どうでもいい話なので、意味がわからない人は表題を無視して欲しい。
ARADAZ VST FREEというプラグインを試してみた。種類が複数あるが、AradazAmp_Crunch_v1.3というのが好感触(GUIAとGUIBの2種類があるが、中身はどちらも同じ模様)。筆者が試した限り、CABとSPKRは両方スイッチを下(設定値で1.0、ランプの色はそれぞれ黄色と赤)に固定するのがよいようで、GAINは小さめ(せいぜい0.5、筆者が使うなら常に0)にしてINPUTで歪み具合を調整するのが無難か。
名前どおりのクランチサウンドを求めるなら、GAINとINPUTを両方0にしてやるとよい。エレアコにも使えそうではあるが、EQをフラットにしておくとラインの音がややキツくなる(エレキやマイクの音だとさほど気にならない)。TREBLEを2.0弱(9時)くらいまで絞ってやれば、ラインにも使えそうな気がする(INPUTも9時方向くらいよりは上げない方が無難)。全般にトゲのある音色なので、エレキをガッツリ歪ませる場合もTREBLEを絞った方がよさそう。
最近いくつかウェブ配信用のマスタリングをやったのだが、非可逆圧縮で急激なローパスがかかると妙な感じになることが多いような気がしてきた(いづれも筆者の録音ではないので音声サンプルはナシで:そのうちしっかり実験して固定ページに掲載する予定)。
たとえばこんな風にばっさり切れる場合、
軽くローパスをかけてやって
こんな感じにした方が自然に仕上がるような気がする(上記のスペアナ画像はローパス以外の処理もいろいろやっているので単純には比較できないが)。とくにカットオフ周波数周辺が盛り上がっている場合に顕著だと思う。
非可逆圧縮用のマスタリングはまだあまりノウハウが蓄積されていない(もしくは、蓄積されていたとしても広く公開されていない)分野なので、注意を払ってみる価値があるように思う。
マーチンがレコーダーを買いたいらしい。機械ドシロウト、パソコンなし、弾き語りでのデモ作成だけという条件。マーチンにオンマイク録音(しかも弾き語り)をやらせてマトモな音が録れるとは思えないので、オフマイク録音専用になるだろう。
本人の第一候補はR-9らしかったが、オフマイク/ソロ音源/音楽用だとコストパフォーマンスが出ないので「それはやめとけ」と言っておいた。だいたい、テープレコーダー持ってるんだから新しいレコーダーなんていらんだろう(その金で少しでも多くスタジオに入った方がよっぽどいい)、という案には納得できないようなので、できるだけコスパのいい代替機種を(筆者が)選定中。ウチのレコーダー1台あげるよ、と言ってみたがデカくて重いのはイヤらしい(まあ筆者も苦労しているので気持ちはわからなくもない)。R-9自体は他の人に勧められたらしいのだが、「リアルな音で録れるよ」と言われてすっかりその気になったらしい。
筆者が(一般人が録音してかつ無加工の)音を知っているポータブルレコーダーは、R-9とICR-S280RMとPS-4くらいなのだが、現時点での筆者の認識は「マイクの設計思想が噛み合うかどうかが問題で、カタログスペックはほぼ問題にならない」というものである。オフマイク音楽用、オンマイク音楽用、生録用、会話用などの用途すべてに対応可能なマイクは存在しない(会話用/音楽用の区別くらいは録音後の段階で差をつければよさそうに思えるのだが、コストと需要のバランスが取れないのか、ローエンド機で実装している例はあまりない)。
ではどういうマイクがいいのかというと、ステレオマイク(しか事実上選択肢がないのだが)限定で考えた場合「無指向性またはオフマイク用の単一指向性で、単一指向性の場合は開き角が小さいもの」という条件になる。単一指向性でオンマイク用だと、ロールオフが邪魔になる(オンマイクで強く入った低音を削るのは比較的ラクなのだが、オフマイクで薄くなった音を持ち上げるのは結構やっかい)。開き角が大きいとセンターが軸を外れるのでソロ音源のオフマイク録音には向かない。
