ツーリングの心得


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初心者向けのネタ。



前提



バイクは何がいい?

まあ「何がいい」と言われても、わざわざ遠出のためにバイクを買い換える人はあまりいないだろうが、重視すべき点は

といったあたりか。航続距離はかなり重要で、リザーブ込みで300kmくらい走れると心強い。反対に、少なくとも200kmは走ってくれないと夜間の移動が厳しい。ただし、高速を使って昼間に移動するならあまり関係ない。積載能力は、キャンプなしのソロならほぼ問題にならない。ネイキッドタイプがもっとも積み込めると思う。

DT200(2スト単気筒200ccのOFF車:カタログスペックだと30馬力だが、年代モノのポンコツだったので20馬力も出ていなかったと思う)で走った経験からいうと、このクラスだとややパワーが足りない。スパーダ(4スト2気筒250ccのネイキッド:カタログスペックだと40馬力で、これもポンコツ)でギリギリ、CB400SF-R(4スト4気筒400ccのネイキッド)で楽々、といったところ。高速で長距離を走るなら、人によっては400ccクラスでないと疲れるかもしれない。

OFF車はブロックタイヤのノイズがうるさい(というか振動で疲れる)が、それ以外は峠道などを走るときに前輪の重さがかったるいくらいで、総合的な疲労度は思った程ではない(寒い季節だとナックルガードがこの上なくありがたい:長距離だと尻が痛いという話をよく聞くが、車両の問題を考えるより乗車姿勢を見直した方がよいと思う)。カウルがない車種についても、高速道路さえ走らなければほぼ無問題といえる(エンジンをカイロ代わりに使えるし)。

できれば、旋回の軽いバイクが疲れにくい(道が平坦なら、どっしりしたタイプの方が楽)。レーサーレプリカタイプのバイクで長距離を走ったことはないが、ちょっと借りて走ってみた感じでは、ポジションさえ合っていれば割と走りやすいのではないかと思う。アメリカンタイプには乗ったことがないので不明。まあしかし、500kmくらいの走行ならちゃんと走って曲がって止まりさえすればあとは何とでもなるのが現実なので、あまり気にする必要はない。



パッキング

荷物のパッキングには「とにかく減らせ」という鉄則がある。ということで、ぜひ必要なものをまず見ていく。

車載工具が揃っていることは一応確認しておくべき。服装については、ライディングジャケットがダントツによい(防水スプレーをかけておくのを忘れずに)。夏場でも、あまり軽装するのはオススメしない(半袖だと間違いなく腕が日焼けして水ぶくれができる)。ヘルメットはフルフェイスが断然楽(とくに高速道路を使う場合)。寒い季節ならハンドルカバーもぜひ欲しい。2泊くらいなら着替えは下着だけの方が楽(長めの日程でも1セット以上は荷物になる)。雨は本当に怖いので雨具だけは忘れてはならない。洗面用具は適当に。

濡れると困るもの(上記では着替えとタオル1本)はゴミ袋に入れておく。地図・ガム・アメ・タオル1本はタンクバックに入れるか、リュックなどに入れてネットでタンクに載せると便利(財布・携帯電話・カメラなどもこちらに入れて下車時に持ち歩くようにするか、ウエストバッグのようなものを用意してそちらに入れる:運転中は身につけていると邪魔)。後ろに載せるバッグには、雨具・着替え・ゴミ袋・カイロが入ることになる。

その他あると便利なものとしては、

あたり。魔法瓶(500ml以下の小さいものが便利)は水/お湯専用にして、粉末のスポーツドリンクやレモネードなどを用意すると後が楽。携帯食は「小腹が空いたけど街は遠い」なんてときに便利(レーズンなど、糖分と酸味があるものも嬉しい)。ウェットティッシュは顔・手・首・ヘルメットのシールドなどを拭くのに使う。ヘアブラシは、まあ必要な人だけ。

キーの付け忘れを防ぐため、ジャケットなどに結びつけるカールコードがあると便利だが、念には念を入れてスペアキーを財布の中にでも入れておくとよい。また、ウエストバッグなどの口が開いていて中身をぶちまけたり、盗難にあって財布を紛失したなどの場合に備えて、最小限の現金を別途身につけておくとよい。

