみ強制で立ちくらい)、反応立ち技暴れ(ダッシュ投げならギリギリ落とせるタイミングで、SD小Kならガードに化け、SD中KとロングD即小Pは立ちくらい)、気合で立ちガード(投げが入るがロングD攻撃をガードすれば反撃可能)といったところで、カッチの側から見ると、ダメージが大きいが決まりにくく落とされやすいダッシュ投げ、一発狙えるが不安定なロングD即小P、ローリスクにずらせるがゲージがないと迫力に欠けるSD中K、安定できるが投げを抜けつつのガードを許すSD小Kと、とても微妙な選択になる。やはりポイントは、安定選択肢であるSD小Kを「ガードしたけりゃどうぞ」で使えるかどうか=連続ダッシュからの攻めと、初段の散らし方次第だと思う。

SD小K>ヒットならコンボロングD小Porガードならやや遅小Pは、択一の軸となる重要な選択肢で、立ちガード(orレバー4で放し投げ)と無敵リバーサルぶっ放し以外には負けず、しゃがみ暴れ(小技同時押し投げ返し)からはそこそこ、一瞬で浮く行動からもいくらかはダメージを取れる。これをフォローするのがSD小K>SD小Pで、立ちガードにはラッシュ継続、無敵リバーサルからは大ダメージ、一瞬で浮く行動からは小ダウンか地上ヒットを取りつつ、2段めへのガードリバーサルを無効化しておくことでぶっ放しのロングD小Pの安全性が高まる効果がある。SD小Kでのヒット確認は取らずに、ダッシュ入力が終わってから変化するのがポイント(反応分岐を妥協したときの半端なショートダッシュを落とされにくくするためなので、もしできるならヒット確認して悪いわけではない)。連続ダッシュ投げは安定行動の裏になっており、一発狙いができる。ダッシュの止め方により、投げ返されるが発生7の小技を吸い込めるタイミングか、発生7の小技で潰されるが投げ返しは吸い込めるタイミングか、その真ん中1フレームにある投げ返しも小技割り込みもできないベストタイミングのどれかで着地する(狙って調整するのは不可能なので、常に真ん中狙いでよい:レバー入れっぱなしジャンプに対して投げスカりが出るのはベストタイミングのときだけなので、バラけた方がかえって安全性が高い)。コンボロングD小Pからは、しゃがみくらいに高速中段ダッシュ(座高が高いキャラにはD小P>ギリギリコンボD中P>キャンセル竜巻>ごく短いショートダッシュ(レバー56567)でめくり直し>追い討ちが入って4割くらい減り、反応もラクになる)、立ちくらいにはダッシュ4段が理想だが高速中段ダッシュでもやむなし(裏に落ちるので普通に追い討ちすれば広い方に戻れる)。

遅ロングD小Pと連続ダッシュ投げの単純二択だけでも相手の対抗策は限られており、レバー4で放し投げ(ベストタイミングor遅め着地投げで吸い込める)、しゃがみ小技同時押し投げ(ベストタイミングの着地投げとロングD攻撃で潰せる)、無敵リバーサルぶっ放し(ベストタイミングor早め着地投げならガード)、一瞬で浮く行動(ロングD攻撃で空中くらい)あたり。対策のないキャラには効率押しできるのだが、しゃがみ小技同時押し投げからのリターンはそう大きくならず(モリはキャラ特性で立ちくらいになるので例外)、D小Pをガードされるとさすがに有利ではない(キャラによっては不利にもならないけど)。単純二択は「余裕がなくても最低限これだけは押し付けられる」パターン(ダッシュ攻撃もダッシュ投げも最速操作は要求されないので最初に習得するダッシュラッシュとしても適する)として持っておき、自分と相手の両方に余裕があるときは少しじっくり攻めてもよいと思う(相手に余裕がないならシンプルな選択肢で迫ってもそれなりに効果的だし、自分に余裕がなくて相手に余裕があるときはムリに攻めない方がよい)。

開幕前後~やや遠からの中距離ダッシュについていったんまとめておこう。暴れからのダメージor陣地取りを背景に、SD小Kを当てるのがラッシュの起点、その裏に一発狙いと相手の行動制限を兼ねた単発ダッシュ投げと保険ダッシュ4段、さらにフォローとしてSD中KとロングD即小Pによるずらしがある。SD小Kからは、確定ダメージを拾うコンボロングD小P、そこから派生するやや遅ロングD小P、フォローとして無限段ラッシュ、一発狙いのダッシュ投げとカードが揃っている。操作が忙しく攻める側にとってもミスはつきものだが、それを返しにくさに変える工夫をすることで、守る側にとっても安定できないラッシュにする。



無限段ラッシュにオマケをつける

基礎知識として、表落ちしたときの距離はおおむね、深い通常飛び込み(全キャラ1フレ投げ間合い)<ダッシュ攻撃めり込み(フォボスと王様以外1フレ投げ間合い)<<空中竜巻前蹴り当て(ダッシュ攻撃からの高め当てでなければ大きく離れる)になっているので覚えておきたい。少し高めに当てたときの距離の詰まり方は、SD攻撃が大きく飛び込みは普通(横の速さに依存:カッチの飛び込みは着地際でもそれなりの横速度がある)。本当にギリギリ遠い間合いから最短最速の操作(=無限段になる精度)でSD小K>SD小Pをガードさせると、フォボスのみ8フレ投げも届かない間合いになり、普通のキャラに普通の距離から普通に操作するとだいたい1フレ投げ間合いに着地する(操作がルーズな方が距離が詰まる)。D攻撃のヒット確認は、ヒットマークから14フレめ入力が最後の小技コンボタイミング、23フレめ入力が最速当て投げタイミング。