カタログで比較してみたところ、DP-004あたりかなぁという感触。マイクが無指向性(ハッタリ性能に走らないTASCAMの心意気やよし)だし、スタジオのミキサーから録音するようなケースにも対応できるし、伴奏やクリックも乗せられるし、値段もR-9よりは安い。マイクを自作して安いレコーダーを使えばもっとコスパがよいのだろうが、マイク自体は500円もあれば作れるものの、ケースを作るのがムリっぽい。音楽用に使えそうな外付けステレオマイクというとオーディオテクニカのAT9910あたりだが、取り付け方法など微妙なところでセンスが悪い。どの辺で妥協するかなぁ、といった状況。D4が投売りされてたときに買えばよかったのに。
真面目なレコーディングをやることになったので、音源の選定を進めている。ピアノはFluidかEOSの内蔵音源でいいだろう。オルガンは普段遊んでいるNuBiLEで決まり。エレピはLazySnakeが順当だがサウンドフォント系でも使えそうなネタが溜まっているのでいくつか試したい。ベースはEVM Basslineが第一候補だが、やたらとうるさい音源なので様子を見ながら。4frontのベースが意外と使えそうな気がするのだがどうだろう。
マーチンお約束の「ストリングスをファーって入れて」攻撃がすでに始まっているのでストリングスとブラスも選んでおかなくてはならないのだが、DSKシリーズかEOSの内蔵音源からテキトーに見繕えばいいかなーなどと安易に構えている(いやだってホラ、打ち込みストリングスなんてアタックレートだけ決まればあとはどうでもなるでしょ、きっと)。
問題はドラムス。Fluidで行く手もあるのだが、筆者としてはもうちょっと凝りたい。EOSのドラムス音色はダサいので却下。VSTiのドラムス音源でよさげなのは心当たりがない。サンプリング素材を買ってくるのもアリだなと思い探してみたが、クリプトンのサイトが悪夢のように閲覧しにくく非常に疲れた(せめてループ素材と単音素材は分けてよ)。Kore Playerの付属サンプルがいい感じだったのでNative Instruments(デモはmp3で置いてよ、ストリーミング再生うっとおしすぎるよ)のPOP DRUMS買っちゃおうかなぁと思ったのだが、Kore Playerにある
YOU MAY NOT:という制限がPOP DRUMSにも当てはまるのかどうか確認できなかったのでやめた。
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どうせお金を出すなら前から欲しかったDrum Premierという手もあるのだが、筆者は対応サンプラーを持っていない(今回買う気もない)。公式サイトによると、
ASR Attackは純粋なWAVファイル集ですが、Drum Premierは各サンプラー用にあらかじめキットが組まれています。だそうな。うぅむ、Too muchというか、rawデータも欲しいなぁ。むしろ録音直後の生waveだけありゃ後は勝手にやるのだが・・・プロユースを意識すると省力化は避けて通れないのかしらね。
とりあえず、Drum Premierの仕様と規約を問い合わせてみて、自力でデータを抜いて何とかできそうなら購入の方向で検討中。
地理的な条件(ウチからマーチンの家まで、乗換えと駅までの歩きを含めて2時間近くかかる)が厳しいので、スタジオを複数使い分ける必要がある。マーチンの近所で安く使えるところ(当たりはつけてある)と、ウチの近所で設備が充実したところ(これは問題ない)と、サポートメンバーが入るとき用に都心部で交通の便利なところ(後回し)で、3箇所くらいは使うことになると思う。
ポータブルレコーダーの件は「テレコでいいからまず自分で録音してみなよ」と言ったのが功を奏したようで、さっさとリハスタに行った方が安くていいデモが録れるということは納得してくれたようだ。現在候補にしているスタジオには業務用のCR-Rレコーダーが入っているので、マルチトラック録音をしないのであれば、そちらを使うのが一番である。
