サウンドフォント紹介 以下、多くのサウンドフォントは http://www.sf2midi.com/ http://hammersound.net/ のいずれかで入手可能。sf2midiはリンク切れがほとんどなく検索機能も強力だが、2009年12月現在無料回線は接続すらほとんどできない状況。 他のサイトでしか手に入らないものについて、筆者が入手先を覚えていて、かつ配布元が閉鎖されていないものについては別途記載した。ファイル名はできるだけ配布ファイルの名前にしてあるが、一部配布ファイルの名前がわからなかったものはsf2ファイルの名前を掲載してある。検索に引っ掛からない場合はアンダーバー「_」を半角スペースに置換してみると見つかるかもしれない。 ベロシティを下げると音が急激に小さくなるものについては、コンフィグファイルに「#extension opt -V 1」などと記述して別録音すればいくらか影響を抑えられる(数字の部分は任意の正の数が可能だが普通は1以上2以下で、小さいほどゆるやかに、大きいほど急激に音量が変化する)。SMFナイフなどを使ってMIDIファイルのベロシティ自体を書き換えてもよい。 ピアノ 本文でも触れたがFluidピアノが非常によい。SGMのピアノ系も全般に高音質だし、Atomicのピアノ系も面白い使い方ができる。生ピアノのサウンドフォントについては、録音の難しさ(調律・タッチ・マイクセッティング・加工など、すべてが一定以上の品質でないとマトモな音にならない)からか個人でのフォント製作は難しい模様。 Acoustic_Piano_sf2.zip 使える生ピアノ。コード弾きはとくによい。リバーブをかけると化ける。Fluidピアノと同じく他の音と合わせてナンボだが、ソロパートも十分こなせる。ベロシティ55と56の間と109と110の間(=サンプルの変わり目で)で音量が変わるため手を入れておきたい(Vienaでイジるなら、80と名前のついたサンプルは8db、120と名前のついたサンプルは20dbのAttenuationを設定すればよいが、Timidity++だとなぜかきちんと認識されない:sfzなら無問題)。Timidityで鳴らす場合は、Dominoの「選択範囲の絞込み」機能を使ってパラ出しするのがラクだと思う。 Steinway model C_r1.rar gig形式で配布されているのでサウンドフォントとして使うにはCDXtractなどでムリヤリ変換する必要がある。が、この音源ではプリセットが壊れるようなことはないので割と安心。リバーブはかけた方がよいが、シェイパーやレゾナンス強調系のイフェクトは慎重にかけないと音がケンカする。ベロシティ31と32の間でやや音が変わるが気にするほどではないと思う。音が厚いのでソロ向き。 SGPn.sf2 JyunPiano.SF2(http://www.vector.co.jp/soft/win95/art/se243899.html) Rd1000.sf2 デジピの音。いずれも容量はたいしたことがないがSGPnとRd1000は処理がけっこう重い。SGPnは無機質な感じのひんやりした音、JyunPianoはホンキートンクっぽい音。 guraydereシリーズ(http://www.guraydere.com/) 鍵盤を中心に高音質なフォントが揃っている。PANが妙に寄っているものが多いが、音色の品質を考えれば些細な問題(PANぐらい自分で振ればよい)。やさしい音色。ピアノは後述のTitanicとキャラが被るので好みで使い分けを(クセはTitanicの方が少ないと思う)。 YamahaGrand_Adcock_SF2.zip 「ブランド生ピアノ」は20〜30種類くらい試したが、その中ではC_r1に次ぐくらいバランスがよい。容量はたいしたことがないが処理はけっこう重い。音色がすばらしくよいわけではないが、無料の生ピアノ音源にしては珍しくベロシティのちぐはぐさがほとんどない(筆者はこれ以外に完全無加工で使えるものを知らない:C_r1は変換の手間がかかる)。 Steinway Grand Piano 1.2 steinbow_(edited_Steinway_piano).zip どちらも音質はよいがベロシティに対する反応が致命的におかしいのでVienaなどで修正する必要がある。