直接打撃でダメージを稼ぐなら、D攻撃>ヒット確認>中P>キャンセル氷足がある。距離が遠いときはD攻撃のあと着地キャンセル前歩きを決め打ちしておき、ヒットが確認(中攻撃なので13フレ反応)から中Pを押すと、SD中Kのギリギリ先端当てからでも(最適操作なら)届く。ゲージを使うし入力が大変(ダッシュ入力は353でも656でもよいが、タワー化けを避けるため1で止めて5を通さず3(=656123とか353123とか)が必要、氷足のためにレバー6で中Pを押したらすぐ23、ダッシュ攻撃が低く当たっていないと歩く時間を稼げない)ではあるのだが、開幕やや遠からSD攻撃一発で4割減らす威力は大きな魅力。めり込ませればSD小攻撃>しゃがみ4段>ES追い打ちがモリにも届き、めり込みSD中攻撃>立ち4段>ES追い打ちなら普通のキャラを2セットKOできる(ビシャにはその場から届くが、着地キャンセル前歩きを仕込まないとビクトルには届かない)。完璧操作でギリギリまで歩けばいちおうモリ立ちくらいにも入るが、SD中Pガードから初段にガードリバーサルをかけられたときにガードできなくなる(vsモリに限っていえば、SD小P>レバー1で微妙に遅め下小K>しゃがみ4段の方がずっと採算がよい:立ち4段ならピッタリKOできるときを除く)。いづれにしても、追い打ちに使えるゲージがあって確実に間に合うなら、見切れない中段から高い火力を発揮できる。

ガード確認が取れた時は投げを選択肢に含めたい。着地キャンセルでレバー3が入るため暴発対策が必要で、35321>小P+中P>急いで23>3のまま>6で歩く>ガード確認>急いで321>P放すが有望か。ダッシュが656入力なら、6564>小P+中P>急いで563>3のまま>6で歩く>ガード確認>急いで321>P放すの方が楽かもしれない。ジャイアントスイングでいいなら、SD小P(353入力でも656入力でも可だがダッシュはレバー4で止めるのが無難)の後ゆっくり4から236と回して36の部分で着地キャンセル前歩き、相手の投げ無敵が切れるのに合わせて9>Kで、かなりの距離を歩いて前歩き当て投げできる(食いコンボがおかしいだけで、ジャイアントスイングも小中下大ノーマル追い打ちのチェーンと同じくらいは減る:もちろん、K投げでKOできるなら食ってオーバーキルする必要はなく、最後の1発としても有用)。SD小Pが間違いなく届くくらいの距離なら1フレ投げになるはずで、操作さえ最適ならvsモリの立ちでも、SD中Kギリギリ先端当て>最短最速SD小P>着地キャンセル前歩き>ジャイアントスイングを1フレ投げで入れられる(Kボタンはレバー9と同時~4フレ遅れまでOKなので、相手の投げ無敵が長いSD小攻撃ガード後の状況と相性がよい)。着地キャンセル前歩きの決め打ちは相手のガードリバーサルによってはリスクになるが、SD小Pがヒットしていたときに反応で小K>中P>下大Kあたりに切り替えられるのがメリット(前歩きが入っているので、けっこういいコンボが届く:ガード確認からも、あえて遅めに打撃を被せるとか、短い前歩きを見せてすぐ後退するとか、連続ダッシュで突っ込んでしまうよりも変化をつけやすい)。

ともあれ、SD小K>ダッシュ投げが裏にあるだけに、SD小K>SD小Pは非常に返しにくい(それでなくても、最速入力ならコンボになるタイミングなのだし)。一瞬で浮く行動がないキャラもジャンプでなら投げ抜けできるがSD小Pが地上ヒットで間に合い、もし浮いたとしても小ダウン、無敵リバーサルもガードできる。相手に備えがある前提の選択肢なので、まずはヒット確認をしっかりやって、小ダウンには起き攻め、無敵技ガードには痛いオツリを入れておきたい。ここさえ安定すれば、SD小K>ロングダッシュとSD小K>ダッシュ投げの収支も改善する。ガード確認から攻めを継続できればさらに、相手にとって暴れないメリットが小さくなるわけで、より確実にダメージを積むことが可能になる。

2段めであるSD小Pを当てた後、ガードリバーサルが早いキャラ(とくにデミ・モリ・ビシャ)にはレバー4で着地>6を決め打ちして、ヒットしていたら反応小K(小Kになるはず)、ガードだったら321まで回してP放すという入力をベースにする。短い前歩きが入るのでほぼ1フレ投げになってくれるし、SD小Pへの割り込みはレバー4待機でガード、ガードリバーサルは影縫い化けでガード、普通のリバーサルにはレバー1のガードが間に合う。この間合いでのしゃがみ4段は届かないことがあり、下小K以外の小技から開始するなら小K>中P>下大PorKでないと安定しない(けっこう距離を押しているはずなので小ダウンがおいしいことも多い)。裏になるのはレバー4でヒット確認からそのまま後ろ歩き>レバー1とする選択肢で、相手のコマンド投げが投げスカりになるだけでなく、無敵技のぶっ放しも無効化できる。ヒット確認に余裕ができるので、必ず届くわけではないがしゃがみ4段も狙える。打撃で刻むならちょっと面白いのが下小Pで、後の項で詳しく触れる。どの行動もダッシュの着地硬直をキャンセルしないので、相手が反応で見極めるのはほぼ不可能。