数日前にテープは届いていたのだが、私用がゴタゴタしていてまだ封を開けていなかった。曲がよくなければアレンジなんぞやる意味がないし、アレンジが杜撰であれば演奏(とレコーディング)が上手くいくはずもなく、レコーディングがキッチリできていなければミキシングでコケるのは目に見えているわけだが、今回の曲はモチベーションを通り越してある種責任感を覚えさせる出来だった(中でも「華歌」という曲がいい感じ)。やるなマーチン。筆者が自分で書く曲とはかなり傾向が異なるが、踏み込み方の青写真は一通りできた感触である。
今回鍵盤を(筆者が)リアルタイムで弾く必要はなさそう(ホントによかった)なのだがギター弾く奴ってどうしてああGbだのCmだのEだのってメンドクサイKeyでやりたがるのだろうか(せっかくGなんだから半音下げチューニングとかすんなよ、だったらEの曲は半音上げてFでやれよと声を大にして言いたい:理屈がおかしい気もするが気にしてはいけない)。
デモを聴いていて、どうしても生ドラム/パーカッション(ドラムセットではなく、バスドラだけとか、リムショットだけとか、そんな感じでピンポイントに)を使いたい曲がいくつかあったのだが、マイクはまだ検討中。低音用マイクは高価だし、コンデンサマイクは保管と運搬が面倒なのでレンタルで済ませたいところ。Drum Premierは筆者が想定している使い方なら問題ないという回答を頂いた。非常にありがたいことである(Kontaktから使った方が便利なことは承知しているが、今回の予算では間に合わないので、サンプラーはおいおい、ということになる:筆者は利用方法について不特定多数に助言できる立場にないので、似たような疑問を持っている方は自前で規約を読むなりして解決して欲しい)。シンセストリングスの音源どーっすかなー。
手焼きの自主制作とはいえ売り物のCD制作に首を突っ込むことになったわけだが、デモを聴いた興奮がひと段落して、アレンジの実作業にも取り掛かったことで少し危機感が出てきた。
だいたい筆者は、プレイヤーとしては素人以前、アレンジも下こそアマチュアなりにやれるつもりでいるが上モノは完全に素人、レコーディングもそれなりに経験値があるのはギターとヴォーカルだけ(生パーカッションとか言い出さなければよかった気がしないでもない)、ミックスはまあ問題ないとしてもマスタリングは素人同然、といったレベルである。
しかも今回「明らかに技量が上の人」と分担してアレンジ/打ち込みをすることになった(ミックスから先は筆者のみ)ので、なかなかヘヴィな重圧がある(最初の時点では「筆者が下、別の人が上モノ」という話だったのだが、「曲ごとに分担」するということが後でわかった:そりゃねぇよ)。筆者にも一応ミエはあるので、アルバムを通して聴いたときに「筆者のアレンジだけしょっぱい」という事態は何としても避けたい。
今回の事情としてもう一点厳しいのは、プロデューサー/ディレクターに相当する人がいないこと。しいて言えばマーチンのセルフプロデュースなのだが、なにしろ相手は「弾き語り以外ドシロウト」である(経験がない人にはわからないかもしれないが、相当なピンチである)。ついでに言えば予算を管理している人もいない(いいのかよ・・・)。
危機感が重圧を前向きな動機に変換しつつ、トータルなサウンド作りではなく穴埋めとブラッシュアップを意識した作業ができればいいのかなぁ。まあグダグダ言っても自分にできることは限られているので、できることをしっかりやりましょうかね。
ドシロウトが勝手に考えた理論なのでどこかしら間違っている可能性が高いことを、とくに念を押しておく。