Steinway Grandは一部ピッチや音色も怪しい。リバーブをかけないと粗が目立つのでほぼ必須。 Equinox_Grand_Pianos.sf2 一応ブランド生ピアノ系ではあるものの、キャラ的に変わっている。説明が難しいが、いわゆるピアノブースで鳴らすピアノの音に近い。Steinway DとYamaha C7が入っており、筆者はC7の方が好き。とくにC7はかなり「近い音」なのでルームシミュレータ(RoomMachine844など)で距離感を出し、軽く追加リバーブ(小さめのルーム)をかけてやるとさらに「ブースっぽい」雰囲気になる。なお、筆者の手元のTimidity++バージョン2.13.0だと妙な音になる(sfzなら問題ない)。 キレ重視ならFluidピアノ、生っぽさを出したいならAcoustic Piano、ソロ重視ならC_r1を基本線に、SGPnやSGMピアノで補ってやるとよいだろう。その他はいわゆる「個性的な音」が欲しいときに。 ブライトピアノ/エレクトリックグランドピアノだと後述のblakmaparadaの2番が高音質で、リバーブをかけるとさらに化ける。SGMも安定した品質。bennetng_AnotherXGの1番やエレピもなかなか。 ギター ピアノと違ってアコースティックな音源にも高音質なものが多くある(エレアコのおかげ?)。エレキギターの音は好みの問題なので各自探そう。ディストーションをかける場合はFluidの28番(クリアギター)が使いやすい。 79_7mg_Marino_Enhanced_GM_GS_V1_.zip スチールギターが独特な音色(マーチン?)。 50_4mg_Taiji_Generation_4_SE_Ban.zip ギターが全般によい。その他もドラムス以外は無難な感じ。 41_8mg_Saphyr_Two_Thousand_GM_GS.zip クセのない素直な音で、ドラムセットの金物でサステインに違和感があるのが多少気になるが、鍵盤とギターの両方が高品質でしかもバランスがよい。 Acoustic_Guitar_sf2.zip 使える。レガートで音を入れるとフィンガリングノイズが入る、のかな? Anttus_Steelguitar_SF2.zip リアルな音。ベロシティを上げるとアタック部分にノイズを入れた音色に変わる。 Guitar_Bornowski`s_Seagull_Steel.zip 独特のアタック感がある。 Guitar_Maestro_Condenser_(9,833K.zip アルペジオ向き。 Guitar_Nylon_Real__(12,995KB)_sf.zip 珍しいナイロンギター単品フォント。極端な高音域ではピッチがやや怪しい。 ProTrax_Classical_Guitar_sf2.zip さらに珍しいスチールワウンドナイロンギター(一般的には銀メッキ銅ワウンドが多い)。ベロシティを上げると、低音域では弦のビビリが、中音域ではピッキングノイズ的な音が入る。ベロシティを上げない高音域のアタック部分にクロマチックなノイズ(ドローバーオルガンのパーカッション機能のような)が入っているが、多分意図的に入れたものだと思う。 Guitar_Ovation2_sf2.zip 音色の変わり目がやや目立つがアルペジオ用に使えそう。 Guitar_Serrano_Casio_PG-380_Odri.zip 甲高い音が出せる。 PowerDs.zip ディストーションギターの単品サウンドフォント。G4より下とG#4より上で大きく音色が変わる(多分高域だけワウを入れていないのだと思う)が、品質は非常に高い。 Electric_Guitar_sf2.zip 加工の元材料として使える。ディストーションをかける場合は前もってコンプを。ベロシティを上げるとビブラートがかかった音色に変わる。 OdGtLP-JP.zip MM_OdDs.zip ドラムス・パーカッション 生録音してあるものについてはベロシティに注意(急激に音量が小さくなる)。他の楽器に比べて変り種が多い。 Bass_Drum_SF2.zip バスドラロールとか、かなり特殊な音が入っている。