前歩き投げの裏として見ると、通常投げ返しと空中逃げには対処しにくいが大損もしない後ろ歩きと、最大リターンが小さくガードリバーサルで切られ放し投げされると面倒な下小Pという比較になる(つまり、後ろ歩きが当て投げのフォローで、下小Pが後ろ歩きのフォロー)。また、SD小Pガードでもどうせコンボタイミングの下小Pを出す場合には、ヒット確認をする必要がなくなる。これらを考え合わせると、ガード確認から当て投げorヒット確認から3段、ガード確認から後ろ歩きorヒット確認からしゃがみ4段(遠ければ3段)、ヒット確認なしでギリギリコンボ下小Pくらいで択一を構成することになる(配分は相手キャラに依存)。相手の選択肢でいちばん安定するのはやはり放し投げ(ビシャ以外)で、これに対するアンチが後ろ歩きだから、使いこなしのポイントになるだろう。投げスカりを確認したら、全キャラにダッシュ4段からのコンボが入る(後ろ歩きで距離が取れるうえ確定立ちくらいなので、犬にもスカらないし反応も余裕のはず)。

地上打撃のリターンが(投げやダッシュ4段と比べてしまうとさすがに)小さいのは止むを得ないところで、相手がデミ・ビク・王様・ビシャ・魚・ドノ・カッチ・フォボス・パイロンなら通常投げにもジャンプ逃げにもダッシュ4段が入るのだが、決め打ちでないと入力できずSD小Pへのガードリバーサルをもらう。SD小K>SD小P自体がSD小K>ロングダッシュor投げのフォローであることを考えると本末転倒だろう(決め打ち勝負に出るなら、最初のダッシュで狙うべき)。同じ理由からSD小K>SD小P>ダッシュ投げというのもうまみがない。ガードリバーサルが遅い猫・魚にはSD小K>前ジャンプ、後退せずにガードを仕込めないザベ・フォボスにはSD小K>SD小P>前ジャンプ空中ガードも使って対応を振っておいた方がよい(犬・レイレイはしゃがみでSD小Kをスカせるので、開幕前後からのショートダッシュ自体があまり有効でない)。カッチ・ザベ・ドノ・ビクトルはガードリバーサルの発生が半端で面倒(同キャラはお互い様だし、ドノとビクトルはムキになって追わなくてもいいし、ザベには前ジャンプがある)。



短い有利フレームから繋ぐ

SD小K>SD小P>地上打撃がガードされたということは、相手が投げのリスクを(単発ダッシュ>投げ、連続ダッシュ>投げ、連続ダッシュ攻撃>歩き当て投げと3回)潜り抜けたということで切り返されても文句が言えない状況ではあるのだが、カッチはまだ頑張れる。

デミ・モリ・ビシャ・パイロンは近距離下小Pをガードリバーサルで切れるが、後ろ歩きで暴発を誘えば終わるキャラばかりだし、リバーサルタイミングより前にボタンを押す暴発なし入力は投げを抜けられずギリギリコンボタイミング打撃も切れない選択肢なので、切られたら読み負けと割り切って構わない。カッチ同キャラだと下小P以外の小技を切られるので、投げをもらうほどのディレイを入れるとき以外は下小Pでよい(遠ければ切らせて有利フレームをもらってもよいが、4発当たるとさすがに痛い)。ドノ・ビクトルには小技を切られないうえガードリバーサルをガードできるとほぼ終わり、ザベにもそれなりに痛いオツリが入る。これらのキャラにとって、SD小K>SD小Pの後地上打撃の初段にガードリバーサルをかけるのはハイリスクなので、2段目のタイミングをバラしてやると地上固めがしやすくなる。

相手のガードリバーサルが遅ければ小技からの飛び込みも可能で、レイレイなら小K以外>前J>空中ガード>J大P、猫なら下小K>垂直J小P>空中でもう1段>地上コンボorロングDコンボ(小Pが2フレ目押し:前J大Kからもコンボが入らないではないが操作が難しい)、魚なら下小P>垂直J小P>空中でもう1段>地上コンボorロングD攻撃(下小Pからでないと空中で引っかかる:空中ガードからJ大Pでもいいけど)が入る。前ジャンプが通常の攻め込みを兼ねるレイレイはいいとして、魚には近ければ前J大K(ガードリバーサルに飛んでもガードが間に合うが攻め続けられはする)遠ければ前J大P(1フレ目押しに成功すれば、前J頂点中Pキャンセル竜巻という無駄に難しい返し方もある)の方が無難で、猫に飛び込んで相手が動いていないと落とされやすい。これらのキャラ(と王様とフォボスと犬)には後ろ歩きのリターンが小さくなる(依然として必要な選択肢ではあるけど)。

1フレ投げ間合い前後から小技を1発当てるとちょうどめくり飛び込みの最適間合いで、ここでの選択肢の広さを考えると、SD小K>SD小Pの後はやはり下小Pがよい(下小Kは下段だが、ヒット期待で出してもどうせ地上コンボが安い)。単発下小P(さらに刻んでもいいしめくり飛び込みも狙える)、チェーン下小K(ガードなら下小Pカス当て間合い周辺、下小Kにガードリバーサルノーマルシャドブレだとギリギリ届かない:デモグレとキエンとESシャドブレは届く)、目押しキャンセル下小P(ディレイになるし、頑張れば初段でのヒット確認もできる:フォボスとビシャ以外は2段目をガードリバーサルで切れない)、キャンセル雪吐き(これもディレイでガードだと開幕前後の間合いに戻る:雪へのガードリバーサルは、ノーマルシャドブレなら届かない)と選択肢が多い。とくに目押しキャンセルは、ヒット時に有利フレーム5を握ってのダッシュ間合い(vsビシャなんかだと考慮に値する)と確定の下大PorKチェーンを選べる。中距離ダッシュ直後のような、択数を絞ってダメージ効率を上げる攻め方ではなく、選択肢を広く持って相手が対応しきれない攻め方を目指す。

