FreeBSDセットアップ「つまみぐい」その4 つまみぐいのさらにダイジェスト版(可能な限りお手軽にKDEを使う) 断りがない限り、設定はrootユーザーで行う。以下ではpkg_addを多用して インストールを行っているが、継続して利用するならぜひportsを利用したい。 ディスク容量は、その1にも書いたが、/usr/home/と/swap以外の合計で5GB、 /swapはメインメモリの2倍(それ以上確保しても意味はない)用意して インストーラの自動設定に任せておけば、足りなくなることはまずない。 心配性でかつディスク容量の余っている人は、適当に各領域の容量を 増やしておけばよい(/swap以外をすべて上記の2倍にすれば鉄板) /usr/home/は外部ディスクの領域で代用できるし、あまり深く考えなくても よいだろう。 rootの他に、一般ユーザーアカウントを最低1つは作っておく。 デフォルトシェルをtcshにしておく(一般ユーザーを作成する際に選択できる) ことと、キーボードとマウスの設定以外は、デフォルトのままでよい。 ディストリビューション選択は最小構成で問題ないが、Linuxエミュレーションを 有効にしておくとほんの少しだけ手間が省ける(無駄の方が多いが)。 1分でも惜しい場合の非常に手抜きなインストール # 筆者が自分で試した手順ではないので、これで本当に起動するのかどうかは未確認 # Windowsあたりとほぼ変わらない手間でインストールできるはずだが、 # この工程でインストールをするくらいなら、PC-BSDやDesktopBSDといった # FreeBSDベースのパッケージを入れたほうが楽だし確実に動くと思う。 # http://www.pcbsd.com/ # http://www.desktopbsd.net/ インストール時にDistributionsでX-Userを選んでおく > pkg_add -r kde > pkg_add -r ja-kde-i18n > pkg_add -r ja-Canna > pkg_add -r ja-kinput2-canna > pkg_add -r webmin > XFree86 -config > cp /root/XF86Config.new /etc/X11/XF86Config /usr/local/etc/rc.d/canna.shのinetdを使う設定になっている部分のコメントをはずす http://pohwa.adam.ne.jp/you/freebsd/samp/ から必要なファイル(最低限.xinitと.Xresourcesは必要)を 適当なディレクトリにダウンロード(ここでは/tmpにダウンロードしたと仮定) > cp /usr/X11R6/lib/X11/xinit/xinitrc /usr/X11R6/lib/X11/xinit/xinitrc.dist > cp /tmp/.xinitrc /usr/X11R6/lib/X11/xinit/xinitrc > cp /tmp/.Xresources /usr/X11R6/lib/X11/xinit/ # あくまでサンプルなので必ず中身を事前に確かめてからコピーや # 連結を行い、コピー後は自分の環境に合わせて適宜編集をする。 # 改行コードの違いによる文字化けにも注意(特にftp転送時) > reboot # ログインする > startx # これだけでKDEは立ち上がるはずなので、あとは> xf86cfg をやっておく # 必要があれば、ブラウザからhttp://127.0.0.1:10000/にアクセス 下準備 tcshの設定 # tcshを使う設定になっていなければ、あらかじめ> chsh -s /bin/tcsh http://pohwa.adam.ne.jp/you/freebsd/samp/ にあるcshrcを適当なディレクトリにダウンロードして (ここでは/tmpにダウンロードしたと仮定) > cat /tmp/cshrc >> ~/.cshrc > rm /tmp/cshrc > cd ~/ サーバ名などを環境に応じて書き換える # cshrcに書いてあるcons25はCUIコンソールの名前で、普通は変更不要 # あくまでサンプルなので必ず中身を事前に確かめてからコピーや # 連結を行い、コピー後は自分の環境に合わせて適宜編集をする。 # 改行コードの違いによる文字化けにも注意(特にftp利用時)。 # 少なくともPACKAGEROOTとPACKAGESITEの行は編集が必要。 以下、pkg_add -rを使うものとして話を進めるので、 ~/.cshrcのsetenv PACKAGEROOTの行をコメントアウトし、 setenv PACKAGESITE ftp://サーバ名/pub/FreeBSD/ports/packages/All/ などと書いておく。 > source .cshrc portsの準備 > cd /tmp > fetch ftp://サーバ名/pub/FreeBSD/ports/ports/ports.tar.gz > tar -zxf ports.tar.gz -C /usr/ > rm ports.tar.gz # かなり時間がかかる(ハードディスクへの書き込みがボトルネックに # なるので、CPUやメモリアクセスが早くても時間はあまり短縮できない) モジュールとデバイスの準備 /var/run/dmesg.bootを開いて、目的のデバイスが認識されているかどうか確認 /boot/loader.conf(なければ/boot/defaults/loader.confを参考に新規作成) を適当に編集してリブート。 # コメントが終わった最初の行にuserconfig_script_load="YES"と書いてあることを確認 # とりあえずサウンドデバイスを有効にすればよいだろう > cd /dev > sh MAKEDEV デバイス名 # デバイス名はたとえばsnd0などのように、デバイスの種類+番号になる。 その他の設定ファイル /etc/make.conf(なければ/etc/default/make.confを参考に新規作成)に MASTER_SORT_REGEX?= ://[^/]*?.jp[/.] CPUTYPE= CPUの種類 DOC_LANG= en_US.ISO8859-1 ja_JP.eucJP と書いておく。 /etc/rc.confを適当に編集(Linuxエミュレーションを有効にするなど) ここまででいったんリブートしておく 基本環境を作る # すぐ使うのはfreebsd-updateだけなので、あとの2つはXを立ち上げてから # ゆっくり入れればよい(上の作業でportsは更新できているし)。 # カーネルを再構築する場合にはfreebsd-updateを入れない。 opensslをportsからインストールしておく。また、cvsup、portupgrade、 freebsd-updateの現在のバージョン番号を何かに控えておく。 > cd /tmp > pkg_add -r cvsup-without-gui-バージョン番号 # もちろん、通常のcvsup(without-guiではない方)でもよい > mkdir /usr/sup > cp /usr/share/examples/cvsup/ports-supfile /usr/sup/my-supfile /etc/my-supfileを編集 # baseとprefixが/usr/になっていることを確認 # ディスク容量が厳しくなければdoc-allと追記 > cp /usr/share/examples/cvsup/refuse /usr/sup/ /usr/sup/refuseを編集 # doc/jp_*の行と、doc以外の全ての行をコメントアウトする ~/.cshrcにalias cvsup cvsup -g -L 2 suplileの絶対パス と追記 > cd /tmp > pkg_add -r portupgrade-バージョン番号 > mkdir /var/log/ports > mkdir /usr/ports/packages > mkdir /usr/ports/packages/All > mkdir /usr/ports/distfiles /usr/local/etc/pkgtools.confの最後の項目を PORTUPGRADE_ARGS = ENV['PORTUPGRADE'] || \ '-L /var/log/ports/upgrade.log' などと書き直す(別にエイリアスで設定してもいいけど) # cvsupで受け入れportsを絞っている場合は # -aオプションなどを避ける > pkgdb -aF > pkgdb -fu > cd /tmp > pkg_add -r freebsd-update-バージョン番号 > cp /usr/local/etc/freebsd-update.conf.sample /usr/local/etc/freebsd-update.conf # 必要ならfreebsd-update.confを編集 > mkdir /usr/local/freebsd-update > cd ~/ > rehash > source .cshrc > freebsd-update fetch > freebsd-update install # freebsd-updateの前にcvsupとportsdb(-Uuオプション)を続けて実行し、 # freebsd-updateの後でportupgrade(-aオプション)も実行しておいた方がよいが、 # これらは必須ではないので、ここではXを入れてから仮想コンソール上で # 行うことにする。もしportsが古いと怒られたらcvsupだけ実行しておく。 