用途によっては面白いかも。 Dragon_Drums_sf2.zip 単品で聴くとどうということはないが、ちゃんとしたドラムパターンを打ち込んでやるとよさがわかる。音量が小さめなのでampをいじってやるとよい。押しの強い音。 giantsoundfontdrumkit2-2-sf2.zip バンク0と8に音が入っている。クセのある音だが品質は高い。使うときはゲートタイムを長めに。 maestroシリーズ ばらつきはあるが全般に高品質。スネアのみとかハイハットのみなど、単品での差し替えファイルがいくつかある。ゴーストが入れにくいので別トラックにした方がよいと思う。 Drums_Douglas_Natural_Studio_Kit.zip livekit7_SF2.zip これも押しの強い音。前者はトーン0に、後者はトーン0〜7に音が入っているのでSoundFont Librarianなどで編集する必要があるだろう。スネアとバスドラは使えるが、ちゃんとしたドラムパターンを打ち込んでやると思ったより鳴らない。 Hayden_James_Pro_Studio_Drum_Kit.zip トーン1〜8に妙な並びで音が入っているが、フルセットのドラムとして使うことはあまりないので、とりあえずバンクIDだけ変えてやればよいだろう。個人的にはかなり好きな音。 Drums_evandro_2_sf2.zip Drums_Super_Real_Evandro_(10,737.zip 後者は改良版の模様。トーン0に音が入っているが並びは普通。 real-drums!-2001-sf2.zip 音にクセがあるし並びも妙だが、スネアロールがやりやすい。 Egg_SF2.zip クロマチックなマラカス。非常に凝っている。 Dual_Snare_1_SF2.zip クロマチックなスネアロール。なぜクロマチックなのかはわからないがとにかく気合が入っている。 Hi_Hat_SF2.zip これまたクロマチックなハイハット。使いでがあるかどうかは不明だがとにかく気合が入っている。 管楽器・弦楽器 数は少ないが品質の高いものが多い。 Organ_SF2.zip リードオルガンじゃなくてチャーチオルガン。 Marce_Brass_Section_sf2.zip 普通のブラス。 mcb_sf2.zip クラリネット mcl_sf2.zip クラリネットレガート mcs_sf2.zip クラリネットスタッカート Harmonica_sf2.zip 名前の通り、ハーモニカの音。ビブラートつき。 Orchestra_big_sus_sf2.zip ブラス+ストリングス Sax_Alto_(12,373KB)_sf2.zip アルトサックス。 Strings_DXS_Super_Orchestra_(13,.zip アタックタイムが長いので注意。 シンセなど 数が多く当たり外れも大きいが、一部非常に高音質なものがある。ピアノの項目で紹介したguraydereシリーズにもすばらしいシンセがある。 Emuシリーズ(E-muシリーズ) 各音楽ジャンル向けにパッケージされている。持っておいて損はない。とくに、Emu Vintage Keys Plus.sf2は使いでがある(1番のグランドピアノのピッチがちょっと怪しいのだけが難点だが、ストリングスやパーカッションも入っていて鍵盤使いでなくても有用:0番には音が入っていないので注意)。Emuシリーズ全般に言えることだが、パーカッションが非常に凝っている。DigitalSoundFactoryがリファインしたものもある。 Piano Wurlitzer EP Dry.sf2 HonkyPno.sf2 ProphetVPiano.sf2 上記のEmu Vintage Keys Plusと合わせると、ピアノ・エレピ系の特殊な音色がほぼ一通り揃う。普通のエレピはセットモノやピアノ音源に含まれていることが多いが、AnotherXGの4番と5番、merlinの4番、SGMの4番と5番、Saphyrの4番は深いリバーブにも耐える貴重なエレピフォントである。素で鳴らすならCGMかSGMがよいだろう。