下小P先端当て間合いでは、もちろん下小Pを当てて近めダッシュ間合いを作るのがメインになるものの、下中P(判定が強くシャドブレも一方的に潰せるタイミングが長い)を当てて開幕間合いに戻してもよいし、自分からショートバックダッシュするような選択肢もある。下小P先端当てガードの後は基本通り、高速中段ダッシュと逆保険ダッシュ、ダッシュ投げ、微妙な前歩き>中P、チェーン下大Kぶっ放しあたりを背景に、ショートバックダッシュや後ろ歩きで開幕間合いに戻る動きを多めに混ぜ、相手を「動けば動くだけ損だけど黙っているとまたラッシュされる」状況に追い込むのが理想。下小Pが当たったときはリターンが増えるので、相手キャラや状況によっては強引に出るのも一案だろう。結局話が振り出しに戻るのではあるが、開幕~やや遠ダッシュからのラッシュに迫力があれば、半端に近い間合いでも「後ろに歩くだけで相手から動かざるを得ない状況」「ただしゃがみ待ちして相手が下がっただけで得できる状況」を作れるだけでなく、各場面で安定選択肢のリターンが再帰的に上昇して、全体の効率が上がる。

ダッシュした直後に比べると大ダメージを取れる分岐が限られるし、これさえやっておけば大丈夫という安定行動もなくなるものの、近めの距離で有利フレームを握っている状況が悪いわけはない。デミ・モリ以外には先出し打撃(地上打撃を使うのが無難だが、相手がデミ・ビク・王様・ビシャ・魚・ドノ・カッチ・フォボス・パイロンなら尻掛けダッシュのぶっ放しもあり得る)とダッシュ投げの択一が常に可能だし、モリについてはノーマルガードリバーサルが意外なほど機能しない(ESでぶっ放されたらまあしゃあないだろうし、デミの守りが堅いのもそういうキャラだからしょうがない)。地上打撃の最大リターンが小さくなっているので、単発で有利フレームを取れる行動(=下小Pと中P)を有効活用したい。



守備面の概要

カッチのノーマルガードリバーサルは発生が8フレとやや早い。このため有利フレーム2以下の小技を切れるが、有利フレーム4以上の技にガードリバーサルをかけたとき、相手がガード入力でベストタイミングより遅く(実用上は1~3フレ先行で)地上技を出すと化けガードされてしまう。またノーマルガードリバーサルが地上ヒットすると、4ヒットでも相手に有利フレームがあり、3ヒット以下だと確定オツリをもらうことがある。ESガードリバーサルは1フレ以下先行のガード入力打撃でなければガード化けせず、当たれば氷大ダウンを取れるが、ガードされると終わる。カッチの泣き所ではあるがそれでも、ガードリバーサルをケチりすぎては勝てないので、相手がキャンセル必殺技や決め打ちダッシュなどを出すところを狙いたい(ESにするかどうかは状況による)。

ジャンプラッシュも苦手。空中の相手を落とす手段は、下大P(遅くて隙膨大)・大P(短いし隙膨大:2段目はあまりにも遅い)・下中K(特定の位置関係かついいタイミングでしか強くない)・中K(立ち技なのに遅いし判定弱い)・下小K(浮くダッシュは止まるがジャンプ攻撃に弱い)・小P(くらい判定大きい)・小K(短い)・タワー(入力大変で外すと終わる)といったところ。この中でやりくりするとしたら、やはりリターンが大きい下中K(高めで一方的に落とせば小ダウンにダッシュ投げを重ねられる)or小Kの活用と、タワーが外れない状況をいかに見極められるかというのがポイントになるだろう。同じ中段ラッシュでもモリ・カッチのダッシュラッシュには、下小Kやリバーサルダッシュで暴れられるのが大きく、意外と耐えられる。縦押しラッシュに対してもダッシュ割り込みは重要で、投げ返しの威力が大きいことや下小K割り込みが投げに勝てることをしっかり活用すれば終わっている状況にはなりにくい。

カッチは投げ返しの威力がとんでもないキャラではあるが、近距離での当て投げを見てから返すことはできない(どんなキャラでも人間が操作している限りムリ)。投げ返し(モリ・ザベ・パイロン・フォボス以外には間合い負けしない:デミ・ドノ(とおそらく魚)には通常投げが1ドット投げ負けるが、コマンド投げなら互角になる)、下小K(一方的1フレ投げ間合いから放し投げ>ガードリバーサルとやられるとモリ・フォボス・パイロンには返される)、バックダッシュ(ショートダッシュにしないとザベ・レイレイ・ビシャの投げ化け長大Pには落とされる:パイロン長大Pも届くが見てから余裕で潰せて、フォボスはタイミングと距離により落ちたり落ちなかったり)あたりを混ぜて決め打ちする必要がある。放し投げでも後ろ歩きでスカされるとフルコンボをもらうので、歩きではすかせない下小Kを投げの裏にして、リバーサルダッシュとガード専念を混ぜることになる。8フレ投げ間合いからの前歩き投げも他のキャラよりは返しやすく、比較的リスクの小さい下小Kとリバーサルダッシュを軸に、ハイリスクだがそれ以上にハイリターンな投げ返しも狙える。自分のリスクを軽減するより、相手のリスクを最大限にすることを考えた方が効率がよさそう。

