演奏用語


イフェクト用語についてはAudacityコーナーの用語集を参照(同じ用語でも意味が変わる場合がある)。

クラシック方面の用語は音楽用語集というサイト、演奏記号はWikipediaJPの解説も参照のこと(どちらも外部リンク)。


アクセント/強勢(accent)
特定の音を強調する(強く鳴らす)こと。

アルペジオ/アルペッジョ(arpeggio)
和音の構成音を一斉に鳴らさず、(鍵盤の場合普通は低音側から)順に鳴らすこと。楽器によって具体的な奏法が異なる。

グリッサンド/ポルタメント(glissando/portamento)
音を出したまま音程を上げ下げする。鍵盤楽器(とくにハモンドオルガン)で指(爪)を左右に滑らせる(掌でやる場合もある)のをグリッサンド(特定の音でとめる場合はスライド)、フレットのない弦楽器などで滑らかにやる(とくに、音程移動中の音を強調しない場合)のをポルタメントということが多い(はず)。本来の音より半音下げで入って元に戻る動きはとくにフェイクという(ブルースでハープ・ヴォーカル・スライドギターなどが多用する)。グリッサンドを「グリス」(gliss.)と略すことがある。

トリル(trill)
違う音程(普通は長2度)の音を交互に繰り返し鳴らすこと。ギター族の場合、ハンマリングオンとプリングオフを繰り返すこと。打楽器で強い音と弱い音(またはその反対)の繰り返しを指す場合もある(同じ強さで速く繰り返す場合はロールと呼ぶことが多い)。

トレモロ(tremolo)
同じ(音程の)音を繰り返して鳴らすこと。この意味でのトレモロをとくに「同音反復のトレモロ」とか「同音トレモロ」などという場合がある。ギター族の場合トレモロピッキングという語が好まれる(単に「トレモロ」というと、トレモロアームの操作を指すことが多い)が、同じ意味でトリルピッキングと言う人もいる。同音または異なる2音(「同音または複数の音」と表現されることも多い)を(できるだけ速く)反復させる、という広い用法もあってさらにややこしい(2音反復をとくに指す場合は「2音トレモロ」と称する)。

ビブラート(vibrato)
音程を上下に震わせること。これも音程に限定せず、音程のビブラートとか音量のビブラートなどという用法がある。

スタッカート(staccato)
音を切る。

テヌート(tenuto)
音を保つ(切らない)。

レガート(legato)
滑らかに演奏する。テヌートと違って、音符ではなくパートを対象にして言う。

リタルダンド/リット(ritardando/rit.)
だんだん遅く。rallentandoなど速度を下げる表現は他にもあるのだが、DTM周辺ではなぜかすべて「リット」と呼ぶ人が多い。

アッチェレランド/アッチェレ(accelerando/accel.)
だんだん速く。「だんだん速くして終わる」という意味でも使われるが、DTM周辺では単にリットの反対の意味で「アッチェレ」という人が多い。

カデンツァ/ケーデンス/終止(cadenza/cadence)
曲が区切れる部分(必ずしも曲の終わりとは限らない:区切れ方の程度による)。

シンコペーション(syncopation)
もとは「弱拍と強拍をタイでつなぐこと」を指した(現在でも「切分」とあえて日本語表記する場合はこの意味であることが多い)のだが、転じて「強弱を入れ替えた演奏」の意味で用いられる。どういうことかというと「強弱中弱,強弱中弱」という演奏(カンマは小節の区切り)にタイを入れて「強弱中強,ー弱強弱」とすると、「タタタ,タタタ」が「タタタ,ァタタタ」になり、これをずーっと連発し続けると「ァ,ァ」になる、ということである(「中」を「強」に入れてしまうと結局「弱強弱強」になり、強弱が反転する)。誇張して演奏するとこんな感じだろうか(最後はタイを取って音符を再分割している:ブルーノートを対斜で説明するような例と同じく、多少強引な感じは否めないが、やむを得ないのだと思う)。「強弱中弱」が(クラシックの)基本形であることを念頭に置かないと意味がわからなくなる。なお、拍単位で前倒しするのはアンティシぺーションと呼ばれる。

