DAW入門(補足編)


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この記事は書きかけです。

これまでの記事に漏れた事柄をまとめて。


加工

とくにどうということはなく普通に加工すればよいが、トラック数が多いので順番を考えておこう。筆者は、バスドラ>スネア>ハットorライド>スネア>バスドラ>ハットorライド>ベース>その他のドラムス>ドラムス全体>ベース>コード楽器>メロディ楽器>コード楽器>メロディ楽器くらいの順番でイジってから、あらためて下から見直すことが多い。

センドリターンはReaperのトラックやVSTHostを使えばいいし、サウンドカードへの直接出力もできるので、その気になればハードウェアへもセンド可能。たとえば筆者の環境では、Sound Blasterがマルチチャンネル出力に対応しているので、Ctrl+Pで出力可能範囲を設定して

こんな風にルーティング(サウンドカードの名前などは機種によって当然違うため、図はあくまで参考)したうえで、

サウンドカードの「ライン2」とか「ライン3」などから出力を拾って、ラインインなり何なりで録音してやれば、ハードウェアセンドリターンの完成になる(変なフィードバックを作ってハウリングさせないように、またマスターの出力先と被らないように注意)。録音チャンネルが足りない人は次の項も参照。


ルーティング

すでに紹介したが、Reaperの0.999ではマスターは2chステレオ固定(同じ出力を複数のあて先に流すことはできる)である。デフォルトでは、トラックのチャンネル1がマスターのチャンネル1に、トラックのチャンネル2がマスターのチャンネル2に繋がっており、それ以外のトラックチャンネルのデータは捨てられる設定になっている。

たとえばコンプのキーインのためにチャンネル3と4にバスドラムの音を流した場合、チャンネル3と4でキーインに使った音はタレ流しになる(気を利かせてミュートしてくれるプラグインもあると思うが、少なくともReaCompはキーインでもらった音もタレ流す)が、あえてルーティングしなければマスターの前で捨てられる。反対に、マルチチャンネルプラグインでパラ出しした音は、前回やったようにトラック分けしてルーティングしないとマスターから音が出ないので注意。チャンネルのレンダリングでも、マルチチャンネルwavを吐くのではなく、チャンネル1と2がステレオで出力される。

もしマルチチャンネルで音を出したい場合はマスターをミュートして、自前でサブマスタートラックを作ってサウンドカードに直接出力しよう。

この設定でサブマスターを作った上でチャンネルごとにセンドしてやれば、6chのパラ出しができる(やはり、サウンドカードの名前などは機種によって違うため図はあくまで参考:マルチチャンネル出力に対応していないサウンドカードもある)。

またASIO4ALLはマルチデバイス入出力に対応している。筆者のように複数のサウンドカードを同時利用(リソースの衝突などがあり得るらしいが、少なくとも筆者の手元でトラブルが起きたことはない)している人は、やはりCtrl+Pで入力可能範囲を設定して

録音元に別々の入力を設定をすることで

マルチトラック録音をすることもできる(上図では、モノラル4chの同時録音をスタンバイしているが、別にステレオ2本で使っても、モノラル2本+ステレオ1本で使ってもよい)。単体でマルチトラック録音可能な高級サウンドカードを使っている人は、同じサウンドカードからチャンネルを選ぶだけでOK。もちろん出力も自由にルーティングできるので、2つのサウンドカードにそれぞれヘッドフォンをつないで別ミックスをモニタするとか、片方のサウンドカードのライン入出力をハードウェアセンドリターンに使うとかいった設定も可能。

サウンドカードのライン入力は単体だと使いにくいので、ミキサーなどを用意したうえでたとえば、ミキサーの入力1をステレオアウトの左へ、ミキサーの入力2をステレオアウトの右へ、ミキサーの入力3をセンドアウトの左へ、ミキサーの入力4をセンドアウトの右へ、といった具合にルーティングして、ステレオアウトをサウンドカード1のライン入力に、センドアウトをサウンドカード2のライン入力につないでやると、手元でつなぎ替えができて便利である。

追記:やっていること自体は非常に単純(それぞれのデバイスにデータを投げてるだけ)なので、DAWを名乗っているようなソフトならどれでも可能だろうと勝手に考えていたのだが、2011年にちょっと探してみたところ、ASIO4ALLと同等の機能があるソフトはあまりないようだ。まあWindowsの場合、アプリケーションの側で仕組みを用意しなくても、ASIO4ALL経由で入出力をしてやればよいだけではある(たいていのサウンドカードはカーネルストリームにも対応しているし、オーバーヘッドもわずか:MacはOS X v10.5からOS側で対応したらしい)。

実装を考えると、Windowsアプリケーションが同時に複数のサウンドドライバを相手にするのは厳しいが、サウンドドライバが複数のサウンドデバイスを相手にするのは比較的ラクである(あとは相手にやる気があるかないかの問題)。またマルチデバイス入出力でも同期の問題は普通起きない(同じ機種または同じシリーズのデバイスを使う場合は例外:というか、同じ機種だと(デイジーチェーンなどでの接続を最初から考慮しているものでないと)複数台のインストールができない可能性もある)。付属のコントロールソフトがでしゃばりな仕様(自分をデフォルトデバイスに設定したがる)だとちょっと面倒かもしれないが、たいていは設定(「コントロールソフトを起動しない」という選択を含む)でなんとかなるのではなかろうか。



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