普通の飛び込みに対しては、間違いなく当るならタワー、微妙なら下大Pがファーストチョイスで、下中K・小K(出た瞬間に当たるくらいまで引きつける:だいたい同じタイミングだが小Kの方が微妙に早い)や中K(相手のジャンプ頂点くらいで出して相打ちを強制する)でも返る状況を覚えると、反撃のチャンスが増えるだけでなく空中からの変化にも騙されにくくなる(下中Kは高め当てで一方的に落としたとき、小Kと中Kは相打ちでも、小ダウンにダッシュ投げを重ねられるので、リターンがけっこう大きい)。開幕やや遠くらいなら空中投げも使いやすいので、空中ガード入力から小P中P同時押し(投げ化けが小Pになる:小Kに化けさせてもよい)か中P大Pずらし押し(2フレ連続投げになればラッキー)で狙ってやる。相手がJ小技などを出しっぱなすようになれば垂直J小or中Kによる空対空も機能してくるし、空中飛び道具などを撃ちにくくすれば地上対空の安定度も増す。ダッシュ間合いで暴れた相手からのリターンを増やすことは、ラッシュの攻撃力を上げることにもつながる。前J即小Kは使いこなしが難しいが遠距離対空を穴にしないために必要な技ではある。近すぎても使える技が減り、表当て裏落ちくらいだと大P(遅くとも相手のJ頂点くらい:見た目より後ろに短い)がギリギリ使えるが、裏当てになるようなジャンプはタワーでしか落とせない(後ろへの長さは、タワー>大P>下大P>中K>下小K>下中K)。一発芸に近いが、めくり狙いで飛んだ相手の下を下小Kで動いて着地を投げることも場合によってはできる(相手が冷静なら1フレ不利な投げ合い)。相手の垂直Jには、ダッシュ投げ狙いショートダッシュでの偶然スカしから下中Korタワーというのが一番自然な返し方だが、着地直後狙いのロングダッシュ攻撃や中Pなんかも使わないではないし、小Kでムリヤリ相打ちを取れるなら欲張ってみてもよい。浮くダッシュについては(他の技も使うが)上下小Kで落とすのが一番無難だと思う。

大ダウンしたきり起き上がれずに負けるパターンも怖い。レバー4放し投げと着地する相手への投げ、前倒し下小K(レバー2だと通常のリバーサルタイミングより1フレ早く入力を受け付ける)、リバーサルバックD即小K(ダイエット効果が大きい)、下段>中段移行ガード(レバー1>4)などの特殊操作も駆使して、表裏がわからない(相手に選択権がある)めくりは半々で立ちガードするより空中でくらい、画面端は(すでに寝ているなら)あまり気にせず、相手の選択肢が狭くなったら欲張った返し方を混ぜてやる。多少のダメージをもらっても仕切り直せればよしとしてしまいたい。小ダウンからも下小K暴れ(投げをもらわないタイミングは3フレ幅だが重ねられた中段打撃は地上くらい:ガード入力なら中段でない打撃を重ねられてもガード化けする)やリバーサルダッシュ(投げ抜けは3フレ幅:細かい事情はいろいろあるが、リバーサルタイミングジャスト狙いか、1フレなら遅れてもいいかなという感覚で入力)が有力な選択肢になる。大ダウンと違い空中から(こちらの着地より3フレ以上後に)着地する相手との投げ合いで1フレ不利になるため、ジャスト~微妙に遅めで重ねられたらリバーサルダッシュ(確実性は低いがガード化けが期待できる)やレバー4>1+小K(レバー1と小Kが同時なら中段を地上くらいすることはない)の方が無難。

小or中Kによる下段ダイエットは重要な割り込みポイントだが、小Kは5フレめ、中Kは3フレめが最初のダイエットフレームなので、相手の下段が7フレ発生だとすると、小Kは2フレ遅れ、中Kは4フレ遅れまでしかダイエット効果を発揮しない(ダッシュは入力2フレ後にすで空中なので5フレ遅れでも薄い下段はスカせる:中P5フレめ以降と小P発生以降も足元だけ引っ込むが、引っ込み幅が小さくおそらく1ドット)。タワー、下中K、下小Pと座高が低くなる技はあるが、どれも攻撃力発生の瞬間に縮むので、割り込みには使いにくい(タワーだけは、使わざるを得ない場面があるけど)。くらい判定が膨れにくい技はやはり小K、しゃがみ技なら下小or中Pだが実は下大Kの方がわずかに前に伸びない(おそらく、立ちポーズor小Kor下大K<下小or中P<しゃがみポーズor下中Korタワーと1ドットづつ前に出る)。

飛び道具に対しては、届くなら見てから飛び込み(コンボが間に合うに越したことはないが、J大Pで安定してもリターンは十分大きい)、遠ければ歩きor回避orガードが基本。デミ・モリ・カッチ相手なら遠距離では撃ち返しも安定する。カッチ相手に連発できるノーマル飛び道具はフォボスのミサイルと王様の裁きくらいなので、まずはJ大Pの有効範囲をしっかり把握して、陣地取りや間合い管理を徹底して相手のリスクを高めたい。



遠距離での動き方

カッチにとっての中距離間合いは、最短最速SD中Kが届く範囲(ロングD即大Pもほぼ同じ間合い、前J中Pや空ジャンプ投げも届き、前J15~17フレ後入力の空中竜巻で裏落ちを狙える)がギリギリ限界で、それより遠くでは直接的に攻める選択肢が限定される。いかにいい形で接近するか(させないか)が互いにポイントになる。

最短最速SD中Kがちょうど届かない距離ではなんとなくで前ジャンプしたくなるが、裏の選択肢に乏しいため、よほど対空に難のあるキャラ(魚くらいだけど)か飛び道具読みで飛ぶとき以外は自重しておくのが無難。こちらの対空も安定しにくいので、前に歩くか後退するかを早めに判断した方がよい。SD中Kでバリア技を潰せるキャラや密度自体が低いキャラなら、ぶっ放しのロングダッシュ(引き付けD小攻撃か、D即小K>当たる前にD小P)も選択肢になる。ショートバックD大K空キャンセル竜巻着地下大K空キャンセル小タワー(454632大K押す14大K放す2大K52小P)なんかを見せて相手の動きを引き出してもよいが、読まれてEX技でももらったら目も当てられないので、毎回タワーまで出し切るのはよくない(単なるショートバックD竜巻なら見られても大丈夫だが、陣地は取られるので乱用しない)。