必要で、かつまだインストールしていないなら linux_base(emulatorsセクション)をインストールして /etc/rc.confにlinux_enable="YES"と書いておく ここまででいったんリブートしておく ソフトウェアのインストール インストールの手順 時間が惜しい人は> pkg_add -r で入れる。 # portinstallの-PPオプションは、packagesがportsよりも # 古いバージョンだった場合にインストールをあきらめてしまうし、 # -Pオプションでは、気休め程度しか時間が短縮されないので。 ちょっとKDE on FreeBSD を使ってみようかな、というのであれば、 こちらのほうがずっと手っ取り早い。 > portupgrade -a をやる予定なら、> portinstall -P を使った方が無駄がない。 # 比較的小さなソフトウェアの場合や、大規模なソフトウェアでも # 時間に余裕があれば、-Pオプションをつけずにportsから # インストールするとよい(手間自体はあまり変わらない)。 必要なソフトウェアが古いだの入っていないだのと言われた場合は、 一度-Rオプションを追加して実行してみて、改めてインストールする。 それでもだめな場合は、問題のソフトウェアをアンインストールしてから 再インストールし、改めてインストールを試みる。 > setenv FORCE_PKG_REGISTER yes としてからインストールしてもよいが、多少危険が伴うのでそのつもりで。 XとKDE # ちょっと乱暴だが、> portinstall -R -P x11/kde3 一発でインストール # してしまってもよい(最小構成でインストールした場合は避けた方が無難) # -Pオプションを省けばインストールするコンポーネントを選べる。 # ただし、必要となるlibiconv(convertersセクション)のバージョンだけは、 # http://www.freebsd.org/ja/ports/あたりで確認して、事前に入れておく。 # ruby18-bdb1(databasesセクション)のバージョンも一応確認。 > pkg_add -r XFree86-バージョン番号 # もしくは> portinstall -P x11/XFree86-4 > rehash > XFree86 -config > cp /root/XF86Config.new /etc/X11/XF86Config /etc/X11/XF86Configを適当に編集 # もちろん、xf86configを利用してもよい。その場合、モニタには適当な # 名前をつけ、それ以外は名前なしでエンターを押す(と問題が少ない気が # するが、理由は不明) > startx Xがきちんと立ち上がることを確認、仮想コンソール(xterm)から > x86cfg いろいろと設定してXを終了 > pkg_add -r kde-バージョン番号 # もしくは> portinstall -P x11/kde3 # KDEはファイルサイズが大きすぎるというのであればkde-liteにする > pkg_add -r ja-kde-i18n-バージョン番号 # もしくは> portinstall -P x11/ja-kde-i18n ディスクの容量も考慮する必要はあるが、どう考えても間違いなく使うことが ないであろうコンポーネント以外は、すべて入れておいた方が後々面倒が少ない。 # KDEアプリについてはその5でも少し触れる。 好みで日本語フォントをインストールしておく(必須ではない)。 japaneseセクションにある、さざなみ(sazanami-ttf)、東雲(shinonome)、 モナー(monafonts)あたりを入れておくのが安定。 # フォントのmakeには非常に時間がかかるので、pkg_add -r を使うとよい その他のソフトウェアのインストール 下記のソフトウェアを全部入れてしまう # 見つからない場合はFTPなどでファイルを探すか、portsから入れる # 極端に大きなソフトウェアではないので、全部portsからでもよい ja-Canna # ports/japanese/Canna ja-cannadic # jports/japanese/cannadic ja-kinput2-変換サーバ名(ja-kinput2-cannaなど) # ports/japanese/kinput2-変換サーバ名 ついでなので、下記のソフトウェアも入れておく。 ja-kon2-フォントサイズ(ja-kon2-14dotなど) # ports/japanese/kon2-フォントサイズ ja-man-1.1J # ports/japanese/man ja-man-doc # ports/japanese/man-doc ja-nkf # ports/japanese/nkf wrapper # ports/x11/wrapper imwheel # ports/x11/imwheel ここで入れなくても、必要になったらその都度インストールすれば問題ないし、 環境によってはすでにインストールされているソフトウェアもある。 # Xのバージョンが古くなければwrapperは標準で入るし、kinput2を入れれば # ja-manも入るはず。 Xと言語の設定 .xinitと.Xresourcesと.Xmodmap ここに設定を書くと長くなるので、 http://pohwa.adam.ne.jp/you/freebsd/samp/ にある.xinitと.xsessionと.Xresourcesを適当なディレクトリに ダウンロードして(ここでは/tmpにダウンロードしたと仮定) > cp /usr/X11R6/lib/X11/xinit/xinitrc /usr/X11R6/lib/X11/xinit/xinitrc.dist > cp /tmp/.xinitrc /usr/X11R6/lib/X11/xinit/xinitrc > cp /tmp/.Xresources /usr/X11R6/lib/X11/xinit/ > cp /tmp/.Xmodmap /usr/X11R6/lib/X11/xinit/ # あくまでサンプルなので必ず中身を事前に確かめてからコピーや # 連結を行い、コピー後は自分の環境に合わせて適宜編集をする。 # 改行コードの違いによる文字化けにも注意(特にftp転送時) > ls -l ~/ として、パーミッションに不備がないかを確認し、不備があれば > chmod 0644 ~/.cshrc などとして直す(.xsessionだけは0744)。編集が終わったら、 所有者の書き込み権限を解除しておいた方がいいかもしれない。 # rootユーザーなら、0600や0700の方がよいかも 重複した設定がいくつかあるが、念のためなのでわかる人は自分で 削って欲しい。エラーが出る場合は、その3を参照しながら コメントアウトを外してみる。 .xinitと.Xresourcesと.Xmodmapの説明 .xinitはkdeが単独で立ち上がる設定になっているが、KDE以外の ソフトウェアを立ち上げたい場合は、適宜後半の方に書き加えたり コメントアウトを解除したりする。.XresourcesはKtermとKinput2の 設定だけしてある。.Xmodmapは半角/全角キーの設定のみ。 rootになって以後の設定を継続する。 その他の設定 /etc/X11/XF86Config InputDeviceセクション内mouseの項目に Option "Buttons" "5" Option "ZAxisMapping" "4 5" # 2ボタン+ホイールボタンのマウスの場合 Moduleセクションに Load "xtt" Filesセクションに FontPath "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/TrueType" を追加 Moduleセクションの Load "freetype" を(あれば)コメントアウト。 cannaの設定 > cd /usr/local/share/canna/dic/canna > cp dics.dir dics.dir.default > cat dics.dir.gpl_canna >> dics.dir > su cannaを利用するユーザー > cp /usr/local/share/canna/default.canna ~/.canna ~/.cannaのuse-dictionaryに "gcanna"と"gcannaf"を追加して "iroha"をコメントアウト(;;) /etc/rc.confにcanna_enable="YES"と追記 ~/rkc.confという空のファイルを作る > exit /usr/local/etc/rc.d/canna.shのinetdを使う設定になっている部分のコメントをはずす > /usr/local/etc/rc.d/canna.sh start > mkdic -fq gcanna imwheelの設定 > cp /usr/X11R6/etc/imwheelrc ~/.imwheelrc ~/.imwheelrcを適当に編集 FreeBSD5.xでkonを使う場合 /etc/devfs.confの #link ttyv0 vga という行のコメントアウトを解除 設定終了 いったんリブートして、設定をしたユーザーでログイン > startx とするとKDEが立ち上がるはずなので、設定ウィザードに答えていく。 エラーが出る場合は、セットアップその3を参照しながら設定を見直す。 ここまで終了したら、念のため、各種設定ファイル (loader.conf、rc.conf、make.conf、fstab、XF86Config、.cshrc、.canna、 my-supfile、refuse、.xinitrc、.xsession、.Xresources、imwheelrcなど)の バックアップをとっておく。 KDEの設定については次以降のセクションで。 おつかれさまでした。