パッキング用のバッグは、専用のものがあればそれに越したことはないが、意外にも「プール袋」がサイドバッグとして活躍する(ヘルメットホルダーにヒモをくくりつける:シート下にフレームが見えているならフレームに結んでもよいが、強度的な問題があるのでパイプ類に固定するのはやめよう)。ヒモが後輪やチェーンに巻き込まれると一大事なので、しっかりと固定すること(マフラーに干渉する場合は熱にも注意)。プール袋2・普通の手提げバッグ1・大型リュック1・固定ロープ1・固定ネット1くらいあれば、リアキャリア(orリアシート)・両サイド・タンク上にかなりの荷物が積める。またタンク上の荷物は、ネットの上に小さめのネットをもう1枚張って親亀小亀状態にするとさらに便利(小亀の方には地図などよく使うものを入れる)。

キャンパーの人は、テント・寝袋・ウレタンマット・ビニールテープ・ビニールロープ・調理器具・ペーパータオル・懐中電灯あたりが必要だが、調理器具は飯盒・鍋1つ・ナイフ1本・携帯コンロだけで間に合うことがほとんど(食器は箸以外不要:開けたところに行くのであれば、飯盒とナイフも省いて構わない)。魔法瓶(水の確保用)は大きいものを持った方が楽(飲み物の保温用と2つ持ってもよい)。照明器具は懐中電灯が1つあれば十分。昔はラジオも必携だったが、今は携帯電話で情報収集ができるので、これはお好みで。

タンデムの場合、同乗者の疲労を軽減する必要がある。見た目はかなりアレ(走っているときよりも降りたときの方が目立つ)なものの、シートの上に座布団(数百円の安物で十分だが、シートのタンデムベルトなどに縛り付ける必要から、ヒモつきのものを選ぶ必要がある)を敷くと非常に効果が高い。さらに、同乗者が荷物に寄りかかれるような積み方にできればもっとよい(荷崩れにはくれぐれも注意:ライダーも、タンク上の荷物に寄りかかれる姿勢だと何かとラク)。



走行

運転中に同じ姿勢を長時間続けると、手首・足首・腰・膝あたりをどこか痛めるので注意。こまめに下車して少し歩き回ると疲労しにくい(腰・肩・手首はストレッチ必須)。けっこうエネルギーを使うので、アメやガムなどで糖分を補給すると集中力を保ちやすい。水分も適宜補給するが、夏場ならスポーツドリンク、冬場ならホットレモンあたりがよいだろう(カフェインに利尿作用があるので、コーヒーはあまりオススメしない:ダイエット系のドリンクも、糖分の補給にならないのであまり良くないと思う)。

途中コンビニを利用するだろうが、ミニストップがダントツで利用しやすい(店内で飲食できるのは最高:地図ひとつ見るにしても、イスに座って見られるので非常に楽)。多額の現金は持ち歩かない方がよいが、田舎に行くと銀行よりも郵便局がはるかに便利。コストパフォーマンス重視でファミレスチェーンなどを利用する場合、オシボリを出してくれるところだとありがたい。食事は腹持ちのするものがよいと思う。

主要な国道などでは、アスファルトが磨り減って路面が轍状になっているが、轍の山もしくは左の轍を走るとよいだろう。ペースは流れに乗って走った方が楽(道がわかっているのでなければ、飛ばしてもさほど時間短縮にならないことが多い)。とくに前が空いたときはあまり調子に乗って飛ばさない方が無難(地元の車がペースを落とすのにはそれなりの理由がある)。長距離バスや長距離トラックの後ろだと安定したペースで走れて楽なのだが、あまりくっつくと前のドライバーに迷惑だし、ディーゼルの排気が煙たいので車間を広めに取る(バスやトラックを追い越していく車が、いったん自分の前に入れるくらいがよいだろう)。というか、間に1台入っているくらいの方が走りやすい。反対に大型の前を走る場合は、ブレーキの性能が違うので普段よりも後ろに注意を払う。

たまに、やけに遅い車が前を塞いでいることがあるが、そういう車は長距離を走らないことが多いので、おとなしく待っていればそのうちいなくなる(急に曲がることや、下手をすると曲がりかけて止まることがあるので車間は広めに)。後続の車が追い抜いていくようならそちらについていってもよいが、やはり自分の前を1台入れるくらい空けて、左側を走っておくと流れがよい(何も考えずに追い抜くと、ヘルメットを被ったお兄さんが運転していたりして悲しいことになる)。自分の前に1台入ったら、あらかじめ右に寄っておくと楽(このとき、強引に自分を追い抜いていく車がいないかどうか必ず確認:とくに北海道を走る場合)。