完成してもいないモノの皮算用をなぜ今からするのか、という印象があるかもしれないが、順番から言えばむしろ遅すぎである(なぜ筆者がやるのかというと、こういうことをやる人が他にいないから:もちろん筆者も素人である)。だいたい、60分のCDを各曲10テイク録音しただけで最低600分はかかるわけで、スタジオ代だけでもけっこうな額になる。固定費(マスターアップまでにかかる費用)をa、変動費(CD1枚ごとにかかる費用の合計)をb、売上をcとしよう。とりあえず、労力はコストに含めないで考える。限界利益=c−b、利益=c−a−bになる。手焼き(変動費にスケールメリットが見込めない)なので、変動費は制作枚数にほぼ完全に比例するだろうから、現実的に、損益分岐点を下げるには固定費(というか、総売上に対する固定費の割合)を圧縮するしかない。
まあ、コントロールできる変数が固定費と制作枚数だけなのだから当たり前と言えば当たり前なのだが、結局リスクマネジメントには固定費の圧縮しかなく、また固定費をかけないとスケールメリットが出ないということがわかる。また言うまでもないが、制作枚数または固定費が一定水準を超えると、個人でリスクを被るのは危険だということになる。当然のことだが、手持ちの機材と場所(消耗品やインフラ費用は考慮せず減価償却もしないものとする)だけで制作すれば、固定費がゼロになるので絶対赤字にはならない。変動費はメディア代(歩留まりが悪いと手間がかかるし、万が一生焼けで交換となると大変なのでいいものを使いたい)と印刷代で200円とドンブリ勘定しよう。
固定費は、損益分岐点~倍の販売数(ぶっちゃけ、手売のCDが最低販売予定数の3倍も4倍も売れることはほとんどない)で一定のスケールメリットが出る程度がよいのではないだろうか(つまり「もっと作れば安くできるのに」とか「こんなに作っても値段は下げられない」などとならない枚数)。より直接的に言えば、制作費をかけるならある程度値段を抑えて数を出すことを検討する余地があるし、制作費を切り詰めるなら数を抑えて価格を上げるメリットが見えてくることがある(反対の印象があるかもしれないが、少なくとも単純計算上はそうなる:あくまで「制作枚数に対する相対的な制作費」の話)。ただし、上記で「小売の労力」を度外視していることは忘れないで欲しい(手売に必要な労力は実に大きい)。
たとえば「500枚売れてトントン(目標は1000枚)」という計画で固定費1万円を計画していたとする。価格を絞って枚数を極限まで出そうというパターンである。このときの販売価格は1枚220円だが、制作費を1万円上げても500枚生産時の原価は20円しか上がらない。これをどう見るかということである。固定費を据え置いたまま販売価格を300円に上げると損益分岐は100枚になり、最大利益は9万円になる。これもどう見るか検討しなければならない。別の例で、もし固定費が19万円で50枚売れてトントン(目標は100枚、1枚4000円)を予定しているなら、100枚売れた場合に1枚あたりの原価が1900円下がるので、たとえば1枚2100円で最低100枚(目標200枚)という設定とどちらがよいか検討する余地が生まれる(固定客のつき方などで判断は分かれる)。
これは「生産上無駄があるかないか」というだけの問題で、適正価格かどうかには関わりがない・・・・・とここまで書いたところでマーチンに話を聞いてみたが「今からいくらかかるかなんてわからない」「出来上がってから考えればいいこと」だそうで、それは「裕福なアマチュア」の思考回路じゃないかとは思うのだが、今回はマーチンが完全に主導する話なのでこれ以上はツッコまないでおく(お金のことはいったん忘れて制作に打ち込みたい、という心情はよくわかる)。
補足。CDを作って売る以上、少しでも効率的に「お金が回る」ようにすることは必要である。なぜなら、音楽には「お金で解決できる/お金でしか解決しない問題」が多いからである。まったくお金をかけずに音楽を作る(たとえば聴かせたい人のところまで歩いていってアカペラや草笛を演奏するとか)ことももちろんできるし、自己負担だけで費用を賄うこともできるが、少なくともCDを作って売る場合には当てはまらない(タダで配るなら話は別)。購入するお客さんには少なからず「あなた(達)の音楽をもっと聴かせて欲しい」という心情がある、ということを信じるなら、受け取る側にはそれを有効利用する義務があるだろう。