もう少し離れてJ大Pカス当て間合いになると、相手の選択肢(ビシャ下大Pやザベ長中Pも届かない)も減りカッチの垂直J対空が安定するので、仕切り直しポイントにできる。ここからチョッカイを出すなら、不発orカス当てのショートダッシュ大P、長めSD中K(しゃがみにちょうど届くように出す:相手の小技を潰せるならとても有効)、ロングダッシュ大P単発(出終わりが当たるor技が終わってちょうど当たらないように出す)からの着地投げ、D小K出しっぱ>D中K(反応バックジャンプが引っかかる)、D小K出しっぱ>当たる前にD大Pなど。ジャンプからは前J大P(不発orカス当て)とJ中K(長いがくらい判定が後ろに伸びるので、飛び道具を飛び越えたときは使いにくい)があるが、相手の垂直Jを見てから飛ぶなど、なにかしらのボーナスがついていないと割に合わない。その場からの鯨もちょうど届くので、操作に自信があれば空キャンセルいんちきアイスバーンも狙える(失敗したときのリスクが膨大なのでムリしない方がいいとは思うけど)。垂直J対空が安定する間合いを覚えて遠距離の中継点にするのが優先課題、飛び道具の対応がキャラ別に変わってくる間合いなので覚えも重要。

前J中Kでも棒立ちの相手に届くかどうか微妙な距離では、垂直J小Kが相手の前Jに当たりにくくなり、また対空が不安定になる(カッチよりジャンプ攻撃が短いキャラはいないので、相手の飛び込みは届く)。相手の飛び込みが届かない間合いをまず目指し、相手が前に出ようとするところに合わせて出る形が望ましい。小雪吐きが当たるかどうか微妙なくらいまで離れたら、D大P>目の前で技が終わって着地>投げ(ロングダッシュは着地際が前に伸びないので間合いに注意:小雪吐きがギリギリ届かない距離からロングダッシュすると、ギリギリ1フレ投げ間合いに着地できる)や、遅めD大P単発を狙いつつ、相手の目の前で消える小雪吐きも(相手キャラにもよるが)交えていく。下大K空キャンセル小タワー(他の大技でもよいが操作がラク)でのゲージためも、パイロン以外の相手なら時間効率でブッチギれるのでなくはない(1ラウンド丸々使うと、手動でテキトーにやっても6本くらいたまる)。端~端はなにかと不自由なので、完全に離れたらひとまず小雪吐きが当たるか当たらないかくらいまでは出るのを習慣にしておきたい。

ショートダッシュ接近はもちろん有用なのだが、カッチのショートダッシュは移動が速いので、完全端~端で15フレ止め、小雪吐きが当たらないくらいの間合いで7フレ止めくらいのダッシュで開幕間合いに戻る(=ダッシュに反応して相手が長い技を振った場合にくらいやすい)。また無限段ラッシュのときと違いガードストップがないため連続前ダッシュがかなり出しにくい(完全端~端から65656545入力でも開幕間合いくらいまでは飛んでしまう)。考え合わせると、ショートバックダッシュでの仕切り直しは別としても、遠距離移動は歩きを基本にした方が無難である。連続ダッシュを狙うなら353212356入力で、小雪吐きが当たらないくらいから出せば1回目のダッシュで開幕やや遠になる。連続ダッシュから一気に攻め込むのは操作がかなり忙しいが、35321235までで相手の様子を見て、地上技の空振りにオツリを入れたり前に飛んだ相手を落としたりといった行動は有効(これが裏にあるからこそ、単純なロングダッシュ突っ込みや目の前で消える小雪吐きが多少は脅威になってくれる)。

最短最速SD中Kがちょうど届かない~J大Pカス当てくらいの間合いはキャラ別の要素が強く、優先順位をはっきり持っておく必要がある。とくに、対空タワーが安定しなくなる(空ジャンプに空中ヒットしないor激強技に潰される)間合い、飛び道具の返し方が変わる間合い、相手の地上技が届かなくなる間合い、相手と自分のぶっ放し行動のリスクと脅威度、離れたときと接近したときどちらかどのくらい得するか、といったことをしっかりと把握しておくべき。距離さえよければダッシュからの選択肢もないではないが、リズムを整え次の動きに備えるためのショートバックダッシュを例外に、基本はベタ足(ジャンプもダッシュもせず、移動は歩きだけ)。ベタ足でどれだけ動けるかでダッシュの有効性が上がる、と連動させて考えた方が効率がよい(SD中or小Kでガンガン押せるキャラが相手でも、歩きの必要性がなくなるわけではない)。垂直J対空が安定する間合いと相手の飛込みが届かなくなる間合いをしっかり覚えておく。



バリア技への仕掛け

相手(具体的なキャラは想定しないが、レイレイ遠小Pくらい鉄壁なバリアだとしよう)がバリア技を連打しているとき、どういうタイミングで仕掛けるのが正解か。もしカッチの選択肢がダッシュと中大技ぶっ放しだけで、相手は見てから対応できず、また相手に自分から動く選択肢がないのなら、いつ動いても同じである。というのは、カッチがいつダッシュを出そうと中大技をぶっ放そうと、問題になるのは次のタイミングで相手がバリア技を振るかどうかだけで、単なる択一攻撃に過ぎないから。普通のセットプレーとどこが違うのかというと、カッチの側に「時間を経過させる」一方的な権利があることだけである。