交通法規はもちろん全国共通のものだが、細かいマナーや習慣については意外と地方差がある。たとえば信号の変わり目について、東京は「黄色は止まれ」にかなり忠実だが、札幌あたりだと信号が赤になる前に交差点に入るくらいのタイミングでは誰も止まらない。いっぽう、札幌では「見切り発車」をするドライバーが東京よりもかなり少なく、また発進もかなり慎重である。これは札幌で降雪や路面凍結が多い影響と思われ、実際冬場には信号が変わったからといって急に止まれないし、もし止まれたとしても追突される危険がある。そして夏場になってもこのリズムは忘れられず、結局は1年を通してそのような傾向が保たれる。これはどちらが良いとか悪いとかいう問題ではなく、危険回避のために必要な情報である。たとえば東京で札幌のような交差点進入をしたら、反対に札幌で東京のような発進をしたら、かなり危険である。

田舎(とくに夜道)だと、野生動物が飛び出してくる場合がある。筆者は、箱根で猫(昼)、北海道の浮島峠でエゾシカ(夜)を轢きそうになったことがあるので、それほど稀な事態ではないのだと思う(猫くらいならともかく、エゾシカなんぞにぶつかった日にはこちらも多分死ぬので要注意)。



札幌〜東京と札幌〜東京

冒頭で述べたとおり筆者は東京〜札幌の下道(+青函連絡フェリー)移動であれば経験があるが、札幌〜東京は経験がない。経験がないので推測でしか言えないのだが、恐らく東京〜札幌よりも札幌〜東京の方がつらいはずである。

理由はフェリー移動(手続きなども含めて4時間くらいかかる)のタイミングで、東京〜札幌の移動だと体力的に限界が近づく出発後20時間くらいのタイミングで青函連絡フェリーに乗ることになり絶好の休憩となるのだが、逆方向の移動だとあまり効果的に休めない。さらに、札幌〜東京の移動だと最後の最後で都内を走行するハメになる。小岩・江戸川方面が目的地であればまだマシだが、三鷹・府中・多摩方面が目的地だと都内に入ってからの運転がかなり辛いはず。

東京〜札幌の場合、東京を深夜出発〜青森に深夜到着〜函館に早朝到着〜札幌に昼到着というパターンと、東京を朝出発〜青森に朝到着〜函館に昼到着〜札幌に夕方到着というパターンが考えられる。寒い季節だと前者の方が楽だが、睡眠などのリズムを考えると後者の方が合理的。間を取って東京を早朝に出発する手もあるが、一番疲労の溜まっている青森直前を暗い時間帯に走ることになるのは深夜出発と同様なので注意する。東京〜青森は実質20時間程度だが、3〜4時間くらいは余裕を見て予定を立てたい。

札幌〜東京の場合、札幌を夜出発〜函館に深夜到着〜青森に早朝到着〜東京に早朝到着というパターンが有力か(睡眠パターンが崩れにくいし、ラッシュアワーを避けてかつ明るい時間に東京に入れる:新聞配達のカブがかなり飛ばしている時間帯なので、それだけは注意)。倶知安の辺りと奥羽山脈の両方を日中に走れるパターンを目指すと、札幌を昼出発〜函館に夕方到着〜青森に深夜到着〜そのまま休憩して早朝出発〜東京に早朝到着という感じになる。札幌〜函館は5時間程度だが、1時間くらいは余裕を見ておいた方がよい。



その他

とくに夜間は、給油が死活問題になるので十分注意する。多少データが古いが、24時間営業のガソリンスタンドをまとめた非常にありがたいサイト(トップページ)があるので参考にする。

出発前のメンテナンスでは、アクセル・ハンドル・ブレーキが「疲れない操作」で「きちんと機能」することを確認する(レバー類やペダル類が曲がっていたら交換した方がよい)。消耗品としてはオイル・チェーン・タイヤ・ブレーキシュー・エアクリーナーあたりをチェック。ブレーキオイルとラジエター冷却水の量や、バッテリーの交換期限も確認しておいた方がよいだろう。普段昼間しか乗らない人はライトも一応チェック(とくにロービームとハイビームが同時に切れるタイプの車両)。忘れがちだが、シートに亀裂があったらビニールテープなどで補強しておこう。

ルート設定についてはGoogleマップでも利用するのがよろしかろう。フェリーについては日刊海事通信社のページで検索できる。

いわゆる「ドライブイン」系の食堂は当たり外れが大きい。目安として、大型トラックが大量に停まっているところだと(すばらしくおいしいとは限らないが)大外しは少ない。給油ついでにガソリンスタンドでオススメ(というか近くで食べられるところ)を聞いておくとよい。



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