ルーディメンツ(rudiments)
有名なスネアドラム教則の名前。右手/左手で叩くのをR/Lで示し、Rで始まってRで終わるまたはLで始まってLで終わるフレーズは左右を入れ替えて2回ワンセットにすることが多い。ルーディメンツ用語で覚えておくとよいのは、〜ストロークまたは〜ストロークロール(〜にはシングルやダブルなど数詞が入り、たとえばダブルストロークではRRLLRRLLと繰り返す)、フラム(弱い音を直前に置いて「ダラッ」という響きにしたもの)、ラフ(フラムの弱い音が2つ以上あるバージョンで、単にラフというと弱い音2発+強い音1発の「3ストロークラフ」を指す)、パラ(LRまたはRLと打つ)、ディドル(RRまたはLLと打つ)あたり。パラとディドルは数え方が違い、RLRRLLはパラ-ディドル-ディドル、RLRLRR LRLRLLはダブルパラ-ディドルになる(RLRR LRLLのノーマルバージョン=ストレートパラディドルに対し、RLLR LRRLはインワードパラディドル、RRLR LLRLはリバースパラディドル、RLRL LRLRはディレイパラディドルと呼ばれるが、ドラマー以外の人は覚えなくてよいだろう)。また、たとえばRLRL,RLRR,LRLR,LLRR(16ビート4拍子)のような打ち方を「トリプルパラ-ディドルとダブルパラ-ディドル-ディドル」ではなく「2拍目からパラディドルで3拍目ウラからパラ-ディドル-ディドル」と表現してしまう(RLRL,RLRR,LRLR,LLRRと、シングルストローク扱いできる斜線の部分を省いて言う)場合もある。

ダカーポ(dacapo)
最初に戻る。

セーニョとダルセーニョ(segnoとdal segno)
ダルセーニョが出てきたらセーニョのところまで戻る(楽譜上では「||:」と「:||」で表すこともある)。

コーダ(coda)
曲の終わりの部分。後ろに飛ぶセーニョ。

フェルマータ(fermata)
止める。音を長めに鳴らすことがほとんど。

ギターの演奏方法(右手)
なかなかメンドクサイ。一番よく使われるであろうピッキング(picking)は「(とがったもので)つつくorほじる」というのが原義で、爪(ピック含む:以下注記がなければ同様)で1本(複弦の場合1コース)の弦を鳴らす前提で言うが、実際には指の腹を使って爪は使わないことも多い(なお、親指は「フィンガー」に含まれないので、たとえば「スリーフィンガーピッキング」というと人差し指〜薬指を使う奏法を指すのが本来:親指を使うかどうかは楽器や流儀による)。ストローク(stroke)は「往復運動」の意なのか「(しわをのばすように)なでる(orさする)」の意なのかよくわからないが、6弦から1弦までまたは1弦から6弦までを(個別にミュートせず)順に鳴らすことを言う。ストラミング(strumming)は「かき鳴らす」の意で、ストロークよりも曖昧に、適当な場所に適当な指をぶつけてこする(フィンガーストロークは1本の指でやるが、ストラミングでは普通複数の指を使う)。右手のミュートは、掌(の横側)をブリッジ近くに当てるブリッジミュート(パームミュート)、鳴っている弦をピックで押さえるピックミュートなどがある。ストロークっぽく入れる装飾音(とくにエレキギター)はチョップと呼ばれ、キツめのブリッジミュートと組み合わせる(ミュートしたままストロークorストロークしてすぐミュート)ことが多い。