このためカッチ側の判断はまず、時間切れまで放置する(あるいは残り時間をある程度減らす)のと仕掛けるのとでどちらが得かという点で、仕掛けた方が得(つまり体力負けしている)ならさっさと仕掛けてしまった方がよい。また相手に仕掛けの権利がない場合は、相手の行動をある程度観察できるため、被ダメージを最小化したがっているか、体力差を拡大したがっているか、与ダメージを最大化したがっているか、傾向を予測する手掛かりを得られる(相手側に決め打ちの権利がなく、密度の選択しかできないとも解釈できる:が、そのことがどの程度のアドバンテージになるか、評価するのが難しい)。ただ一般的には、体力勝ちしているならそのまま放置しておけばよいし、体力負けしているときは体力差を縮めるのがまあ自然だろうから、後者を中心に考えてみたい。

体力差を縮めるには、選択肢を選ぶ基準をリターンとリスクの引き算にする。カッチがぶっ放しで差し込める技というと、下大K>ノーマル追い討ち(体力ゲージ19%くらい、大ダウン)、下大P単発(17%小ダウン)、下大K単発(14%大ダウン)、中P(10%ダウンなし)といったところだろう。これらの数字から相手にスカされたときの被害を引き算して、もっとも大きい値が残る技を使えばよい(もちろん、届く届かないとか、見てから対応できるできないといった吟味がその前に必要ではある)。もし中Pでも下大Pでもスカされたら同じオツリをもらうのであれば(かつ両方届くなら)下大Pを使った方がよいし、下大Pの方が危険であっても反応でオツリを使い分けるのが難しいなら封印まではしない方がよい。またリターンの評価には、バリア技と相打ちになったときの変化(ダメージはもらうが、確定しなかったはずの追い討ちが確定したり、小ダウンへの起き攻めが厳しくなったりということがあり得る)も考慮する必要がある。

ダッシュからの行動は難しい。相手が黙っている前提ならダッシュ投げ一択でよいのだが、ダッシュから投げしかないと相手のバリア密度がかなり低くても防がれるから、中大技のリスクも上がってしまう。こじ開けの軸には高い密度のバリアでしか防げない行動が望ましく、ロングD攻撃(使いにくければショートD攻撃でも止むを得ない)を中心に、ダッシュ投げは補助的に狙うことになる(というか、択一攻撃では常に一番安い選択肢が軸で、リターンの大きい選択肢はダメージ効率を(高々択数倍、普通は2倍未満ではあるが)上げるための補助に過ぎない)。とすると、ダッシュ攻撃をガードさせたときの期待ダメージと、バリア技で落とされたときの期待ダメージの差がどれだけあるのかが問題になり、ダッシュ攻撃ガードからの採算がよければ相手は高い密度でバリア技を振らざるを得ないから、ぶっ放し中大攻撃をスカされる頻度も低くなる。

ここでもし、カッチのぶっ放し技と相手のオツリが同じ痛さなら、相手が半々以上の密度でバリア技を振らざるを得ない状況はいつでも得できる状況だということになる。またもし、カッチのぶっ放し技より相手のオツリが2倍痛いなら、2/3以上の密度でバリア技を振ってくれないとぶっ放しの採算が取れない。ダッシュ仕掛けに関しては、狙い(ロングD攻撃orショートD攻撃orダッシュ投げ)によってどのくらいの密度でどのくらい落ちるかが異なるが、いちばん安全確実な選択肢をベースにすればよく、たとえば1/2の密度のバリアでロングD攻撃が1/3の成功率になるなら、リターンが相手の2倍あれば仕掛け得になる。こうやって双方向からお得ラインを探って、どちらでも得できるゾーンがあるなら、バリア技を振ってくれること自体がこちらの得になる。反対にどちらでも損しかしないゾーンがあるなら、相手はバリア技を(一定密度でランダムに)振っているだけで膠着状態を作り出せる。



EXゲージはいつ使うべきか

ゲージの使い方に正解はないが、方針とすべき考え方はある。事後の視点で見ると、負けたラウンドに使ったゲージが一番無駄であり、死蔵したまま負けたゲームのゲージがその次に非効率(持っているだけで得られるメリットがあるため完全に無駄ではない)ではあるが、ゲージを使う使わないを判断する時点では勝ち負けはわかっていない。だから(当然の話ではあるが)ゲージを使うことでそのラウンドを取る確率が上がる割合と、ゲージを失うことでそのラウンドを取る確率が下がる割合の、差が大きいときに使うのがよいということになる(キャラによってはゲージの回収率も考慮した方がよいが、カッチの場合大幅にゲージが返ってくるような使い道はない:ES追い討ちで起き攻めが変わるキャラを除く)。

そうすると、自分の体力が満タン近くて相手が(ゲージを使っても倒し切りには届かず)KO寸前のときはゲージを残したい状況といえる。ゲージを使うことで上げられる勝利確率が小さく、またゲージがない状態で過ごさなければならない時間が長いからである。同じ理由で、接戦の終盤にはゲージを使う価値が高く、ゲージを使うことでKOが確定するような状況なら多少余裕があっても確実に仕留めておくべき(反対から言えば、終盤競ったときのためにゲージを残しておくのも戦略のひとつになり得る:先が長いほど「後で使う」選択肢が有効になる)。ゲージの本数も重要で、残り2ゲージあれば使ってもノーゲージ状態にならないので、ゲージを失うことのデメリットを最小限に抑えられる(というか、後で使っても今使ってもコストは一緒で、ゲージを温存しておくメリットがなくなる)。気前よくゲージを使える状況だと、相手はゲージを使った攻めに対する警戒を高めなくてはならず、結果的にゲージを使わない攻めの有効度も上がって相乗効果が生まれる。