Piano.sf2というフォント(SGPnと同じ作者)のエレピもよいのだが、筆者の手元ではプチノイズが入る。 KorgM1A.sf2〜KorgM1E.sf2 非常に高音質なシンセ。 YamahaSY22.sf2 シンセとドラムキット。エレピも面白い。 blakmaparada_sf2.zip 凝った音色がいくつか。使いみちさえ思いつけば面白い素材。ピアノもなかなか。 Trilogy_sf2.zip パーカッションとシンセ。 その他 hsシリーズ wstcoシリーズ Timidity++ではなぜか鳴らないが、音質自体はよい。sfzからなら使える。 Papelmedia_Ahh-Choir.sf2 AngelVoice.sf2 GhostBell.sf2 kazamitstr7.sf2 軽量総合フォント系 ファイル容量と音質のコストパフォーマンスは抜群なので、リアルタイム入力などに威力を発揮するだろう。 EmuAPS_8MB とにかく軽い。CT4MGM.SF2に比べれば倍くらい容量があるが、サウンドカードを限定せずに使えるし、なにより音質が違う(CT4MGMを作っているのもE-muかもしれないが)。 Saphyr.sf2 ギターの項目で取り上げた41_8mg_Saphyr_Two_Thousand_GM_GS.zipのこと。2番のブライトピアノやバンク16の1番あたりがよい。 merlin_gmv32.sf2 やさしい音色。エレピがいい感じ。 037.4 Bennet Ng Another GS V1.0 Bank.sf2 bennetng AnotherXG v2-1.sf2 明るく押しの強い音とやさしい音色が混在している。鍵盤が全体によい。 巨大フォント系 ある程度マシンパワーがないとノンリニア録音専用になるだろう。 Titanic200.sf2 やさしい音色で鍵盤楽器や低音楽器が全般に高品質。ドラムスはちょっとクセがある(一部生音?)が、ハイハットクローズやタムはかなりよい。容量は280MBちょっとでFluidの約2倍だが、処理の重さは比較にならない。ボリュームが小さいのとPANがちょっと妙なので調整が必要だろう。本家も転載先もリンクが切れているが、以下のサイトで入手可能。 http://trade2.cocolog-nifty.com/sound/sound.html CGM301.zipまたはCrisisGeneralMidi3.01.SF2 容量1.65GBというFAT32の限界に挑むかのような巨大フォント。明るく押しが強い音だがコントロールはきいている。処理はTitanic200よりちょっと重いくらい。アコースティック楽器のいかにも生っぽい音が欲しければ格好の素材。4〜5番のエレピ(例外的におとなしい音)もすばらしい。ドラムスも高音質なのだが非常にクセのある音。ピアノを単音で聴くとビビリが入っているため、ノイジーなピアノとして使うのでなければ加工が必要だろう(ピアノの音にオーバードライブをかけるとあんな感じになるので、もしかしたらアンプシミュレーターを使ったのかもしれない)。音量が非常に小さいのでその調整も必要。ホーンセクションも高音質で、ビッグバンドjazzなどは最高に良く鳴る(とんでもなく重いが)。曲を選ぶというよりは、どんな曲でも豪華に鳴らし切ってしまう感じ。現在の入手方法は不明。 CGM180.zipまたはCrisisGeneralMidi1.80.SF2 CGM301の軽量版(それでも240MB)と思いきや、同じ音色でもキャラが違うものがある。1番のブライトピアノや5番のエレピがなかなかいい。 GiantSoundfont http://giantsoundfont.npage.de/ ファイル名失念。筆者が最初に入手したバージョンは合計640MBくらいでいくつものファイルに分かれていた(1ファイルにまとめないと使いにくいだろう)。明るく押しの強い音色が多いが、品質が比較的ばらけているので特定の音色だけ選んで使った方がよいかもしれない。2011年1月26日追記:てっきり開発終了かと思っていたが、現在も開発と配布が継続されていることをBBSでニボシ好きさんという方に教えて頂いた(感謝)。やはり派手系の音色だが品質が向上しファイルもある程度まとまった。