遅まきながら(14/05/03)

名古屋工業大学国際音声技術研究所が開発したSinsyというヴォーカルシンセがかなりのパワーアップを遂げていた。ヴォーカルシンセのコモディティ化に一役買いそうに見える。

技術特徴として、Hidden Markov Model(隠れマルコフモデル)を用いている。これは「システムがマルコフ過程であると仮定して未知パラメータを推定する」手法で、音声認識の分野で先に活用されていたらしい。マルコフ過程というのは「マルコフ性をもつ確率過程」=「時間とともに変化する確率変数のうち、現在状態のみに依存し過去の状態に依存しない特性を持つもの」のこと。ようするに「過去にどんな状態であっても、現在ある状態であれば、次にどんな状態になるのか確率で把握できる」という前提で最尤状態を求める、もっとぶっちゃけると「この条件が揃っているときはこうするはずだ」と推定する手法なのだと思う、多分。

細かい原理はまあ置く(というか、調べたい人はちゃんとした論文を自前で調べてもらう)として、「この条件でこうした」というサンプルだけでシンセサイズできるというのは、手軽さの面で画期的である。


BEHRINGERの国内流通が変わった模様(14/05/24)

いつからなのかわからないが、BEHRINGERの輸入代理店がサウンドハウスとホットラインミュージックになっている。サウンドハウスは従来どおりで、ホットラインミュージックは、島村楽器とオフプライス楽器とbehristoreを販売店としている模様。

島村楽器の会長がホットラインミュージックの代表者を兼任(確認はしていないが、まさか同姓同名の別人でもなかろう)しており、オフプライス楽器とbehristoreはホットラインミュージックと所在地が同一(同じビルの同じ階)のオフプライス楽器サイト株式会社が事業者になっているようだ。ごちゃごちゃしているのですぐにまた改変されると思うが、どうやら、日本国内はサウンドハウスと島村系列の2本立てで流通させるらしい。

2010年12月10日の日記で触れたように、ベリンガーを含めたMUSIC Groupの製品は直販方式(当時はクリエイティブみたいなやり方を想像していた)にするとアナウンスされていたが、方針転換があったのだろうか。なお、本家サイト英語バージョンのBuy Nowページから「Japan」だけの設定(手動では選択できないが日本から接続したときのデフォルトになっている)で検索すると、1件ヒットでHotline Musicのみ表示される。


ベリさんの新スピーカ(14/05/24)

BEHRINGERがNEKKSTシリーズ(KRKのエンジニアと組んだ上位ラインナップ)に引き続き、MONITOR SPEAKERS MEDIA 40USBとMONITOR SPEAKERS STUDIO 50USBというスピーカを出したらしい。日本にはまだ入ってきていないようで、アメリカではMEDIA 40USBが100ドル、STUDIO 50USBが130ドルくらい。

50USBに「1" silk dome tweeter」「5" woofers with deformation-resistant Kevlar cone」とあるだけで、本体のディメンションすら不明(もう売ってるところもあるみたいなのに)。どうやら40USBの方が小さい(名前から4インチなんだろうなとは思う)らしく、こちらだけグリルつき。Brochureもウェブの記載をコピっただけ。相変わらずといえば相変わらずだが、40USBの仕様を伏せているのは、もしかしたら意図的なのかもしれない(逆ドームウーファーなのかなという気もする)。どちらも、デジタルでクロスオーバーさせるバイアンプらしい。

価格がどの程度で落ち着くのかわからないものの、宣伝文句なんかからはMSシリーズを置き換えたいようにも見える(メーカーの分類ではMSシリーズがMultimedia Speakers、今回の機種はStudio Monitors)。とするとMS16相当のラインナップが消えることになるが、ぶっちゃけこれは妥当というか、MS101III(や6301Bシリーズ)に対抗するつもりなら別に作った方がよさそう。

出音どころか仕様もわからない製品をああだこうだしても始まらないが、現在の情報を眺める限り、ベリさんにしては思い切ったモデルのように感じられる。これまでの「直線押し相撲一辺倒」から「組んだら寄れるし投げも打つ」みたいな攻め方にシフトしたいのかもしれない。


Voxの新ラインナップ(14/05/27)

また新製品の話題(物欲が高まった時期にまとめてチェックしているので日記でも固まることが多い)。VoxがTonelab STを復活させ、新しいミニチュアアンプSOUNDBOX mini(なぜSOUNDVOXじゃないんだKorgさん)を出した。前者は生産中止が惜しまれていた機種なので(リニューアルでなく前と同じ仕様なのはちょっと謎だが)わかる話。後者はちょっと面白い。

でそのSOUNDBOX miniは、4インチ2発の電池駆動マルチパーパスアンプで、2.4kg(電池含まず)のマイクスタンドマウント対応(3/8インチ(AKGネジ)らしい)、Hi-Z兼用ステレオモノ兼用ライン+マイク+Auxステレオの入力、ヘッドフォン出力、ギター・ベース・アコギ(多分エレアコ)・キーボード用のアンプシミュレータ(キーボード用の3番がラインと兼用)、コンプ・コーラス・フランジャー・トレモロから1つ+ディレイ・エコー・スプリング・ホールから1つの2系統イフェクト(後者はマイク入力からもセンドできる)、付属ACアダプタ(DC12Vセンタープラス)or乾電池(単三6本でアルカリだと公称7時間)、その他E音チューナーやらAuxセンターキャンセルやらワイドスイッチ(多分「ちょっと凝ったMSエンハンス」だろうと思う)やらタップテンポやらがついて、amazonJPで2万円くらい。

4インチフルレンジ2発のマルチパーパスというとMOBILE CUBEと丸カブリ(THRシリーズはちょっと毛色が違うかな)で、設計が新しい分機能的になっているのかなという気がする(が、MOBILE CUBEの実売が1.5万円くらいなので、価格的にはちょっと高い)。比べると、重さは同じで外形寸法も似たようなものだが、MOBILE CUBEが前面バスレフなのに対しSOUNDBOXは密閉に見える。おそらく、ベースアンプとしても機能させる都合でローエンドがバッサリ落ちる小型バスレフは選択しにくかったのだろう(当て推量)。

んーしかし4インチフルレンジ2発かぁ。バブルラジカセみたく2wayにしてゴリゴリのバスレフで中低域押せば10cmでもそれなりに鳴るんだろうけど、体積足りんかったんだろうなぁ。もうワンサイズ上げられれば(=FENDER JAPANのDICE IIに電池ボックス積んだくらい)イロイロとラクなんだろうけど、デカくすると売れなくなりそうだしねぇ。ふむふむ。ついでに、いつ出たのか知らないがTB18C1というのも面白そうだなと。



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