ゲージを使う効果自体も吟味しておきたい。カッチのゲージ使用でもっともリターンが大きいのはESガードリバーサルである。ノーマルガードリバーサルだけでは返せないラッシュを切り返したうえ、それなりの大ダメージとダウンを奪える。しかしリスクも大きく、ガードされるとゲージを無駄にしたうえ痛いオツリが確定する(キャラによっては即終わることもある)。次にリターンが大きいのが中Pキャンセル氷足で、中P>下大K>ES追い討ちが確定するなら追い討ちにゲージを使った方がやや痛いが、中P単発で終わってしまう状況なら氷足の分が丸々リターンになる。いんちきアイスバーンは直接のリターンで氷足に少し劣りリスクもあるが、相手が暴れたくなる状況を作れるなら有用な選択肢には変わりない。ES追い討ちの確定ダメージもけっこう大きく、上で触れたように下大K>ES追い討ちが確定するなら氷足よりも効率がよい(食いコンボも、追い討ちにゲージを使うのが一番減る)。1フレ目押しで追い討ちが確定するデミ・犬・ドノ・画面端ザベに対して、ESに化けてもよしでKボタン全部ずらし弾きで追い討ちするのは、ゼロだったかもしれないリターンを得られる分普通のES追い討ちよりもメリットが大きい。ES雪吐きは特殊な状況で大きなリターンを見込めるが、これはキャラ別攻略で考えた方がよいだろう。ESタワーは最後の1発以外では忘れてよい。

ゲージの入手状況から順に考えてみよう。3本先取の第1ラウンドにゲージが使えるようになったとき、相手の体力は半分くらいは減っているはずである(お互いに単発打撃ガードが続いたり、画面端でゲージを溜め合うような展開でなければ)。普通にやれば、相手をKOするまでに2ゲージくらい(雪吐きがクリーンヒットし続けるとか、そういう特殊な状況でなければ少なくとも1ゲージは)溜まるはず。つまり、第1ラウンドに1ゲージ溜まったということはボロ負けはしておらず、活用できる場面があれば使ってよい状況であることがほとんどだろう。自分がKO寸前、相手が体力半分くらいの状況でも、氷足なりEX技なりがヒットすれば「もうワンチャンス」状態を作ってダウンまで奪えるわけだから、ゲージを有効活用できるチャンスが見えているなら逃すべきでない。しかし、相手の体力が「もう1回はダウンさせないとKOできない」くらい残るなら、確定ダメージだけのためにES追い討ちを使う必要はないことが多い(次にダウンさせたときにES追い討ちを入れればよく、もし次のダウンが取れなかったらどっちみち負ける)。ここの区別をはっきりさせておくことが重要で、たとえゲージを残してそのラウンドが惜敗になったとしても、ゲージを残した(自分の選択肢を広く、相手の選択肢を狭くできた)からこそ惜しいところまでやれたと考えるのが合理的だろう。

ラウンドが進んでも、ゲージを1~1.5本くらいしか持っていないときの考え方は同様で、不利な状況を打開できる確信があるなら使い、確定ダメージを増やすかどうかはあと1回ダウンさせないと負けるのかどうかという見込みで決める。もちろん、ノーゲージになることがどのくらいの影響を持つかは相手キャラ次第で、ゲージなしでラッシュを返す方法があるかどうかがとくに重要。ゲージが2本近くあれば、完全に負けそうなラウンドでかつ1本取られても大丈夫なとき以外は、使える場面があれば使う方針でよい。とくに(2本先取の)第3ラウンドは、開始時に2ゲージ以上なら普通にやれば3ゲージは使えるわけで、使いたい放題に使っても余るくらいのストックだといえる(無意味にESタワーとかES雪吐きとかぶっ放さなければ)。追い討ちが確定する相手にゲージをローリスクに使える状況を作れたときのカッチの攻撃力は恐ろしく高い。ただし先にも触れたように、ゲージが豊富にあるほど相手の警戒も高まるわけで、ゲージを使わない攻めの有効性も上がっていることは忘れてはならない(結果的にゲージをたくさん持った状態で勝つのは、まったく悪いことではない)。



ダメージ効率から戦術を組み立てる

筆者は効率押しが好きでないが、攻めキャラである以上ダメージ効率の最大化は避けて通れない。これまでも繰り返しているように、与ダメージの期待値を支配的に左右するのは択数と最小ダメージ選択肢の減り具合である。先に主なダメージパターンの威力を確認しておこう。なお、ノーマル追い討ち(出したときとヒットしたときにゲージが増える)とES追い討ち(出したときにはゲージが増えずヒットごとにゲージが増える)2ヒットでは、ESの方がわずかに(小攻撃空振り1発分くらい)多くEXゲージがたまる。

ポイントはやはり、ダッシュ投げの裏であるSD4段と地上投げの裏である下小K開始4段がともに3割弱の減りだということだろう(ここでダメージ期待値を落としたくないので、過度に刻むのはよくないと思う)。また、食い>ダッシュ4段>しゃがみ4段>追い討ち+SDめり込み>しゃがみ4段>追い討ちは、追い討ちを片方ESにすればビクトルをKOできる。

上記を分析的に見ると、相手が投げだけは絶対もらわない方針だとわかっていても、択一チャンスを3回は作らないとKOまで届かないことになる(現実的には5回くらいは必要だろう)。これは明らかに効率が悪く、投げ抜けから大ダメージを取るorダメージを稼ぎつつ攻め続ける手段が必要だということがわかる。そのためにはやはり起き攻めが重要で、さらに上積みを求めるならダッシュ投げの裏にロングD攻撃があった方がよい。仕掛けずに待ってオツリを入れるパターンや中距離の殴り合いも含めて、択一チャンス3回でKOが見えてくるくらいの戦術が理想だろう(そんなに甘くはないけど)。また追い討ちからの起き攻めが安定していると、飛び道具にJ大Pとか空中竜巻裏回りなんかの脅威度が増す。

ごくごく平凡な結論ではあるが、単純択一だけで勝ち切ろうとするのは効率が悪く、暴れにしっかりオツリを入れられて、かつ起き攻めの精度が高くてこそ爆発力が出せるのだということを再確認しておきたい。



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