最後に


こんな端っこのページまで読んでくれてありがとう。「やってみたらこれ、面白いね」と思ってもらえたら筆者も嬉しい。


・・・とそれだけじゃアレなのでまた例によってたとえ話。なんというか、ホームメイドはホームメイドのやり方でいいと思うわけですよ。

たとえばマクドナルドのハンバーガー。シロウトどころか同業他社のプロにもマネできないテクノロジーが(多分)つぎ込まれてて、実際世の中でも人気があって、たくさんの人に認められてデカい商売をしてるのは間違いない(チラっと調べたら、2005年と2007年の国内シェアで7割オーバーですって:筆者自身、生まれてから今までに食べたハンバーガーの個数を全部数え上げたら、多分マクドナルドのものが一番多い)。

でもだからといって自分でハンバーガーを作ろうと思ったときにマクドナルドのマネをする必要があるかというと、普通はないわけです。外野だって「今世の中で受け入れられてるのはマクドナルドで売っているようなハンバーガーだから同じようなの作れ」と迫ったり「そんなんじゃマクドナルド風にならないよ、ダメダメ」なんて吹っかける必要はまったくないわけです。

たとえなにかの都合でマネをしなくてはならなくなった(孫に「マクドナルドみたいのがいい」ってせがまれたとかね:それなら作る側にも「やってやろう」という動機がある)としても、ようは最終的な成果さえ似ていれば問題ないわけで、シロウトの特権である「制約の少なさ」は活用した方がお得というか、プロの特権である大人テクノロジーをこっちが手に入れるのも難しいので、ハンデもらっとかないとおっつかないのが現実でしょう(ブッチギリの天才でなければ)。同じ味のモノを毎日200食高い歩留まりと短い待ち時間で原価も抑えて作らなければならない、なんていう制約がなく、似た味のものをとりあえず1回作ればいいのなら、技術的なハードルは相当下がるわけです。


それから練習方法について。いろいろなことを言う人がいますが、ある程度の「慣れ」を得るまでは、なにをやっても大した足しにはなりません。

泳げる人は泳げるようになったときのことを、自転車に乗れる人は乗れるようになったときのことを思い出してみましょう。とりあえず水に浮けるようになる前になにをゴチャゴチャやっても溺れるだけだし、まっすぐ走れないのに乗り方をどうこうしてもコケるだけです。そして慣れるためには「余計なことをグダグダ考えずに回数を繰り返す」以外に方法がありません(もちろん、慣れるまでの間に意識すべき心得、たとえば力を抜けとか準備体操をしっかりやれとかいったことはあり、このサイトでもいろいろと紹介しているが、それは技術とか理論とかいったものとはちょっと違う)。

音楽というのは失敗をしても非常に安全で、少なくとも水が鼻に入ったり膝をすりむいたりして痛い思いをすることはありません(ギターの場合力んで指や手首が痛くなることはあるけど)。そのため、溺れていることやコケていることに自分で気付かない恐れがあります。やることを極力シンプルにして「自分がやっていること」を把握しやすくしなければなりません。

上達するには、曲を作ったり楽器を弾いたり音をイジったりということが自分にとって「自然なこと」だと感じられるくらいまで回数をこなすことが、どうしても必要です。慣れてさえしまえば、必要なことは自然とできるようになります。なにが「必要になる」かは本人の資質次第で、好きな音楽と得意な音楽が必ずしも一致しないあたりも面白い現象ではあるけれど、とりあえずは気にしなくてよいでしょう。

結局「楽しんでやる」ことが大切なんではないのかと、楽しんでやらないと普通の人は「とにかく回数をこなせ」というところで挫折するんではないのかと思います(苦行系の努力が好きな人もいるけど)。「面白い」と思ってやっていると自然と余計な力も抜けるし、上達も早そうな気がします。

そういうわけで、楽しんでやってもらえたら幸いです。



一足飛びの目次に戻る / 音楽メモの目次にもどる

自滅への道トップページ