ギターの演奏方法(右手特殊)
ピッキングをさらに細かく、アポヤンド(隣の弦に寄りかかる形で止める)とアルアイレ(隣の弦に触らず空中で止める)に分けることがある。また同じ指で連続して弾くのをレイキング、違う指で交互に弾くのをオルタネイトと呼ぶ(フラットピックを使う場合アップピッキングとダウンピッキングの使い分けを指すことがある)。ボウイング(bowing)は文字通り(ヴァイオリン用などの)弓で弦をこすること(反対に、通常弓を使う楽器を指で弾くのはピチカートという:クラシックギターの場合ブリッジミュート(というか、多分「ヴァイオリンのピチカート奏法を真似て」)の意図でピチカートと言う場合がまれにあるようだ)。スイープは左手のミュートで音を分離しながら行うストロークと説明されることが多い。タッピングは指先で弦をフレットに叩きつけて音を出す(ハンマリングオンとの区別は曖昧)。タンボーラ(tambora)は弦を叩く奏法(スラッピングと違い必ずしも指板に叩きつける意図はなく(叩きつけることがないわけではない)、実際の演奏ではブリッジに近いところを叩くことが多い)。バッテレ(battere:beatのイタリア語形)はいろいろな意味で使われるが、スラップ奏法に近いものを指すことがある。フラメンコ系の用語は感覚的に用いるものが多く、ラスゲアードとセコ(セーコ)とチョルリターソなど厳密な区別がないものもある。ゴルペ(指先でサウンドホールの周辺を叩く)やボディヒット(名前の通り胴を掌や肘などで叩く)など弦以外のパーツを叩く奏法も豊富。

ギターの演奏方法(左手)
ハンマリングオン(打ち付けるように押さえるという意味)は指先で弦をフレットに叩きつける。プリングオフ(引っ張りながら放すという意味)は押弦した指を引っ掻くように放す。ハンマリングオンとプリングオフを交互に繰り返すのをトリルというが、クラシックギターではまれにフィンガーピッキングで交互に音を出すことを言う場合もある。音を出した後弦を押さえたままフレット移動させるのがスライド、スライドの最後で再度音を出す場合はポルタメント、フレット移動の都度音を出すのはグリッサンドと呼ばれる。カッティングはミュートで音を切ること、ブラッシングはミュート弾きで音程感のない(パーカッシブな)音を鳴らすことだが、広い範囲に援用される(ハーフミュートで音を出してからミュートをキツくする場合や、ずっとハーフミュートしている場合はどちらにも取れるので、はっきりした区別はない:ミュート方法も、単に左手の押さえ方をユルくする意図で言う場合もあれば、ハーモニクス音が混じった音色を指す場合や、右手のブリッジミュートを前提にして言う場合もある)。

エレキベースの場合
アポヤンドのツーフィンガーピッキング(高音弦を弾く場合は低音弦を親指でミュートしておく)が基本で、人差し指をとくに多用する(高音側に弦を移動するときのみ中指を使うのがベーシックなようだ)。フラットピックピックや親指弾きやスリーフィンガーピッキングなども用いられる。スラッピング(slapping)は「パチンと叩く」の意で、ギターの場合文字通り弦を指(普通は右手の親指)で指板に叩きつけることを指すが、ベースでスラップ奏法というと、もう少し広い意味がある(ギターで同様の言い方をしないわけではない)。親指を弦に叩きつける動作をサムピング(thumping:必ずしも指板に叩きつけるとは限らない)、親指または他の指で弦を引っ掻き上げる動作をプラッキング(plucking)といい、これを組み合わせたものをスラップ奏法と呼ぶことが多い。プラッキングは「むしる」という意味で、弦を強く引っ張ってから放す動作を指すのだが、親指を使う場合は含めない人が多かったり(その場合アポヤンドからの連打を利用する前提なのが普通で、サムダウン/サムアップ/プラッキングと呼び分ける)、弦を指板に叩きつけるように放す(故意にビビらせる)含意があったりなかったり、プリングと呼ぶ人がいたり、定義が一定しない(単に強めのフィンガーピッキングを指すこともまれにある)。



もどる

自滅への道トップページ